『「私には子がある。私には財がある」と思って愚かな者は悩む。しかし自己が自分のものではない。ましてどうして子が自分のものであろうか。どうして財が自分のものであろうか。』62
(ブッダの真理の言葉感興の言葉 中村元訳 岩波書店)
物事が自分のものである!との『こだわり・執着・思い込み』が苦しみの原因である、
とブッダは説きます
一般的な認識・常識からすれば子供も財産も自己の所有物という考えが出てきても当然
でしょう
しかし仏教的に見れば、自分という存在自体は自分の思い通りになることはあり得ませ
ん
もし自分が自分の物であるならば寿命も病気も全てコントロールできるはずです
しかしそのようなことはあり得ません
自分さえ自分の物ではないのだから、自分の物である子供も財産も自分の物ではありま
せんというのが仏教の基本的な『無我』という真理の教えであります
物事の所有にこだわらず、あるがままに命・事物・現象を尊重することが
『命』という乗り物に乗って人生を楽しく幸せに旅するコツであるかもしれません