『悪い友と交わるな。卑しい人と交わるな。善い友と交われ。尊い人と交われ。』78
(ブッダの真理の言葉感興の言葉 中村元訳 岩波書店)
仏教は人々を、全ての生き物を、世界を平和に導いていく宗教です
生まれによって差別することを厳しく戒める教えです
このようなことを前提に置く宗教が、付き合う人を選べというのです
これは一見差別につながるのではと感じるかもしれませんが、そういう見方はお門違いで
す
ブッダは人の生まれを差別することはしません
ただ人の行いに対しては注文を付けるのです
それもただ人々が幸せなってほしいとの純粋な思いからです
そういう訳で
『悪い友と交わるな。卑しい人と交わるな。善い友と交われ。尊い人と交われ。』
と私達に忠告してくれているのですが、この両者を見分けるのは簡単なようで実は結構難しいのです
そこで善い友・悪い友を見分けるためのポイントの一つを言いますと
『慈悲』の心に基づいた行いがある人であるかどうかです
『慈』は相手の幸せを無条件で願う心
『悲』は相手の悩みや苦しみが無くなるように願う心
そのような心が根本にあるかないかです
心静かに目を閉じて人の行為を想いかえしてみて下さい
何の見返りもなしに私のことを心配してくれる
『慈悲』の心を持った人が見えてくるはずです
中には付き合いやすい人にも悪い人がいますし、付き合いにくい人にも善い人がいるでしょう
『慈悲』の心は相手が幸せになっていく為に、見返りなしで、さり気なく、手助けしていく心でもあります
母親が自分のお腹を痛めた子どもを命をかけても守り続けるような
そんな心が『慈悲』の心なのです
そんな心を持った人か、持ってない人か
それが善い友・悪い友を見分ける一つのポイントであるかと思います