goo blog サービス終了のお知らせ 

独学悠人 「知的財産法に挑む」

「知的財産四法を独自の視点から解説」
(知的財産独解的迷走)
「弁理士試験受験生を応援する日記」
(困惑の日記)

184条の11~184条の20

2010年02月17日 | 逐条裏解説(特許法)

(在外者の特許管理人の特例)
第184条の11 在外者である国際特許出願の出願人は、国内処理基準時までは、第8条第1項の規定にかかわらず、特許管理人によらないで手続をすることができる。
 特許庁の便宜のため、出願人が在外者である場合には、国内に住所又は居所を有する特許管理人の選任を義務付けている(8条1項)。ただし、国際特許出願が国内段階に移行するまでは、原則として、特許庁は審査等の処理を進めてはならない(PCT23条(1))。この場合、国内処理基準時までは特許庁から通知等の手続が行われることがないため、特許管理人の選任が不要である(184条の11第1項)。一方、出願人が優先日から30日以内に出願審査請求を行った場合には、その請求時が国内処理基準時となる。この場合、国内処理基準時から3月以内に特許管理人を選任し届け出る必要がある(184条の11第2項)。

2 前項に規定する者は、国内処理基準時の属する日後経済産業省令で定める期間内に、特許管理人を選任して特許庁長官に届け出なければならない。
省令で定める期間は3月である。

3 前項に規定する期間内に特許管理人の選任の届出がなかつたときは、その国際特許出願は、取り下げたものとみなす。
 取下げ擬制としたのは、不服申し立て手段をなくすためである。特許管理人のない在外者が行う手続(8条違反)については、補正命令の対象となっていない(17条3項)。8条違反による特許出願は、不適法で補正できない手続として却下される(18条の2)。

(補正の特例)
第184条の12 日本語特許出願については第184条の5第1項の規定による手続をし、かつ、第195条第2項の規定により納付すべき手数料を納付した後、外国語特許出願については第184条の4第1項及び第184条の5第1項の規定による手続をし、かつ、第195条第2項の規定により納付すべき手数料を納付した後であつて国内処理基準時を経過した後でなければ、第17条第1項本文の規定にかかわらず、手続の補正(第184条の7第2項及び第184条の8第2項に規定する補正を除く。)をすることができない。

2 外国語特許出願に係る明細書、特許請求の範囲又は図面について補正ができる範囲については、第17条の2第2項中「第36条の2第2項の外国語書面出願」とあるのは「第184条の4第1項の外国語特許出願」と、同条第3項中「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(第36条の2第2項の外国語書面出願にあつては、同条第4項の規定により明細書、特許請求の範囲及び図面とみなされた同条第2項に規定する外国語書面の翻訳文(誤訳訂正書を提出して明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をした場合にあつては、翻訳文又は当該補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面))」とあるのは「第184条の4第1項の国際出願日(以下この項において「国際出願日」という。)における第184条の3第2項の国際特許出願(以下この項において「国際特許出願」という。)の明細書若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の第184条の4第1項の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の同項の翻訳文(同条第2項又は第4項の規定により1970年6月19日にワシントンで作成された特許協力条約第19条(1)の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文が提出された場合にあつては、当該翻訳文)又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く。)(以下この項において「翻訳文等」という。)(誤訳訂正書を掲出して明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をした場合にあつては、翻訳文等又は当該補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面)」とする。

3 国際特許出願の出願人は、第17条の3の規定にかかわらず、優先日から1年3月以内(第184条の4第1項の規定により翻訳文が提出された外国語特許出願のうち、国内書面提出期間内に出願人から出願審査の請求のあつた国際特許出願であつて国際公開がされているものについては、出願審査の請求があつた後を除く。)に限り、願書に添付した要約書について補正をすることができる。
 外国語特許出願については、国際段階で国際公開の請求があり(PCT21条)、国内段階で出願審査の請求があった後には、遅滞なく国内公表(184条の9第1項)がされるため、優先日から1年3月以内であっても、要約書の補正ができない(184条の12第3項かっこ書)。

(補正の特例)
実案第48条の8 第48条の15第1項において準用する特許法第184条の7第2項及び第184条の8第2項の規定により第2条の2第1項の規定によるものとみなされた補正については、同項ただし書の規定は、適用しない。
 19条補正及び34条補正については、2条の2ただし書の規定に拘わらず、出願日から1月以内でなくても補正することが認められる。

2 国際実用新案登録出願についてする条約第28条(1)又は第41条(1)の規定に基づく補正については、第2条の2第1項ただし書の規定は、適用しない。
 PCTの規定28条(1)、41条(1)が直接適用され、PCT22条の翻訳文の提出、手数料の納付後、原則として1月間は補正が認められる。詳細は4項に規定する。
 PCT規則が改正されるごとに国内法の改正が必要になることを避け、また、わが国特許庁が関与しない条件を規定しているため法文上規定することが困難なためである。

3 外国語実用新案登録出願に係る明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面について補正ができる範囲については、第2条の2第2項中「願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲又は図面」とあるのは、「第48条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」とする。

4 特許法第184条の12第1項の規定は、国際実用新案登録出願についてする第2条の2第1項本文又は条約第28条(1)若しくは第41条(1)の規定に基づく補正に準用する。この場合において、同法第184条の12第1項中「第195条第2項」とあるのは「実用新案法第32条第1項の規定により納付すべき登録料及び同法第54条第2項」と、「納付した後であつて国内処理基準時を経過した後」とあるのは「納付した後」と読み替えるものとする。
 日本語の場合には、国内書面の提出、手数料・登録料の納付後、外国語の場合には、国内書面・翻訳文の提出、手数料・登録料の納付後に、原則として1月間、2条の2第1項本文、PCT28条(1)、41条(1)の補正ができる。
 条約上の補正との整合性をとるためである。

(特許原簿への登録の特例)
第百八十四条の十二の二 日本語特許出願については第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後、外国語特許出願については第百八十四条の四第一項及び第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後であつて国内処理基準時を経過した後でなければ、第二十七条第一項第四号の規定にかかわらず、仮専用実施権又は仮通常実施権の登録を受けることができない。

(特許要件の特例)
第184条の13 第29条の2に規定する他の特許出願又は実用新案登録出願が国際特許出願又は実用新案法第48条の3第2項の国際実用新案登録出願である場合における第29条の2の規定の適用については、同条中「他の特許出願又は実用新案登録出願であつて」とあるのは「他の特許出願又は実用新案登録出願(第184条の4第3項又は実用新案法第48条の4第3項の規定により取り下げられたものとみなされた第184条の4第1項の外国語特許出願又は同法第48条の4第1項の外国語実用新案登録出願を除く。)であつて」と、「出願公開又は」とあるのは「出願公開、」と、「発行が」とあるのは「発行又は1970年6月19日にワシントンで作成された特許協力条約第21条に規定する国際公開が」と、「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面」とあるのは「第184条の4第1項又は実用新案法第48条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」とする。

<第29条の2の読み替え>
 特許出願に係る発明が当該特許出願の日前の「他の特許出願又は実用新案登録出願(第184条の4第3項又は実用新案法第48条の4第3項の規定により取り下げられたものとみなされた第184条の4第1項の外国語特許出願又は同法第48条の4第1項の外国語実用新案登録出願を除く。)であつて」当該特許出願後に第66条第3項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した特許公報(以下「特許掲載公報」という。)の発行若しくは「出願公開、」実用新案法第14条第3項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報(以下「実用新案掲載公報」という。)の「発行又は1970年6月19日にワシントンで作成された特許協力条約第21条に規定する国際公開が」されたものの「第184条の4第1項又は実用新案法第48条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」(第36条の2第2項の外国語書面出願にあつては、同条第1項の外国語書面)に記載された発明又は考案(その発明又は考案をした者が当該特許出願に係る発明の発明者と同一の者である場合におけるその発明又は考案を除く。)と同一であるときは、その発明については、前条第1項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。ただし、当該特許出願の時にその出願人と当該他の特許出願又は実用新案登録出願の出願人とか同一の者であるときは、この限りでない。
 国際特許出願について、29条の2の他の出願としての後願排除効は、国際公開(PCT21条)を条件とし、国際出願日における明細書等の範囲内に認められる。パリ条約の優先権主張を伴う国際特許出願については、本条(184条の13)において、第1国出願日を基準として29条の2の他の出願の後願排除効が認められる(パリ4条B)。国内優先権(41条)の主張を伴う国際特許出願については、184条の15に規定されている。

(発明の新規性の喪失の例外の特例)
第184条の14 第30条第1項又は第3項の規定の適用を受けようとする国際特許出願の出願人は、その旨を記載した書面及び第29条第1項各号の一に該当するに至つた発明が第30条第1項又は第3項の規定の適用を受けることができる発明であることを証明する書面を、同条第4項の規定にかかわらず、国内処理基準時の属する日後経済産業省令で定める期間内に特許庁長官に提出することができる。
 国際特許出願において、新規性喪失の例外の適用(30条1項、3項)を受ける場合には、国内処理基準時の属する日後30日以内に特許庁長官へ提出することができる。また、本規定は書面を提出することができる終期を定めたものと解され、国際特許出願日から書面を提出することができると考えられる。

(特許出願等に基づく優先権主張の特例)
第184条の15 国際特許出願については、第41条第1項ただし書及び第4項及び第42条第2項の規定は、適用しない。
 日本国を指定する国際出願(国際特許出願)についての優先権の主張の効果、手続について規定する。
 基礎出願が国内出願又はわが国のみを指定する国際特許出願等であり、41条の優先権の主張を伴う自己指定の国際特許出願について主に規定する。
 国際出願の優先権の主張の手続は、PCT規則(PCT8条(1)、(2)(a)(b)、規則4.1(a)、4.10)による。従って、41条1項の国内優先権の主張は、国際出願の願書において行う。
 国際特許出願において、優先権の主張の取下げは、PCT規則(90の2.3)により、優先日から30月以内にできる(42条2項を不適用)。この場合、基礎出願が国際出願であれば30月以内に取下げ擬制されていない。一方、基礎出願が国内出願であるときには、1年3月経過時に取下げ擬制されているため(42条1項)、基礎出願が復活することはなく、単に優先権の主張を取り下げるのみとなる。

2 日本語特許出願についての第41条第3項の規定の適用については、同項中「又は出願公開」とあるのは、「又は1970年6月19日にワシントンで作成された特許協力条約第21条に規定する国際公開」とする。
 優先権主張出願(後の出願)が日本語特許出願の場合には、出願公開(64条)の代わりに国際公開(PCT21条)がされていれば、後の出願が国際公開されたときに、後の出願の出願当初明細書等に記載された事項と、基礎出願(先の出願)の出願当初明細書等に記載された事項との重複部分について、先の出願が出願公開(国内出願の場合)又は国際公開(PCT出願の場合、184条の15第4項)されたとみなして、先の出願に29条の2の他の出願の後願排除効が認められる。
 後の出願が日本語特許出願である場合に、本項の適用がある。国際出願日における明細書等が願書に最初に添付した明細書等とみなされるため(184条の6)、他の読替えは不要となる。

3 外国語特許出願についての第41条第3項の規定の適用については、同項中「特許出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」とあるのは「第184条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」と、「又は出願公開」とあるのは「又は1970年6月19日にワシントンで作成された特許協力条約第21条に規定する国際公開」とする。
 優先権主張出願(後の出願)が外国語特許出願の場合にも、出願公開(64条)の代わりに国際公開(PCT21条)がされていれば、後の出願が国際公開されたときに、後の出願の国際出願日における国際出願の明細書等に記載された事項と、基礎出願(先の出願)の出願当初明細書等に記載された事項との重複部分について、先の出願が出願公開(国内出願の場合)又は国際公開(PCT出願の場合、184条の15第4項)されたとみなして、先の出願に29条の2の他の出願の後願排除効が認められる。
 後の出願が外国語特許出願である場合に、本項の適用がある。願書に最初に添付した明細書等を国際出願日における明細書等と読み替える必要がある。他は日本語特許出願と同じである。

4 第41条第1項の先の出願が国際特許出願又は実用新案法第48条の3第2項の国際実用新案登録出願である場合における第41条第1項から第3項まで及び第42条第1項の規定の適用については、第41条第1項及び第2項中「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面」とあるのは「第184条の4第1項又は実用新案法第48条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」と、同条第3項中「先の出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面」とあるのは「先の出願の第184条の4第1項又は実用新案法第48条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」と、「について出願公開」とあるのは「について1970年6月19日にワシントンで作成された特許協力条約第21条に規定する国際公開」と、第42条第1項中「その出願の日から1年3月を経過した時」とあるのは「第184条の4第4項若しくは実用新案法第48条の4第4項の国内処理基準時又は第184条の4第1項若しくは同法第48条の4第1項の国際出願日から1年3月を経過した時のいずれか遅い時」とする。
 先の出願(基礎出願)が日本語特許出願、外国語特許出願のいずれかである場合の読替え規定である。
 41条1項、2項において、出願当初明細書等を国際出願日における明細書等に読み替えることにより、国内出願と同様にこれらの規定が適用される。41条3項において、出願当初明細書等を国際出願日における国際出願の明細書等と読み替え、出願公開を国際公開に読み替えることによって、国内出願と同様に本項の規定が適用される。
基礎出願が国際特許出願である場合には、国内処理基準時又は国際出願日から1年3月経過時のいずれか遅い時に、基礎出願が取下げ擬制される(184条の15第4項)。
 国際特許出願についても、42条3項はそのまま適用される。従って、国際出願日から1年3月以内に出願を取り下げれば、優先権の主張が取下げ擬制されるが、1年3月後に出願を取り下げたときには、自ら優先権の主張を取り下げる必要がある。

(出願の変更の特例)
第184条の16 実用新案法第48条の3第1項又は第48条の16第4項の規定により実用新案登録出願とみなされた国際出願の特許出願への変更については、同法第48条の5第4項の日本語実用新案登録出願にあつては同条第1項、同法第48条の4第1項の外国語実用新案登録出願にあつては同項及び同法第48条の5第1項の規定による手続をし、かつ、同法第54条第2項の規定により納付すべき手数料を納付した後(同法第48条の16第4項の規定により実用新案登録出願とみなされた国際出願については、同項に規定する決定の後)でなければすることができない。

(出願の変更の特例)
実案第48条の11 特許法第184条の3第1項又は第184条の20第4項の規定により特許出願とみなされた国際出願の実用新案登録出願への変更については、同法第184条の6第2項の日本語特許出願にあつては同法第184条の5第1項、同法第184条の4第1項の外国語特許出願にあつては同項及び同法第184条の5第1項の規定による手続をし、かつ、同法第195条第2項の規定により納付すべき手数料を納付した後(同法第184条の20第4項の規定により特許出願とみなされた国際出願については、同項に規定する決定の後)でなければすることができない。

(出願審査の請求の範囲の制限)
第184条の17 国際特許出願の出願人は、日本語特許出願にあつては第184条の5第1項、外国語特許出願にあつては第184条の4第1項及び第184条の5第1項の規定による手続をし、かつ、第195条第2項の規定により納付すべき手数料を納付した後、国際特許出願の出願人以外の者は、国内書面提出期間(第184条の4第1項ただし書の外国語特許出願にあつては、翻訳文提出特例期間)の経過後でなければ、国際特許出願についての出願審査の請求をすることができない。

(登録料の納付期限の特例)
実案第48条の12 国際実用新案登録出願の第1年から第3年までの各年分の登録料の納付については、第32条第1項中「実用新案登録出願と同時」とあるのは、「第48条の4第1項に規定する国内書面提出期間内(同条第4項に規定する国内処理の請求をした場合にあつては、その国内処理の請求の時まで)」とする。
 国際実用新案登録出願については、登録料の納付は原則として国内書面の提出期間内で認められる。

(実用新案技術評価の請求の時期の制限)
第48条の13 国際実用新案登録出願に係る実用新案技術評価の請求については、第12条第1項中「何人も」とあるのは、「第48条の4第4項に規定する国内処理基準時を経過した後、何人も」とする。

(拒絶理由等の特例)
第184条の18 外国語特許出願に係る拒絶の査定及び特許無効審判については、第49条第6号並びに第123条第1項第1号及び第5号中「外国語書面出願」とあるのは「第184条の4第1項の外国語特許出願」と、第49条第6号及び第123条第1項第5号中「外国語書面」とあるのは「第184条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」とする。

(訂正の特例)
第184条の19 外国語特許出願に係る第134条の2第1項の規定による訂正及び訂正審判の請求については、第126条第3項中「外国語書面出願」とあるのは「第184条の4第1項の外国語特許出願」と、「外国語書面」とあるのは「第184条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」とする。

(決定により特許出願とみなされる国際出願)
第184条の20 条約第2条(vii)の国際出願の出願人は、条約第4条(1)(ii)の指定国に日本国を含む国際出願(特許出願に係るものに限る。)につき条約第2条(xv)の受理官庁により条約第25条(1)(a)に規定する拒否若しくは同条(1)(a)若しくは(b)に規定する宣言がされ、又は条約第2条(xix)の国際事務局により条約第25条(1)(a)に規定する認定がされたときは、経済産業省令で定める期間内に、経済産業省令で定めるところにより、特許庁長官に同条(2)(a)に規定する決定をすべき旨の申出をすることができる。

2 外国語でされた国際出願につき前項の申出をする者は、申出に際し、明細書、請求の範囲、図面(図面の中の説明に限る。)、要約その他の経済産業省令で定める国際出願に関する書類の日本語による翻訳文を特許庁長官に提出しなければならない。

3 特許庁長官は、第1項の申出があつたときは、その申出に係る拒否、宣言又は認定が条約及び特許協力条約に基づく規則の規定に照らして正当であるか否かの決定をしなければならない。

4 前項の規定により特許庁長官が同項の拒否、宣言又は認定が条約及び特許協力条約に基づく規則の規定に照らして正当でない旨の決定をしたときは、その決定に係る国際出願は、その国際出願につきその拒否、宣言又は認定がなかつたものとした場合において国際出願日となつたものと認められる日にされた特許出願とみなす。

5 前項の規定により特許出願とみなされた国際出願についての出願公開については、第64条第1項中「特許出願の日」とあるのは「第184条の4第1項の優先日」と、同条第2項第6号中「外国語書面出願」とあるのは「外国語でされた国際出願」と、「外国語書面及び外国語要約書面」とあるのは「第184条の20第4項に規定する国際出願日となつたものと認められる日における国際出願の明細書、請求の範囲、図面及び要約」とする。

6 第184条の3第2項、第184条の6第1項及び第2項、第184条の9第6項、第184条の12から第184条の14まで、第184条の15第1項、第3項及び第4項並びに第184条の17から前条までの規定は、第4項の規定により特許出願とみなされた国際出願に準用する。この場合において、これらの規定の準用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。