はにわの部屋

打楽器奏者・指導者平永里恵(旧姓:橋本)のひとりごと

人間関係

2008年12月12日 17時02分09秒 | Weblog
先日、某高校へレッスンに行った時のことです。


校内のアンサンブル発表会でデュオをする二人をレッスンしていました。

まず一回演奏を聴かせてもらおうということで、聞かせてもらったのだけど、、、

演奏を聞いた瞬間に、現在の二人の人間関係がもろ判ってしまいました。


演奏をいったん終えて、本当にところはどうなのか聞いてみたくなり、真相を確かめてみました。


そうしたら、やっぱりうまくいってなかったみたいで…


片方の子(女子)は、思うことがあっても溜め込んでしまうタイプであまり表に出さないようにしていて、よく言えば人の意見を出来るだけ聞き入れ何でも受け入れようとしている。しかし根は頑固なタイプ。

もう片方の子(男子)は、とにかくプライドが高く自分の非をあまり認めないタイプで、相手を認めるとか信頼するということにも臆病になっているタイプ。


お互いにコミュニケーションが取りきれず、二人の間に見えない壁がありました。

お互いに「相手を信頼する」ということが今現在出来ていない、

お互いにお互いを認め合うことを出来ていないと判断しました。



これは、音楽をする以前の問題だったし、このままレッスンしても全く意味がないと思いました。

なので音を出すのをやめ、2人と私の3人でミーティングをしました。


まず、2人のアンサンブルがより良くなる為にどうしたら良いのか?

建設的で前向きな意思がなければ、このアンサンブルは上手くいかない旨を伝え、今までの二人の練習の中で、お互いに言いたいことや思うことがあれば衝突してもいいから、思ってることを言い合ってみよう。
と持ちかけました。

どうやらこんな風な機会を持ったことがなかった様子で、しばらく二人は黙っていましたが、少しずつ「今まで○○だったけど。これからはこうしていきたい!」という意見が飛び交うようになってきました。


そうしたら、二人の共通する想いを発見することができました。

それは、「このアンサンブルを成功させたい!」という想いでした。

当たり前の話かもしれないけど、コミュニケーションが上手く取れていなかった二人にとっては非常に重要な要素で、この共通する想いがなければ、やはりアンサンブルとしては成功しないのだと再確認しました。


そうこうしていると、男子の方が号泣しだしました。

どうしたのかと心配になり訳を聞いてみると…


「今まで自分(彼)が生きてきた人生の中で、人間関係が上手くいったことは一度もなかった。
でもこの部活に入って、仲間たちに出会って、部活をしているときが本当に楽しい。なのに、自分はこんな大事な仲間をなくすところだった。」


さらに、涙ながらに相方の女子のほうに向かって…


「いつもありがとう」


と言いました。






この後の二人の演奏は言うまでもなく素晴らしく、気持ちの入ったステキな音楽を奏でていました。




16歳(10代)の彼ら彼女らは、非常にデリケート。


この経験が、これから羽ばたいていくこの子たちにとって何らかの糧になればいいなと思います。



そして、私にとっても忘れられない出来事のひとつとなりました。

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