
新譜CDをリリース早々手にしたのは10年ぶりで、色々と思ったことを書いてみる。
その10年前のアルバムは Dr. John の Locked Down で、今でもわりとよく聴く。
Springsteen ももう73歳だが、こんなに歌えるのは単純に凄いと思うし元気を貰った。
もはや70歳代は老人ではないのだな。
ただ、概ね自分も大好きな曲のカバー集で歌は楽しめたが、演奏が面白くない。
このアルバムを10数年後もたまには聴いているだろうか。
Lennon の Rock 'n' Roll は偶に聴くし、Moondog Matinee は頻繁に聴いている。
Springsteen の歌は言葉が分かればもっとずっと楽しめるのだろうと思う。
でも、歌詞が分からなくてもディランには想像力を掻き立てられるのは何故だろう。
このアルバムは、Soul Days と Any Other Way と Do I Love You は初めて聞いた。
Jerry Butler の The Ice Man Cometh からタイトル曲を含めて2曲カバーしてきたのには驚いた。
Neil Young が Poor Wayfaring Stranger をカバーしたのにも驚いたが、そういうことが偶にある。
The Ice Man Cometh といえば、Never Gonna Give You Up を Black Keys がカバーしたし、
Lost は、友人の話では Jackie Deshannon がカバーしているそうだ。
11曲のアルバムから4曲カバーされた訳で、やはり10数年前にも書いたが捨て曲無しの名盤だ。
Only The Strong Survive は Elvis Presley もカバーした曲だが、誤解されそうな気がする。
歌詞は、辛いことがあっても落ち込んでばかりいちゃダメだと母親に言われたというような主旨だが、
タイトルの字面から弱肉強食みたいな歌と思われるのではないか?そういう事では全く無いのだが。
Borne In The U.S.A. もそうだったと思うが、どうも Springsteen は日本では誤解されやすい気がする。
だから来ないのかな。Big Man が居る E Street Bandをバックにもう一度ライブを見たかった。
Jerry Butler も Springsteen も自分は大好きなのだが、なぜこの国ではパッとしないのだろう。
Butler は向こうでもイマイチなのかもしれない。いや、Butler の歌をカバーしているのは、Elvis Presley、
Otis Redding、Gregg Allman、Dusty Springfield と錚々たる顔ぶれだから評価は高い筈… でもないか。
ローリングストーン誌のボーカリスト番付に Butler は確か出てきたことはないと思う。
番付や評判など自分はどうでも良いのだが、なんでかな、とは思う。
特に日本では欧米に比べてバリトンボイスはどうもウケが良く無い。
以前、カーグラフィックTVで松任谷正隆が、車名は忘れたが或るヨーロッパ車に試乗し、低音の
イグゾーストサウンドについて、こういう音は日本人は苦手だが欧米人は平気、みたいな事を
言っていた。
自分の好きな声は、声域を検証した訳ではないが、概ねバリトンボイスということになるか。
Jerry Butler, Levi Stubbs, Marvin Junior, James Carr, Bill Medley, Richard Manuel, Bobby Bland,
Gregg Allman, John Lee Hooker, Muddy Waters... こうした声が好きだという人は周りに殆ど居ない。
Ray Charles, Sam Cooke, Elvis Presley, Marvin Gay の声も好きだがちょっと違う。
John Lennon の声はバリトンとは言わない気がするが、そう書いている英語の記事をどこかで読んだ。
バリトンか否かともかく、自分にとっては P.M. よりは魅力的な声なのは確かだ。
あいかわらず、とりとめもなく色々と思う事が出てくるので、このへんで止めておこう。