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ドラゴン論
1 はじめに
ドラゴンクエスト6が、個性がない、単調、といわれる原因の一つは「ドラゴン」という職業にある。
詳細は後述するが、端的にいえば、
誰でも簡単に就職できて
ステータスが高い上に、最強攻撃手段が手に入る
ため、打撃系キャラは、ドラゴンに就職した方が有利であるし、
ステータスに難があるキャラも、ドラゴンに就職させがちである。
そのため、パーティーがドラゴンだらけになり、これが、個性がない、単調、といわれる原因なのではなかろうか。
2 就職
まず、打撃系キャラの就職先を比較してみたい
ドラゴン : 力20%UP 守り20%UP HP30%UP 素早20%down
バトルマスター : 力15%UP 守り10%UP HP20%UP 素早10%UP
戦士 : 力10%UP 守り変化なし HP10%UP 素早35%down
つぎに、最強の攻撃手段である「せいけんづき」を使って、これら職業に就職する条件を比較する
ドラゴン : 戦闘回数89(せいけんづき)+ドラゴンのさとり(最速は格闘場クリア)
バトルマスター : 戦闘回数348
戦士 : 戦闘回数89(せいけんづき)
戦士とドラゴンを比較した場合、ステータス面でドラゴンが有利になるので、ドラゴンかバトルマスターか、という2択になる。
素早さの好み、打ち払いか先制攻撃かの好みで、両者のいずれを選択するかは分かれることになりそうだが、
ドラゴンのさとりを手に入れた後に仲間に入ったキャラに関しては、戦闘回数的にドラゴンが有利ではある。
このように、ぶとうかとして89回戦ってせいけんづきを覚えれば、ドラゴンに転職して、最強の打撃キャラができあがるわけであるが、
ドラゴンのさとりの入手条件はどうなのか。
格闘場クリア:要マーメイドハープ、スライム系の訓練が必要
メダル90枚:デュラン戦後
ドランゴ:デュラン戦後
ムーア城:ムーア戦直前
クリア後:売り物
たしかに、序盤、中盤で入手できない。
しかし、クリアまでの間に、ドランゴに加えて、合計3つのドラゴンのさとりが手に入るので、最大4人がドラゴンに就職でき、
希少価値は非常に低い。
少なくとも、終盤になれば、誰でも、簡単に就職することができる職業、といえるだろう。
3 特性とステータス
ドラゴンとバトルマスターを比較して、ドラゴンがステータス面で不利なのは、素早さのみである。
バトルマスターが10%上昇するのに対し、ドラゴンは20%減少する。
元々の素早さが高いほど、この影響を受ける。
ところが、戦闘時の行動順序は、多少の乱数が加わるため、元々の素早さがそれほど高くなければ、確実にドラゴンが不利とまではいえない。
さらに、元々素早さの低いキャラは、バトルマスターだろうが、ドラゴンだろうが、後行動なので、バトルマスターが有利とはならない。
そもそも、後行動の方が、バイキルトをかけてから攻撃するのに向いている、という考えもあるだろうし、
攻略に数ターンかかるボス戦では、打撃系キャラの些細な素早さの差は、どうでもいい、という考えもあるだろう。
では、せいけんづきが効かない場面ではどうか。
バトルマスターなら、もろばぎりなどの剣技、がんせきおとし、などで勝負することになる。
これに対し、ドラゴンなら、しゃくねつ、や、かがやくいきなどで勝負することになる。
ただ、この点は、やりこめば、両方の職業を究めることになるので、最終的にどちらの職につくのか、が問題である。
せいけんづきが効かない場面では、ちからが強ければ、バトルマスターのとくぎが生かせるが、ちからが強いのは、ドラゴン職である。
そのため、バトルマスターを究めてからドラゴンに転職することには意味がある、が、
その逆には、あまり意味がない、とはいえるだろう。
むろん、ドラゴンの先制攻撃特性はボス戦は無意味であり、バトルマスターの打ち払いは強力な個性ではある。
しかし、打ち払いの確率はそれほど高い訳ではなく、HPとみのまもりが高いドラゴンの方が、安定して防御面で有利といえるだろう。
さらに、MP面で、バトルマスターは大幅に不利となるため、ベホマやギガスラッシュやビッグバンをオプションとして使わせたいなら、
ドラゴン一択ということになる。
4 結論 なにが悪いのか
まず、お手軽、という点が悪い。
最もちからの強い職業に、ドラゴンのさとり一つで就職できる上、あまりにも希少性がない。
はぐれのさとりのように、誰に使わせるか、アタマを悩ませることなく、
格闘場をクリアしてドラゴンのさとりを手に入れるために、ドラゴンのさとりをスライム系に使わせる、
という意味のない行動をしても、別に痛くも痒くもないくらい、希少性がない。
クリアまでの間に、ドランゴに加えて、合計3つのドラゴンのさとりが手に入るので、
どうぞ、4人をドラゴンにしてラスボスと戦ってください、
と言わんばかりの仕様といえるし、
どうせ、余ってるし、バトルマスターも極めてしまったし、ドラゴンに転職させるか、
という判断をさせがちなのではないだろうか。
つぎに、最強の打撃を求めていると、ドラゴンにいきつき、
それが、ブレス攻撃まで手に入れてオールマイティなキャラになってしまうため、
打撃は弱いがブレス攻撃ができるキャラ、とか、
逆に、ブレス攻撃はできないが、打撃能力は最高のキャラ
などの存在を作り出すことができない。
これが、個性がない、と言われる原因のひとつではないだろうか。
打撃が強いキャラの打撃を強化したければドラゴン、打撃が弱いキャラにブレスを覚えさせるならドラゴン、だから、みんなドラゴン。
結局、せいけんづき、と、かがやくいき、ばかりの攻撃になり、
プレイヤーの選択基準は、せいけんづきの威力が強い武器はなにか、キャラは誰か、という点にいきつく。
こうなると、どの敵に、誰を戦わせると有利か、というキャラ選択の楽しみは消え失せ、
キャラは、ただ、強いか、弱いか、の区別しかなくなってしまうのではないだろうか。
あとがき
そもそも、ドラゴン職という存在自体に、疑問があります。
ドラゴンクエストでは、伝統的にドラゴラムという呪文が、ブレス攻撃手段だったはずです。
また、仲間モンスターは、人間が使えないブレス攻撃ができる点に希少性があったはずです。
ルーキーのひっさつわざ、とか、必死に鍛えたスライムに覚えさせたしゃくねつ、
これらは、完全にかすんで意味のないものになっています。
いっそのこと、ドラゴン職は、
ドラゴラムを習得するための職業で、ステータスはボロボロ、すくなくとも最強の打撃キャラではない
という仕様にして、
人間キャラはドラゴラムを唱えないかぎり、ブレス攻撃はできない、
という仕様のほうがしっくりくるように思います。
ドラゴン論
1 はじめに
ドラゴンクエスト6が、個性がない、単調、といわれる原因の一つは「ドラゴン」という職業にある。
詳細は後述するが、端的にいえば、
誰でも簡単に就職できて
ステータスが高い上に、最強攻撃手段が手に入る
ため、打撃系キャラは、ドラゴンに就職した方が有利であるし、
ステータスに難があるキャラも、ドラゴンに就職させがちである。
そのため、パーティーがドラゴンだらけになり、これが、個性がない、単調、といわれる原因なのではなかろうか。
2 就職
まず、打撃系キャラの就職先を比較してみたい
ドラゴン : 力20%UP 守り20%UP HP30%UP 素早20%down
バトルマスター : 力15%UP 守り10%UP HP20%UP 素早10%UP
戦士 : 力10%UP 守り変化なし HP10%UP 素早35%down
つぎに、最強の攻撃手段である「せいけんづき」を使って、これら職業に就職する条件を比較する
ドラゴン : 戦闘回数89(せいけんづき)+ドラゴンのさとり(最速は格闘場クリア)
バトルマスター : 戦闘回数348
戦士 : 戦闘回数89(せいけんづき)
戦士とドラゴンを比較した場合、ステータス面でドラゴンが有利になるので、ドラゴンかバトルマスターか、という2択になる。
素早さの好み、打ち払いか先制攻撃かの好みで、両者のいずれを選択するかは分かれることになりそうだが、
ドラゴンのさとりを手に入れた後に仲間に入ったキャラに関しては、戦闘回数的にドラゴンが有利ではある。
このように、ぶとうかとして89回戦ってせいけんづきを覚えれば、ドラゴンに転職して、最強の打撃キャラができあがるわけであるが、
ドラゴンのさとりの入手条件はどうなのか。
格闘場クリア:要マーメイドハープ、スライム系の訓練が必要
メダル90枚:デュラン戦後
ドランゴ:デュラン戦後
ムーア城:ムーア戦直前
クリア後:売り物
たしかに、序盤、中盤で入手できない。
しかし、クリアまでの間に、ドランゴに加えて、合計3つのドラゴンのさとりが手に入るので、最大4人がドラゴンに就職でき、
希少価値は非常に低い。
少なくとも、終盤になれば、誰でも、簡単に就職することができる職業、といえるだろう。
3 特性とステータス
ドラゴンとバトルマスターを比較して、ドラゴンがステータス面で不利なのは、素早さのみである。
バトルマスターが10%上昇するのに対し、ドラゴンは20%減少する。
元々の素早さが高いほど、この影響を受ける。
ところが、戦闘時の行動順序は、多少の乱数が加わるため、元々の素早さがそれほど高くなければ、確実にドラゴンが不利とまではいえない。
さらに、元々素早さの低いキャラは、バトルマスターだろうが、ドラゴンだろうが、後行動なので、バトルマスターが有利とはならない。
そもそも、後行動の方が、バイキルトをかけてから攻撃するのに向いている、という考えもあるだろうし、
攻略に数ターンかかるボス戦では、打撃系キャラの些細な素早さの差は、どうでもいい、という考えもあるだろう。
では、せいけんづきが効かない場面ではどうか。
バトルマスターなら、もろばぎりなどの剣技、がんせきおとし、などで勝負することになる。
これに対し、ドラゴンなら、しゃくねつ、や、かがやくいきなどで勝負することになる。
ただ、この点は、やりこめば、両方の職業を究めることになるので、最終的にどちらの職につくのか、が問題である。
せいけんづきが効かない場面では、ちからが強ければ、バトルマスターのとくぎが生かせるが、ちからが強いのは、ドラゴン職である。
そのため、バトルマスターを究めてからドラゴンに転職することには意味がある、が、
その逆には、あまり意味がない、とはいえるだろう。
むろん、ドラゴンの先制攻撃特性はボス戦は無意味であり、バトルマスターの打ち払いは強力な個性ではある。
しかし、打ち払いの確率はそれほど高い訳ではなく、HPとみのまもりが高いドラゴンの方が、安定して防御面で有利といえるだろう。
さらに、MP面で、バトルマスターは大幅に不利となるため、ベホマやギガスラッシュやビッグバンをオプションとして使わせたいなら、
ドラゴン一択ということになる。
4 結論 なにが悪いのか
まず、お手軽、という点が悪い。
最もちからの強い職業に、ドラゴンのさとり一つで就職できる上、あまりにも希少性がない。
はぐれのさとりのように、誰に使わせるか、アタマを悩ませることなく、
格闘場をクリアしてドラゴンのさとりを手に入れるために、ドラゴンのさとりをスライム系に使わせる、
という意味のない行動をしても、別に痛くも痒くもないくらい、希少性がない。
クリアまでの間に、ドランゴに加えて、合計3つのドラゴンのさとりが手に入るので、
どうぞ、4人をドラゴンにしてラスボスと戦ってください、
と言わんばかりの仕様といえるし、
どうせ、余ってるし、バトルマスターも極めてしまったし、ドラゴンに転職させるか、
という判断をさせがちなのではないだろうか。
つぎに、最強の打撃を求めていると、ドラゴンにいきつき、
それが、ブレス攻撃まで手に入れてオールマイティなキャラになってしまうため、
打撃は弱いがブレス攻撃ができるキャラ、とか、
逆に、ブレス攻撃はできないが、打撃能力は最高のキャラ
などの存在を作り出すことができない。
これが、個性がない、と言われる原因のひとつではないだろうか。
打撃が強いキャラの打撃を強化したければドラゴン、打撃が弱いキャラにブレスを覚えさせるならドラゴン、だから、みんなドラゴン。
結局、せいけんづき、と、かがやくいき、ばかりの攻撃になり、
プレイヤーの選択基準は、せいけんづきの威力が強い武器はなにか、キャラは誰か、という点にいきつく。
こうなると、どの敵に、誰を戦わせると有利か、というキャラ選択の楽しみは消え失せ、
キャラは、ただ、強いか、弱いか、の区別しかなくなってしまうのではないだろうか。
あとがき
そもそも、ドラゴン職という存在自体に、疑問があります。
ドラゴンクエストでは、伝統的にドラゴラムという呪文が、ブレス攻撃手段だったはずです。
また、仲間モンスターは、人間が使えないブレス攻撃ができる点に希少性があったはずです。
ルーキーのひっさつわざ、とか、必死に鍛えたスライムに覚えさせたしゃくねつ、
これらは、完全にかすんで意味のないものになっています。
いっそのこと、ドラゴン職は、
ドラゴラムを習得するための職業で、ステータスはボロボロ、すくなくとも最強の打撃キャラではない
という仕様にして、
人間キャラはドラゴラムを唱えないかぎり、ブレス攻撃はできない、
という仕様のほうがしっくりくるように思います。