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クライミングロープの強度基準

2016年04月21日 | クライミング

東秀磯さんのFacebookの記事、とっても参考になったので転載します。

***ここから転載***

【クライミングロープの強度と基準】

クライミングロープの性能は年々進化しています。私がクライミングを始めた35年前には直径11ミリが主流でしたが、いまでは9ミリを切るロープも販売されています。
最近では海外に8.5ミリに迫るロープも製造されていて、11ミリとの差は面積比で40 %ダウンにも及びます。
ただし世界最小径のロープは国内では販売不可になっています。その理由はなぜなのか?そしてクライミングロープに関する強度基準を調べてみました。

【海外編】
●UIAA基準
世界では最初1960年にUIAA(国際山岳連盟)によってクライミングロープの強度基準が定められました。これが現在のすべての強度基準のもとになっています。メーカーは対象製品をUIAAに提出すると安全性のテストが行われ、その基準をクリアーした製品にはUIAA SAFTEY LEBELというロゴを表示することが認められます。つまりそのシールが貼られているということが、性能を保証するブランド的な要素になります。

●欧州規格(EN)ヨーロッパノーム
EN規格とは欧州30か国で構成されるCEN (欧州標準化委員会)などが管轄する、欧州の統一規格です。その規格は製造物や建設物に及び、クライミングロープはEN892で規定されています。これは順守義務のある法的な基準で、その規格のよりどころはUIAAの基準です。クライミングロープには「外皮のずれ、静荷重・動荷重での伸び率、衝撃荷重、耐墜落回数」が規定されています。

●CEマーク
EU (欧州連合)加盟国で規定された商品は基準を満たさないと販売することができず、その基準に合格したものにはCEマークがつけられます。その強度や仕様の基準はENなどを拠所とします。

●欧州のまとめ
当初UIAAがロープの強度基準を定めましたが、UIAA自体は規格制定団体ではありません。そのUIAA基準をもとに法制化されたのはENです。そしてEN基準に適合しますと審査を得た上でCEマークを付けることができます。なお、ENには今のところ岩角試験はありません。
UIAAにはロープに対する岩角試験規格がありますが、法的拘束力はありません。
またドイツではドイツ連邦軍シャープエッジテストがありますが、登山用としては認可される必要がありません。

【国内編】
●PSCマーク(消費生活用製品安全法)
ナイロンロープは、麻ロープに比べて絶対的に強度があるとされていました。しかし1995年に北アルプスで起きたナイロンザイル切断事件で、ナイロンロープの岩角での切断弱さが問題になり、1975年に消費生活用製品安全法の中で登山用ロープはその認可対象になりました。
消費生活用製品安全法で定める特定製品は「乗車用ヘルメット、家庭用の圧力鍋及び圧力釜、登山用ロープ、携帯用レーザー応用装置、ライター」などが該当します。
これらの指定製品は国の定めた技術上の基準に適合した旨のPSCマークがないと販売できないことになっています。
登山用ロープの品質
・シングルロープの落下試験では最初の衝撃力が1200㎏以下であり、2回目にはロープが切断しないこと。
・シングルロープのせん断衝撃試験では、面取りしていないステンレスの角でのロープのせん断衝撃力が100㎏以上あること。試験は3回行う。
この試験は通商産業省の機関である製品評価技術センター桐生支所で行なっています。

●SGマーク
SGマークは、「消費生活用製品安全法」に基づき通商産業省の特別認可法人として設立された製品安全協会が、安全を保証するマークとして産み出したものです。製品安全協会と協会が高い審査能力があるとして委託した検査機関によって行われます。SGマークはそれだけの強度があるという保証で、メーカーが独自に取得するものです。

●国内のまとめ
国内で販売されている欧州製のクライミングロープはその強度表示のCE(EN892)の合格品です。ただし海外機関の認定品であっても、国内規定(消費生活用製品安全法)に合格する必要があります。
CEでは墜落試験が主なる認可規定ですが、日本ではナイロンザイル切断事件を機に、岩角に当たるような事例に該当する せん断試験も追加されています。そのためヨーロッパで流通している小径ロープの中には国内では認可されないものもあります。

※注)個人的に調べた内容ですので、事実に適合しない箇所があるかもしれません。

===以上、転載===

初めて知ったこと多かったです。
とっても参考になりました。
安全を意識して、ロープを適正に使っていきたいと思います。

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