次の文を読み91〜93の問いに答えよ。
Aさん(48歳、男性、会社員)は、8年前から高血圧症、脂質異常症および労作性狭心症に対して内服治療をしていた。胸部絞扼感が時々出現するため、経皮的冠動脈形成術〈PCI〉を実施することになった。Aさんは身長165cm、体重80kgである。午前9時過ぎから左橈骨動脈を穿刺し、狭窄部位である左冠状動脈にステント留置術が行われ、午前11時ころに終了した。
◆労作性狭心症
労作性狭心症は、冠動脈が動脈硬化により狭くなり、運動をした時などに心臓の筋肉に充分な酸素が供給できずに起きる。
胸がしめつけられる、胸の中が焼けつくといったような胸部絞扼感や胸部圧迫感、胸部重圧感が多い。
◆経皮的冠動脈形成術
外科的に胸を開いて手術を行うことなく、カテーテルを用いて内科的に治療を行う方法である。
ステントを冠動脈狭窄部に拡張した状態で残して、機械的に血管を拡張させる。
91 経皮的冠動脈形成術〈PCI〉終了後、穿刺部位を圧迫固定した。
術後のAさんへの説明で適切なのはどれか。
1. 「すぐに歩行できます」
治療後は、手首を動かさないようにベッドでの安静となるが、トイレまでの歩行は可能である。
2. 「夕食まで食事はできません」
食事は、治療後より飲食可能である。
3. 「2日後までシャワー浴はできません」
翌日には、入浴可能となる。
4. 「左手首の圧迫固定は明日の朝まで行います」
左手首の圧迫固定は、当日の夕方までである。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「理解度の判定」
*問題をもう一度読んであなたの理解度を正しく判定してください。
103回午後-91 経皮的冠動脈形成術〈PCI〉終了後、穿刺部位を圧迫固定した。気分不快などの症状はない。
術後のAさんへの説明で適切なのはどれか。
1. 「すぐに歩行できます」
2. 「夕食まで食事はできません」
3. 「2日後までシャワー浴はできません」
4. 「左手首の圧迫固定は明日の朝まで行います」
<チェックボタン>
赤レベル:問題文に理解できない所がある。
黄レベル:問題文を再確認したいと思う。
青レベル:問題文を理解している。
92 経皮的冠動脈形成術〈PCI〉終了後も点滴静脈内注射が継続され、抗血小板薬と抗菌薬の投与が行われた。その後、看護師はAさんの穿刺部位の出血がないことを確認した。
次に行う観察で最も注意すべき項目はどれか。
1. 発熱
発熱は、術直後にはみられない。
2. 麻痺症状
経皮的冠動脈形成術後では、血栓症により脳血管障害、神経障害などの合併症が起こる可能性があるので、全身の麻痺症状の観察は重要である。
3. 皮膚の黄染
皮膚の黄染(黄疸)は、合併症ではない。
4. 穿刺部位の感染徴候
穿刺部位の感染徴候は、術直後にはみられない。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「理解度の判定」
*問題をもう一度読んであなたの理解度を正しく判定してください。
103回午後-92 経皮的冠動脈形成術〈PCI〉終了後も点滴静脈内注射が継続され、抗血小板薬と抗菌薬の投与が行われた。その後、看護師はAさんの穿刺部位の出血がないことを確認した。
次に行う観察で最も注意すべき項目はどれか。
1. 発熱
2. 麻痺症状
3. 皮膚の黄染
4. 穿刺部位の感染徴候
<チェックボタン>
赤レベル:問題文に理解できない所がある。
黄レベル:問題文を再確認したいと思う。
青レベル:問題文を理解している。
93 術後3日に退院することになった。
退院指導の内容として適切なのはどれか。
1. 「職場復帰は2週間後からにしましょう」
職場復帰は、退院後には可能となる。
2. 「3か月後の目標体重を65kgにしましょう」
月に1〜2kgの適正な減量だと、3か月後の目標は75kg程度とする。
3. 「狭心症の症状が再度現れる可能性があります」
術後は、胸痛発作などの症状は軽快されるが、動脈硬化を来しやすい体質がなくなるわけではない。
生活習慣の改善や適切な薬物療法を行っていても、拡張した部位が狭くなり、狭心症を再発する場合がある。
4. 「退院後に穿刺部から出血する危険性があります」
退院後は、穿刺部から出血する危険性はない。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「理解度の判定」
*問題をもう一度読んであなたの理解度を正しく判定してください。
103回午後-93 術後3日に退院することになった。
Aさんに対する退院指導の内容として適切なのはどれか。
1. 「職場復帰は2週間後からにしましょう」
2. 「3か月後の目標体重を65kgにしましょう」
3. 「狭心症の症状が再度現れる可能性があります」
4. 「退院後に穿刺部から出血する危険性があります」
<チェックボタン>
赤レベル:問題文に理解できない所がある。
黄レベル:問題文を再確認したいと思う。
青レベル:問題文を理解している。
次の文を読み94〜96の問いに答えよ。
Aさん(43歳、男性、会社員)は、1か月前に右頸部の腫瘤に気付き、自宅近くの診療所を受診し、大学病院を紹介された。検査の結果、Aさんは、非ホジキンリンパ腫と診断され、縦隔リンパ節腫大による上大静脈の圧迫も確認され、化学療法導入のため入院した。Aさんは「悪性リンパ腫と言われたときにはショックだったけど、化学療法は有効であると聞いて、頑張ろうと思っている」と話す。入院時、Aさんは体温37.5℃、呼吸数18/分、脈拍84/分、血圧124/64mmHgであった。血液検査データは、赤血球302万/μl、Hb10.3 g/dl、白血球6,400/μl、総蛋白7.6g/dlであった。
◆非ホジキンリンパ腫
悪性リンパ腫では、全身のリンパ節が腫れ、腫瘤ができる。
大きく分けて、顕微鏡下で大型細胞が認められるホジキンリンパ腫と大型細胞が認められない非ホジキンリンパ腫がある。
非ホジキンリンパ腫は、細胞の種類に基づいて、Bリンパ腫、Tリンパ腫、ナチュラルキラー(NK)、NK/Tリンパ腫に大別される。
94 入院当日、Aさんは看護師に「最近、なんとなく手がむくんでいるような気がする」と言う。
Aさんの手のむくみの原因として可能性が高いのはどれか。
1. 発熱
発熱は、むくみの原因とはならない。
2. 貧血
極度の貧血は全身性の浮腫となるが、Hb10.3 g/dlは軽度の貧血であり、むくみの原因とはならない。
3. 低蛋白血症
総蛋白7.6g/dlであることから、低蛋白血症ではない。
4. 上大静脈の圧迫
上大静脈は、上半身の静脈血を心臓に戻す静脈である。
縦隔リンパ節腫大による上大静脈の圧迫が確認されていることから、上大静脈の圧迫による循環不全が、手のむくみの原因となる。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「理解度の判定」
*問題をもう一度読んであなたの理解度を正しく判定してください。
103回午後-94 入院当日、Aさんは看護師に「最近、なんとなく手がむくんでいるような気がする」と言う。
Aさんの手のむくみの原因として可能性が高いのはどれか。
1. 発熱
2. 貧血
3. 低蛋白血症
4. 上大静脈の圧迫
<チェックボタン>
赤レベル:問題文に理解できない所がある。
黄レベル:問題文を再確認したいと思う。
青レベル:問題文を理解している。
95 入院後4日。Aさんは化学療法としてCHOP療法(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)を行うことになった。
開始前のAさんへの説明で適切なのはどれか。
1. 「高齢の人より副作用は少ないでしょう」
CHOP療法は、悪性リンパ腫に用いられる化学療法である。
副作用は、年齢に関係なく個人差が大きい。
2. 「明日から加熱食となります」
加熱食とはならない。
感染予防としては、抗菌剤の内服やうがいを奨励し、発熱したら直ちに抗生剤を投与する。
3. 「3日目ころから脱毛が始まります」
脱毛が始まるのは、2週間以降である。
4. 「5日目ころから口内炎ができやすくなります」
副作用では、吐き気、食欲不振、便秘、倦怠感が初期から見られるが、口内炎は5日〜1週間後から見られる。
◆CHOP(チョップ)療法とは
3種類の抗がん剤(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン)に副腎皮質ホルモンを組み合わせる。
シクロホスファミドとドキソルビシンは、腫瘍細胞のDNAに作用して細胞の成長を抑制または死滅させる。
ビンクリスチンは、細胞分裂の際に、腫瘍細胞の増殖を阻害する。
副腎皮質ホルモン(プレドニゾロン)は、ステロイド薬でありリンパ球を傷害する効果とともに食欲増進作用や吐き気止めとして用いられる。
◆CHOP療法の副作用
副作用では、好中球の減少の程度が最も強く出る。
さらに血小板減少、赤血球減少による貧血が出現する。
好中球の減少による感染予防が必要になる。
シクロホスファミドでは、出血性膀胱炎が起こりやすい。
ドキソルビシン(アドリアシン)では、心臓障害が起こりやすい。
ビンクリスチンでは、手足の先端のしびれが起きることがあり、便秘になりやすい。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「理解度の判定」
*問題をもう一度読んであなたの理解度を正しく判定してください。
103回午後-95 入院後4日。Aさんは化学療法としてCHOP 療法(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)を行うことになった。
開始前のAさんへの説明で適切なのはどれか。
1. 「高齢の人より副作用は少ないでしょう」
2. 「明日から加熱食となります」
3. 「3日目ころから脱毛が始まります」
4. 「5日目ころから口内炎ができやすくなります」
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赤レベル:問題文に理解できない所がある。
黄レベル:問題文を再確認したいと思う。
青レベル:問題文を理解している。
96 治療は正午から開始され、午後5時ころから胸やけと悪心が出現した。その後、Aさんは制吐薬を追加投与され、症状は軽減した。それ以降、Aさんに悪心・嘔吐はないが、翌日も食欲がなく、食事は1/4程度の摂取であった。治療後3日には症状が改善し、食事は全量摂取できた。Aさんは「楽になったけど、やっぱりつらかった。思い出すだけでもちょっと気持ち悪くなる」と話す。
治療後3日までの状況を踏まえて、次回の治療時の対応で最も適切なのはどれか。
1. 治療前日の夕食を控えてもらう。
治療は正午から開始されるので、治療前日の夕食を控える必要はない。
2. 治療薬の減量を医師に相談する。
治療薬は標準療法が決まっているので、食欲不振が原因で減量することはない。
3. 1日1,000mlの水分摂取を促す。
水分摂取は、シクロホスファミドの出血性膀胱炎とビンクリスチンの便秘を予防するために水分を十分に摂る必要があるが、摂取量については規定がない。
4. 病院食以外は食べないよう指導する。
食欲不振に対しては、食べたいもの、食べられるものを少量ずつ食べるのが良く、病院食以外の食べ物も積極的に食べるよう指導する。
5. 治療前の制吐薬の追加投与を検討する。
制吐薬の追加投与で症状は軽減しているので、治療前の制吐薬の追加投与を検討する。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「理解度の判定」
*問題をもう一度読んであなたの理解度を正しく判定してください。
103回午後-96 治療は正午から開始され、午後5時ころから胸やけと悪心が出現した。その後、Aさんは制吐薬を追加投与され、症状は軽減した。それ以降、Aさんに悪心・嘔吐はないが、翌日も食欲がなく、食事は1/4程度の摂取であった。治療後3日には症状が改善し、食事は全量摂取できた。Aさんは「楽になったけど、やっぱりつらかった。思い出すだけでもちょっと気持ち悪くなる」と話す。
治療後3日までの状況を踏まえて、次回の治療時の対応で最も適切なのはどれか。
1. 治療前日の夕食を控えてもらう。
2. 治療薬の減量を医師に相談する。
3. 1日1,000mlの水分摂取を促す。
4. 病院食以外は食べないよう指導する。
5. 治療前の制吐薬の追加投与を検討する。
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赤レベル:問題文に理解できない所がある。
黄レベル:問題文を再確認したいと思う。
青レベル:問題文を理解している。
次の文を読み97〜99の問いに答えよ。
Aさん(75 歳、女性)は、娘と2人で暮らしている。5年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉病と診断された。半年前から食欲不振が続き体重減少がみられ受診した。検査の結果、胃癌と診断され胃全摘出術が行われた。入院時の改訂版長谷川式簡易知能評価スケール〈HDS-R〉l6点、Mini-Mental State Examination〈MMSE〉18点。
◆改訂版長谷川式簡易知能評価スケール
質問式による認知症評価方法である。
機能が高いほど得点が高く、得点が低いほど機能が低い。
30点満点で、20点以下のとき認知症の可能性が高いと判断される。
◆MMSE(認知症評価方法)
長谷川式と同様に、質問式による認知症評価方法の一つである。
機能が高いほど得点が高く、得点が低いほど機能が低い。
30点満点で、27~30点が正常値、22~26点が軽度認知障害の疑い、21点以下が認知症の疑いである。
97 Aさんは、術後1日の深夜に大きな声で娘の名前を呼び「ここはどこ」と叫びながらベッド柵をたたく行動がみられた。
最初に行う対応として適切なのはどれか。
1. 上肢の抑制を行う。
上肢の抑制を行うのは、不適切である。
患者の身体抑制は、生命や身体が危険にさらされている場合であり、他に方法がない場合に一時的に行うものである。
2. 睡眠薬を与薬する。
不眠を訴えているわけではないので、睡眠薬を与薬するのは不適切である。
3. 娘に電話して来院してもらう。
娘に電話して来院してもらうのは、非現実的である。
4. 病院に入院していると説明する。
「ここはどこ」と叫んだのは、術後せん妄による見当識障害である。
Aさんは中等度の認知症であるが、以前から見当識障害があったわけではないので、術後1日の深夜という状況から術後せん妄の可能性が高い。
Aさんには、入院に対する見当識障害なので、病院に入院していると説明する。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「理解度の判定」
*問題をもう一度読んであなたの理解度を正しく判定してください。
103回午後-97 Aさんは、術後1日の深夜に大きな声で娘の名前を呼び「ここはどこ」と叫びながらベッド柵をたたく行動がみられた。
このときに最初に行う対応として適切なのはどれか。
1. 上肢の抑制を行う。
2. 睡眠薬を与薬する。
3. 娘に電話して来院してもらう。
4. 病院に入院していると説明する。
<チェックボタン>
赤レベル:問題文に理解できない所がある。
黄レベル:問題文を再確認したいと思う。
青レベル:問題文を理解している。
98 術後1週間。Aさんは日中は病室で眠っていることが多いが、夜間は病棟内の廊下を徘徊している。
Aさんへの看護で最も適切なのはどれか。
1. 朝は無理に起こさない。
生活リズムを正しくするためには、朝は決まった時間に起こす。
2. 午後にレクリエーション活動を計画する。
夜間の徘徊を防ぐには、生活リズムを正しくして、日中の活動を高める。
昼寝をさせないためには、午後にレクリエーション活動を計画する。
3. 夕食の時間を就寝前に変更する。
胃全摘出術の食事は、定められた時間に食べる必要がある。
4. 夜間は病室の天井の電気をつけておく。
部屋が明るいと、入眠を妨げて昼夜逆転を増長することになる。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「理解度の判定」
*問題をもう一度読んであなたの理解度を正しく判定してください。
103回午後-98 術後1週間が経過した。Aさんは日中は病室で眠っていることが多いが、夜間は病棟内の廊下を徘徊している。
Aさんへの看護で最も適切なのはどれか。
1. 朝は無理に起こさない。
2. 午後にレクリエーション活動を計画する。
3. 夕食の時間を就寝前に変更する。
4. 夜間は病室の天井の電気をつけておく。
<チェックボタン>
赤レベル:問題文に理解できない所がある。
黄レベル:問題文を再確認したいと思う。
青レベル:問題文を理解している。
99 2週間が経過して、食事は全粥、軟菜を8割程度摂取している。
退院後の食事指導で適切なのはどれか。
1. 食後の安静臥床を勧める。
食後は、逆流性食道炎を防止するために臥床ではなく、ファウラー位かセミファウラー位を勧める。
2. 食物繊維を多く含む食品の摂取を勧める。
退院直後に、食物繊維を多く含む食品を摂取する意味はない。
3. 1日の食事量を6〜8 回に分けて食べることを勧める。
胃全摘出術後は、ダンピング症候群を防ぐために、少量頻回食とする。
栄養不足にならないためには、食事の回数を増やすようにする。
4. 食事時間が長くなっても満腹になるまで摂取するように勧める。
胃を切除しているので、食べ過ぎないように1回の食事量を少なくする。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「理解度の判定」
*問題をもう一度読んであなたの理解度を正しく判定してください。
103回午後-99 術後の経過は良好で2週間が経過した。食事は全粥、軟菜を8割程度摂取している。
娘に対するAさんの退院後の食事指導で適切なのはどれか。
1. 食後の安静臥床を勧める。
2. 食物繊維を多く含む食品の摂取を勧める。
3. 1日の食事量を6〜8回に分けて食べることを勧める。
4. 食事時間が長くなっても満腹になるまで摂取するように勧める。
<チェックボタン>
赤レベル:問題文に理解できない所がある。
黄レベル:問題文を再確認したいと思う。
青レベル:問題文を理解している。
次の文を読み100〜102の問いに答えよ。
A ちゃん(生後1か月、男児)は、2日前から嘔吐があり、昨日は噴水様嘔吐が5回あったため外来を受診し入院した。Aちゃんは体重4,200g、体温36.8℃、呼吸数36/分、心拍数120/分である。眼球結膜に黄染を認めない。上腹部に腫瘤を触知する。Aちゃんの血液検査データは、赤血球540万/μl、Ht45%、白血球10,100/μl、血小板58.6万/μl、アルブミン4.4g/dl、Na140mEq/l、K3.5mEq/l、Cl92mEq/l、動脈血pH7.48であった。
◆肥厚性幽門狭窄症
胃の出口にある幽門部の肥厚による通過障害により、母乳が十二指腸へ流れなくなり、嘔吐を繰り返す病気である。
嘔吐により胃酸が体外にでるために血液がアルカリ性になる。
黄疸を認めることがある。
腹部の触診で、肥厚した幽門筋を確認できる。
100 A ちゃんは入院時にも胃液様の嘔吐がみられた。現在の状態で考えられるのはどれか。
1. 代謝性アシドーシス
2. 呼吸性アシドーシス
3. 代謝性アルカローシス
4. 呼吸性アルカローシス
◆代謝性アルカローシス
血液は、pH7.35〜pH7.45が基準値である。
動脈血pH7.48であることから、アルカローシスである。
アルカローシスは、嘔吐により胃酸(塩酸)が体外にでるために血液がアルカリ性になったことが原因である。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「理解度の判定」
*問題をもう一度読んであなたの理解度を正しく判定してください。
103回午後-100 Aちゃんは入院時にも胃液様の嘔吐がみられた。
Aちゃんの現在の状態で考えられるのはどれか。
1. 代謝性アシドーシス
2. 呼吸性アシドーシス
3. 代謝性アルカローシス
4. 呼吸性アルカローシス
<チェックボタン>
赤レベル:問題文に理解できない所がある。
黄レベル:問題文を再確認したいと思う。
青レベル:問題文を理解している。
101 超音波検査と上部消化管造影の結果、Aちゃんは肥厚性幽門狭窄症と診断された。硫酸アトロピンによる保存療法で効果がなければ手術の予定である。硫酸アトロピンの静脈内注射を開始後、Aちゃんの嘔吐が消失したため、授乳を再開した。
授乳の方法で適切なのはどれか。
1. 自律授乳にする。
硫酸アトロピンの静脈内注射で嘔吐は消失しているが、幽門部の通過障害がどの程度改善しているのかは不明である。
計画授乳にして、嘔吐の起こらない授乳を試みる。
2. 授乳前後に排気する。
嚥下によって飲み込んだ空気を排気させることで、胃の容積を広げて嘔吐を防止する。
3. 水平に抱いて授乳する。
嘔吐を避けるためには上体を起こして授乳する。
水平に抱いて授乳すると、乳汁が逆流しやすい。
4. 授乳後は左向きに寝かせる。
授乳後はすぐに寝かせないで、しばらく上体を起こしたままにしておく。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「理解度の判定」
*問題をもう一度読んであなたの理解度を正しく判定してください。
103回午後-101 超音波検査と上部消化管造影の結果、Aちゃんは肥厚性幽門狭窄症と診断された。硫酸アトロピンによる保存療法で効果がなければ手術の予定である。硫酸アトロピンの静脈内注射を開始後、Aちゃんの嘔吐が消失したため、授乳を再開した。
授乳の方法で適切なのはどれか。
1. 自律授乳にする。
2. 授乳前後に排気する。
3. 水平に抱いて授乳する。
4. 授乳後は左向きに寝かせる。
<チェックボタン>
赤レベル:問題文に理解できない所がある。
黄レベル:問題文を再確認したいと思う。
青レベル:問題文を理解している。
102 その後もAちゃんは嘔吐はなく体重も増加したため、硫酸アトロピンの投与方法を静脈内注射から内服に変更することになった。
母親に説明する内容で最も適切なのはどれか。
1. 「授乳後に飲ませてください」
アトロピンは、幽門筋を弛緩させるために用いるので、授乳前30分以内に内服する。
2. 「内服後に顔が赤くなることがあります」
抗コリン作用の副作用としては、全身潮紅、頻脈、発汗、顔面浮腫等が起きる。
3. 「3日間嘔吐がなければ内服は中止になります」
内服は、症状の軽減があれば、2週間ごとに半量ずつ減量する。
4. 「便に血が混じることがありますが心配はありません」
硫酸アトロピンの副作用に血便はない。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「理解度の判定」
*問題をもう一度読んであなたの理解度を正しく判定してください。
103回午後-102 その後もAちゃんは嘔吐はなく体重も増加したため、硫酸アトロピンの投与方法を静脈内注射から内服に変更することになった。
母親に説明する内容で最も適切なのはどれか。
1. 「授乳後に飲ませてください」
2. 「内服後に顔が赤くなることがあります」
3. 「3日間嘔吐がなければ内服は中止になります」
4. 「便に血が混じることがありますが心配はありません」
<チェックボタン>
赤レベル:問題文に理解できない所がある。
黄レベル:問題文を再確認したいと思う。
青レベル:問題文を理解している。
次の文を読み103〜105の問いに答えよ。
A君(8歳、男児)は、頭痛、食欲不振、全身倦怠感、肉眼的血尿および両眼瞼の浮腫を主訴に病院を受診した。1か月前に扁桃炎に罹患した以外は既往歴に特記すべきことはない。扁桃炎は抗菌薬を内服し軽快した。血液検査の結果、溶連菌感染後急性糸球体腎炎と診断されて入院した。入院時、A君は体温36.8℃、呼吸数20/分、脈拍は80/分、整で血圧132/80mmHgであった。
◆溶連菌感染後急性糸球体腎炎
溶連菌に感染して、1〜4週間で発症する腎炎である。
溶連菌が腎糸球体に付着することで炎症が起こる。
症状は、血尿、乏尿、浮腫、高血圧などである。
103 A 君の入院時の看護計画で適切なのはどれか。
1. 水分摂取を促す。
急性糸球体腎炎では、塩分、蛋白質、水分の摂取を制限する。
2. 背部の冷罨法を行う。
体温は36.8℃であり、発熱はないので、冷罨法は行わない。
3. 1日3回の血圧測定を行う。
急性糸球体腎炎では、急激な血圧の上昇を伴うことがある。
高血圧と高カリウム血症は生命に関わる可能性があるので、血圧の管理は重要である。
4. 食事の持ち込みを許可する。
食事は、治療食を与えるので、食事の持ち込みは許可しない。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「理解度の判定」
*問題をもう一度読んであなたの理解度を正しく判定してください。
103回午後-103 A 君の入院時の看護計画で適切なのはどれか。
1. 水分摂取を促す。
2. 背部の冷罨法を行う。
3. 1日3回の血圧測定を行う。
4. 食事の持ち込みを許可する。
<チェックボタン>
赤レベル:問題文に理解できない所がある。
黄レベル:問題文を再確認したいと思う。
青レベル:問題文を理解している。
104 入院3日目。両眼瞼の浮腫、肉眼的血尿は続いていた。看護師がバイタルサインを測定していると、A君は「頭が痛い。気持ち悪い」と訴えた。A君は体温36.8℃、呼吸数20/分、脈拍88/分、血圧142/86mmHgであった。
この状況からA君に起こりうる症状で注意するのはどれか。
1. 耳痛
2. 鼻閉
3. 視野欠損
4. 意識障害
◆意識障害
「頭が痛い。気持ち悪い」と訴えたのは、高血圧で脳圧が上がっている可能性がある。
眼瞼の浮腫が続いていることから、さらに尿量が減少すると腹水や胸水を起こす可能性がある。
血圧142/86mmHgであることから、頭痛や嘔吐が起こる。
さらに血圧が上昇すると、急性心不全や高血圧性脳症を起こす可能性がある。
1.耳痛 2.鼻閉 3.視野欠損は、高血圧によって起こる症状ではない。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「理解度の判定」
*問題をもう一度読んであなたの理解度を正しく判定してください。
103回午後-104 入院3日目。両眼瞼の浮腫、肉眼的血尿は続いていた。看護師がバイタルサインを測定していると、A君は「頭が痛い。気持ち悪い」と訴えた。A君は体温36.8℃、呼吸数20/分、脈拍88/分、血圧142/86mmHgであった。
この状況からA君に起こりうる症状で注意するのはどれか。
1. 耳痛
2. 鼻閉
3. 視野欠損
4. 意識障害
<チェックボタン>
赤レベル:問題文に理解できない所がある。
黄レベル:問題文を再確認したいと思う。
青レベル:問題文を理解している。
105 入院後2週間が経過した。症状は軽快したが床上安静は続いている。仲が良かった同じ病室の児が退院して、A君はイライラして母親をたたくこともある。A君の母親は、毎日昼食後から夕食後まで面会をしている。
A君のストレスに対する看護師の対応で適切なのはどれか。
1. 「家にすぐ帰れるから頑張ろう」
家にすぐ帰れるから頑張ろうというのは、事実ではないので不適切である。
2. 「お母さんにずっといてもらおう」
A君はイライラして母親をたたくことからストレスの発散とはならない。
3. 「好きなだけテレビを観ていいよ」
8歳であるA君のストレス緩和になるとは言い難い、また教育上好ましくない。
4. 「ベッドに寝たままプレイルームに行こう」
毎日、同じ病室で生活することにストレスを感じている可能性がある。
病室を出ることで環境を変えて、気分転換を図ることはストレスの発散となる。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「理解度の判定」
*問題をもう一度読んであなたの理解度を正しく判定してください。
103回午後-105 入院後2週間が経過した。症状は軽快したが床上安静は続いている。仲が良かった同じ病室の児が退院して、A君はイライラして母親をたたくこともある。A君の母親は、毎日昼食後から夕食後まで面会をしている。
A君のストレスに対する看護師の対応で適切なのはどれか。
1. 「家にすぐ帰れるから頑張ろう」
2. 「お母さんにずっといてもらおう」
3. 「好きなだけテレビを観ていいよ」
4. 「ベッドに寝たままプレイルームに行こう」
<チェックボタン>
赤レベル:問題文に理解できない所がある。
黄レベル:問題文を再確認したいと思う。
青レベル:問題文を理解している。
次の文を読み106〜108の問いに答えよ。
Aさん(17歳、女子、高校生)は、3か月前から月経初日に腹痛や腰痛が生じて、学校を休むようになったため婦人科を受診した。Aさんの月経周期は26〜34日、持続日数は4〜6日である。Aさんはコーヒーを毎朝1杯飲んでおり、運動習慣はない。Aさんは身長162cm、体重55kgであり、既往歴に特記すべきことはない。
◆月経の異常
月経前症候群は、月経開始とともに軽快ないし消失する。
月経困難症は、強い月経痛により月経期間中に日常生活を営むことか困難な状態となる。
103回午後-106 看護師はAさんの最近の月経状況について情報収集をした。月経時は普通サイズのパッドで対処しており、凝血塊が混じることはない。9月と10月のカレンダーを示す。
ただし、○ は月経日を示す。

今回のAさんの月経周期を求めよ。
正解:33日
◆月経周期
月経周期の計算方法は、生理開始日を1日目とカウントして、次の生理の前日までの期間である。
Aさんは、9月2日から数えて10月4日までの33日が月経周期となる。
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「理解度の判定」
*問題をもう一度読んであなたの理解度を正しく判定してください。
103回午後-106 看護師はAさんの最近の月経状況について情報収集をした。月経時は普通サイズのパッドで対処しており、凝血塊が混じることはない。9月と10月のカレンダーを示す。
ただし、○ は月経日を示す。

今回のAさんの月経周期を求めよ。
解答:①②日
<チェックボタン>
赤レベル:問題文に理解できない所がある。
黄レベル:問題文を再確認したいと思う。
青レベル:問題文を理解している。
107 Aさんの月経のアセスメントで適切なのはどれか。
1. 月経前症候群
月経前症候群は、月経前の精神的または身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するものをいう。
精神神経症状としては、情緒不安定、抑うつ、不安、睡眠障害、自律神経症状としてのぼせ、食欲不振・過食、めまい、倦怠感などがある。
身体的症状として頭痛、腹痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張りなどがある。
2. 月経困難症
月経困難症は、月経時やその直前から強い月経痛が始まり、月経期間中に日常生活を営むことか困難な状態である。
3. 希発月経
月経の正常周期は25~38日間のサイクルであり、39日以上間があく長い周期を稀発月経という。
稀発月経の原因は、卵巣の働きが不十分で、ホルモンが順調に分泌されていないことが考えられ、無排卵性の月経の場合もある。
逆に、月経周期が24日以下の短いサイクルになることを頻発月経という。
4. 過多月経
過多月経では、出血量が増える、月経血に大きい血の塊が混じっているなどの症状がみられる。
また、月経期間が8日以上続く状態を過長月経という。
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「理解度の判定」
*問題をもう一度読んであなたの理解度を正しく判定してください。
103回午後-107 Aさんの月経のアセスメントで適切なのはどれか。
1. 月経前症候群
2. 月経困難症
3. 希発月経
4. 過多月経
<チェックボタン>
赤レベル:問題文に理解できない所がある。
黄レベル:問題文を再確認したいと思う。
青レベル:問題文を理解している。
108 診察の結果、器質的病変は確認されなかった。Aさんは「生活で何か気を付けることはありますか」と尋ねた。
Aさんへの月経時の生活指導で適切なのはどれか。
1. 安静の保持
安静の保持は、特に必要ではない。
2. 腰部の温罨法
腰や下腹部を暖めたり、ストレッチ運動などで骨盤の血流を良くする。
3. コーヒー摂取量の増量
コーヒー摂取量と月経には関係がみられない。
4. 腹部を締めつける下着の着用
腹部を締めつける下着の着用は、血流を妨げるので好ましくない。
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「理解度の判定」
*問題をもう一度読んであなたの理解度を正しく判定してください。
103回午後-108 診察の結果、器質的病変は確認されなかった。Aさんは「生活で何か気を付けることはありますか」と尋ねた。
Aさんへの月経時の生活指導で適切なのはどれか。
1. 安静の保持
2. 腰部の温罨法
3. コーヒー摂取量の増量
4. 腹部を締めつける下着の着用
<チェックボタン>
赤レベル:問題文に理解できない所がある。
黄レベル:問題文を再確認したいと思う。
青レベル:問題文を理解している。