再び レダック Go Toに乗っかる

2020-11-09 15:05:10 | 旅行
「Go Toに乗っかる」の第2弾です。
Go to travel にはもう一つ予約していた。前回はトマムのリゾートを楽しむという目的であった(実際には運に見放されそうならなかった)が、今回は、岩手県は八幡平(はちまんだいら ではない、はちまんたい と読む)のホテルを拠点に、東北の観光地を日帰りバス旅行でめぐるという企画、言ってみればベースキャンプ方式である。募集名は「八幡平に抱かれてのんびり温泉リゾートで長期滞在7日間」。なんと素敵なうたい文句! 9月10月はキャンセル待ちの状況。ところが、コロナ禍の影響で、どっとキャンセルが出たので、我々は10月の最終日に申し込んだのである。移動はバス、3日間同じ運転手、添乗員なので親しみも沸くし迷わない。これだと、移動の度に荷物を整理し、ガラガラとスーツケースを響かせて回るというしんどさがない、ということで、未だ足の不自由さを克服できてない私にとってはありがたい。
 また、第2波から第3波の不気味な再流行の兆しを見せるコロナ禍を避けるという意味では、長らく感染者を出していなかった岩手県は非コロナの優秀県である。避暑があるなら避(非?)コロナの旅だってありうる。2回も続けば旅行費用も大変だが、どうせ葬式もやるつもりもなければお墓に入ったり作る気もないし、子孫のために残すような美田といえば築40年の我が家だけなら、自分のために使い切る気でおる。かくて、ホテルに直送した荷物以外を詰めた軽いスーツケースとリュックだけで伊丹空港向け出発!

八幡平 ホテル
八幡平は、岩手県・秋田県にまたがる国立公園で、奥羽山脈北部に火山によってできた。標高1614mとか。山歩き、トレッキングを楽しめる。
ホテル周辺は県民の森で、スキーもでき、温泉境としても有名だ。
建築業界の資本がたてたこのホテルからは岩手山*を一望できる。露天風呂ももつ温泉リゾートホテルである。しかしここもコロナ禍のせいか、何面もあるテニスコートには草だけでなく低木も見られる。

*私は行く直前まで青森県の「お岩木山」と混同していた。松村和子のヒット曲「帰って来いよ」の影響大である。標高2038mとか。石川啄木が「ふるさとの 山に向かいていうことなし ふるさとの山はありがたきかな」と詠んだ山がコレ! 盛岡市内から遠望した岩手山


●コース
① 初日 伊丹→仙台空港→八幡平ホテル(約250Km 距離は旅行社による 以下同じ)
岩手県には花巻空港もあるようだが、仙台空港に到着。私は3回この空港を使った。
陸前高田市の農業ボランティアに参加するためには、LCCのピーチがキャンペーンで割安運賃を実施した時に利用したのだ。陸前高田には東北新幹線か長距離バスで行くのだが、いずれにしてもJR仙台駅に行く必要がある。これが不便、かなり電車に乗らなければならない。今回はシャトルバスでホテルに直行と思いきや、やはり仙台駅で鉄道利用の客を拾う。なんとこのプログラムにはバス3台分、1台30人弱載せているから、80人以上が参加していることになる。伊丹発以外にも、九州や東海、北海道からも来ているらしく、その人々はJR使用なのだ。
車窓から景色を見ると、いやでも大地震のことを想起する。津波がここまできたという標示が道路わきにあったり、仮設住宅と思しき家々もあったりする。驚いたのは、仙台からかなり離れても、道路工事がいたるところで行われていることだ。盛土と道路建設がまだまだ続いてるさまは壮観だ。
ホテル周辺までついたのは17時ころで、もう日没後。暗くてあたりの様子は分からないままだった。部屋の広さは十分、風呂に行くと確かに温泉、痛めている足が喜んでいるようだ。屋外の露天風呂にも浸かった。極楽、極楽!

② 2日目 奥入瀬・十和田湖コース(260Km)
チャーターバスで9時出発。前日、暗くて見えなかった周辺の自然に思わず、「ホー」という声があちこちから漏れる。白樺の並木を通り過ぎ、今が盛りと紅葉・黄葉の錦。私は無粋な男で、自然に感動、なんていう経験はあまりない、特に国内では・・。しかし、これは素晴らしいと素直に思った。ブナなどの広葉樹も多いせいか黄色が 主力、その中での紅葉は一段と鮮やかである。
奥入瀬渓流に入ると、車が渋滞し、ハイカーで一杯。今でこの人並みなら土日の込み具合はいかほどだろう。道中、右に左に滝が現れる。
愛知県出身という添乗員の明るい声でなく、男性の声が聞こえる。地元の運転手さんが見えた滝、次に現れる滝の名前や説明をしてくれているのだ。ガイドを兼務しているような大活躍。その傍ら、大型のバスと行きかうたびに、うまく車をさばく。わずかなスペースを見出して、私たちを降車させてくれて、渓流歩きを可能にしてくれた。
 その一部がこれ!

次いで、十和田湖へ。
発荷峠(面白い名前なので、運転手さんに聞くと、このあたりで薄荷が取れたから、という単純な理由らしい)から十和田湖を上から眺め、十和田湖畔に着く。昼食会場になっている店で「きりたんぽ鍋定食」を食す。うまくない。きりたんぽには手を出さないと決意。後、自由行動で妻と湖畔を歩く。残り時間から考えるとやや厳しいが、ここまで来たからには「乙女の像」を見よう。高村光太郎のブロンズ像にたどり着いた。思ったよりも大きなものだった。帰り道、妻は店を見たいと言ったが、こちらは青息吐息、来た湖畔沿いに帰ることにした。
ところがこれが大間違い。「無い!」 食事した店も、その前に駐車しているバスも「無い!」 行き過ぎて通りを間違えたかと思って戻るも「無い!」。・・
集合時間は迫ってくる。昨日充電を忘れた携帯電話など役立たぬ(バカだねえ)。バス切符を売っている店で聞くと、通り過ぎたのではなく、もう2本ほど先の通りだと教えてもらう。あと1分だ。必死で駆けようと思ったら、妻が探しに来てくれて、何とかセーフ、というのが、今回の最大のミスでした。
帰り道にはりんご園が組み込まれていました。ここは、いわゆる地域振興券 クーポン券が使える。私も皆さんも、競うようにして、自宅や土産物として注文―発送する。
も旅行費用の35%という大きな額ですし、この旅行中に使い切らなければたたの紙切れと化すため、必死で使いまくらなければなりません。おまけにこの店では3千円お買い上げに対して1回抽選できるという射幸心あおるような罠まで仕掛けられています。もちろんマ、当たっても何百円かの乾燥させた昆布とか海藻、スカはクッキー一つ。驚いたのはお客さんの1人が16回分の抽選、ナ、ナント、りんごに16×3.000=48.000円も・・・。帰って果物屋するんかい!まあ好き好きだけどね、リンゴに5万円近く・・ こういう具合に地域振興券の消費行動に駆り立てる威力というのは驚くべきものだと感心しました。

③ 3日目は、今まで3台で行動していたグループが1号車対2.3号車に分かれたコースになりました。我々2号車組は<浄土が浜→北山崎コース>(約360Km)
我々は、4年前の東北ツアーに夫婦で参加しており、すでに観光はすんでいましたので、それほど興味は無かったのですが、事前に予約してある昼の弁当を無駄にしないため、バスに揺られることにしました。浄土ヶ浜は、何か様子が違う。海鳥、ゴメが静かすぎる。観光客が誰もせんべいを買って撒こうとしないからです。することもないので暫く海を見ていますと、沖合に遊覧船が見え、そこにはゴメがむらがっていました。何のことは無い。我々のツアー仲間は渋ちんばかりというにすぎませんでした。ついで北山崎で見学しました
が、特記事項なし。楽しみは明日。

④ 4日目 白神山地散策 五能線にも乗車(約390Km)
このツアーへの応募に妻が熱心だったのは、このプログラムが組み込まれていたからこそと言えます。このプログラムの味噌は、12時〇分に「あきた白神駅」を発車する五能線に乗り遅れないことです。そのために、東北自動車道を鹿角まで北上し今度はひたすら西に向かい大館市の大館能代空港に立ち寄った。トイレ休憩する道の駅が空港の中にあるという、とっても珍しいところ。おまけにシンボルの秋田犬を連れて保存会の人々も迎えてくれていたのは嬉しい。
困ったのは昼食。駅周辺の駐車場で、事前にこれも予約した弁当を受け取り、駅舎や土産物屋の椅子・テーブルを借りて食した(まずい、旅行社さん、弁当業者替えたらどう?)。
五能線の車両は1両または2両で、手動でのドアの開閉だそうだ。旅行社が必死に掛け合って臨時列車を仕立てたのだろう。狭いホームに2台分の客―50数名がひしめき合っている。来た来た! かわいい車両2両だ。我先に乗り込む。十分に席を確保できるが、しまった!日本海は進行方向の右側だ。カメラや携帯をもっておじいさん、おばあさんが行きかう。景勝地では、電車を止めたり超スローで走らせてくれている。JRもサービスに必死だな。40分ほどで十二湖駅に着く。
いよいよ白神山地の散策だ。といっても山だから、坂もある。持参したポールを初めて使う。ネットではブナは200年くらい生きていると書かれていたが、見上げてても分からないほどの高さのブナの樹齢ってどうなんだろう。それも、注目の一本ではなく、次々と出会う。ウーン((+_+))凄い。携帯をかざしても全貌をとらえきることはできない。どんどんグループから遅れていく。我々の仲間が足を止め説明に聞き入っている。沸壺の池というらしい。このような池が12あるので、十二湖とか。また人のたまっている所にきた。これがかの有名な青池らしい。神秘的な青と噂されている。確かに深いが明澄な

最後はヨタヨタしながらキョロロという休憩所・食堂に着く。やはりソフトクリームでしょうね、ここは。「おーい、お母さん、ついでにみたらし団子まで買うなよ」 バス内飲食禁止とて、必死でほおばり帰路についた。バス席について周りを見渡して、自分の衰えを痛感した。ちょっとブルーな気分になる。

⑤ 5・6日目 10時発―盛岡発14時 実質3時間の盛岡観光(約50Km)
5日目は、これまで難しいと思われていた八幡平頂上付近散策のためのアスピート・ラインが今日は使えるという連絡が朝行われた。しかし、頂上付近の寒さは厳しく、避難できるレストハウスも閉店と言う。私たち二人は連日の疲れもたまってきたし、昨日の散策で体力の自信も薄れていたので、安全策をとって、盛岡までのシャトルバスを希望した。
盛岡では、旅行の前、辰野金吾設計の建築についての読み物に目を通していたので、まずそちらを見よう、岩手銀行赤レンガ館に行こう。「でんでんむし」という1乗り100円のコミュニティーバスに乗る。同じ仲間も数人いる。結構乗りでがあった。東京駅も彼の設計で外壁の赤レンガの渋い赤茶色も見事だが、入場料300円を払って内部も見る。デザイン的に美しいものだし、さすがに銀行だけあって、間仕切壁の厚さに驚いたりした。


その辺りの散策をしようと中津川の橋、城跡を越え駅に向かい昼食、買物店を探す。が、これが結構きつい。半時間かかってしまった。「でんでんむし」に乗ったら良かった。おかげで、グルメの店も探せぬままに、飛び込んだ蕎麦屋で昼食と相成った。マ、明日も全員盛岡観光だから、土産物に当たりをつけておこう。地域振興券はまだまだある。
15時にはホテルに戻れたし、天候もいいので、ホテル周辺を散策した。八幡平頂上に登った人達は、大変だったようだ。あられ雹に降られ、遊歩道を1周して早々に引き上げたそうだ。「冬を体感できた」と負け惜しみ。私たちは寒さに悲鳴を上げることなく、このあたりで美しい自然を満喫できた。国立公園の一部だけに手入れもされていて、木工館があったので入り込み、素朴な木工細工を眺めたりもした。
6日目、昨日に続き2回目の盛岡。この日は、宮沢賢治や石川啄木にゆかりの地を訪ねてみよう。駅から徒歩10分ほどの材木町という辺りに、光源社や石造の宮沢賢治のセロがあるという。光源社そのものは陶器等の土産物店になっておりちょっと見程度、隣の資料館の方が見るべきものもある。コーヒー喫茶「可否館」が隣接しているが、一杯だったのでスルー。外に出て石造の賢治(マスクをしていた←注文の多い観光客 のせい??)、セロなどを見る。個人的には、宮沢賢治への関心はほとんどないので、これはこれで・・石川啄木の記念碑等も結局訪れないまま。それより、「でんでんむし」の時間に合わないので、こりずにまたまた北上河畔を歩く。川沿いにいくつかのお店があったのが面白い。 
駅前に戻り、そろそろ昼タイム。焼肉・盛岡冷麺で有名な「ぴょんぴょん舎」の店前にはすでに何人か待っている。隣の店の店員が地域振興券も使えると誘う。メニューを見れば、釜飯が色々ありそうだ。最初通された座席から、「こちらへどうぞ」と通された奥の席は個室のようになっていった。昼食の近所の者は回転を良くし、観光客風には時間をかけて注文させようという魂胆か?! 釜飯には副菜2種もついておりお得感がある。妻はアナゴ釜飯、私はホタテ釜飯とお酒1本を注文。選べる副菜にマグロのつくりもついているんですモン。そして皆さんに唯一有益情報を提供できる時が来ました。このアナゴが素晴らしい。大阪では見たことのない厚み。うまい。夜の時間帯なら、1本2千円で燻製も注文できるそうな。お土産に持って帰りたかったが、昼間は用意できないとのこと。残念! それほど美味しいのデース。
 クーポン券を使い切るため、私も地酒を買った。こんなの初めて。糖尿病予備軍と医者から注意されており残りの人生、酒とともに、などと言う気はないのだが、これしか思いつかない。これほど、クーポン券の消費意欲喚起の仕掛けはなかろう。

● グルメ
昼食については各コースのところで触れているように、予約した以上食べざるをえない、というだけのもの。
ホテル食の朝と晩で大違い。朝食は、最上階のレストランで、大きなガラス張りから見える外の景色は、身近に岩手山、周辺の山々、植生、とても素晴らしい。また、小岩井牧場からの牛乳はもとより、和洋両方ともおいしい。バターなど、買って帰りたいくらい。大満足です。
ところが2階のメイン・ダイニング場は、毎日バイキングなので、2日目くらいまではいいのですが、3日目には飽きがきはじめ、4日目には「またか」。カニの足、小皿に3つのすし、自分で作る一人鍋などいろんなお惣菜があるのだが、こう毎日だと代わり映えがしない。もちろんそれなりの工夫はされているようで、「今日の献立」というのもあるが大した違いはない。なので、5日目は私たちは、まだ行ってないホテル内の居酒屋に行く。「お客さんは、6連泊の団体の方ですか」と聞いてくる。「そうです」と答えると、なんとも気の毒そうな顔つきになった。「ア、知ってるな」

● 最終日、仙台空港へ向かうバスの中で、アンケートが配布された。ガイドを兼務の運転手さんと、明るく「カメムシ」の話題で盛り上げてくれる添乗員さんはよくやっていただいた。不満は2点、一つは食事内容である、再説は必要なかろう。もう一つはベースキャンプ方式のスケジュールであろうか。毎日300Km以上のバス乗車で、行先のバラエティがもっとあってほしかった。われらの2号車は28人中、熟年夫婦が10組ほどであったせいか、車中でのおしゃべりや、添乗員さんの説明や笑いを取るところでのノリも少なくホント静かな車中でした。コロナ対策で大変でしょうが、旅行社の一層の工夫した企画に期待したい。(といっても、帰阪してみると、第3次を迎えるかもしれないコロナ再拡大のきざしに、おののくばかりですが・・)