『西田亜沙子画集 ジャム--jam--』

シムーンや桃華月憚のキャラデザ・作画監督として著名な（当社比）西田亜沙子さんの過去のお仕事を集めた初の画集が、ついに発売されました！
西田さんご本人がアナウンスをされた後、いったん出版社のサイトからその存在が抹消（！）される等、幾多の紆余曲折を乗り越えた末のお目見えに、ファンの1人としては感無量と言うほかありません。
ついでに、私自身が画集を手にするまでの過程も色々と大変だったので、嬉しさと共に込み上げてくるのは、ハンパない徒労感……。
あれです、Am◯zonが巷（ちまた）で「コノザマめ！」と罵られている理由がよくわかりましたよ、そりゃもう、嫌ってほど!!（怒！）
結局、巡り巡って店頭で購入した私が今回学んだ教訓は、ネット通販を安易に信用するな！という、ごくごく当たり前のことでした……（嘆息）。

さて、その中身ですが。
『魍魎の匣』や『ヴァンパイア騎士』、『桃華月憚』といった最近の作品に加えて、『闇と帽子と本の旅人』、『七人のナナ』、『星方武侠アウトロースター』に『星方天使エンジェルリンクス』などなど、バラエティに富んだ作品群の（西田さんが原画を担当された）イラストが、版権物を中心にこれでもかとばかり収められています。
中でも最大級の感激は、シムーンのあのボリューム！（バンバン!!←机を叩く音）
ある程度は予想がついていたことながら、ページ数＆収録点数共に他を圧倒する勢い（当社比）で、もうそれだけでお腹いっぱいという心境でしたv
まあ、DVDのジャケ絵全部に加えて、サイトで公開したものをごっそり持って来てるんですから、数が多くなるのも当然なんですが（苦笑）。

……でも、あれですよね。
掲載分まるっと〈Berries〉より収録という扱いになっていますが、厳密には、シムーン絵のかなりの部分は〈豆蔵〉からのピックアップですよね？
やっぱりある種の大人の事情というか、〈Berries〉に比べて、より個人のサイトという色彩が強い〈豆蔵〉を表には出し辛かったのかなぁなんて、ちょっぴりしんみりしてみたり……（ぐっすん）。

あ、そうそう、ヨドバシAKIBA店で絶賛展示中の描き下ろし色紙も、モチのロンで見に行って来ましたよ！
お店の方にダメモトでお願いしてみたところ、快く写真撮影を許可して下さったので、ここぞとばかり撮りまくったのはココだけの秘密ですv（その節は無駄に鼻息が荒くて、ホント、すみませんでした……。滝汗）。
考えてみたら、原画展が開催された場合等を除くと、アニメーターさんが描かれた現物を、我々のような一般のファンが直接目にする機会なんてほとんどないわけで、本当にこれは千載一遇のチャンスだったんだなぁと、改めてしみじみしてしまいました。
でも、色紙を描かれた西田さんご本人は見ることができないと思うと、少々罪悪感が……。
もう、こりゃあれですね、西田さんにずずいっと上京していただいて、ご自分の色紙を鑑賞ついでに、サイン会のひとつも開催していただくということで！（←かなり本気）

東のエデン 第11話(最終回)「さらにつづく東」

サブタイトルに“つづく”とか入っていた時点で諦めがついてはいましたし、元々アナウンスもされていたことではありますが、でも！
完結編（？）の映画、公開が師走目前の11月28日って、随分と遅くないですか!?
しかも気のせいか、オーラスのテロップで、『劇場版 I（The King of Eden）』・『劇場版 II（Paradise Lost）』とか、サラッと出てましたよ？
ちょっ、嘘……まさかの2本立て!?（←違います。『II』は年が明けてすぐ、2010年1月公開です）
正直その頃には本編のストーリーをあらかた忘れていそうで（←素晴らしくチキンな頭の持ち主なので）、かなーり不安でいっぱいだったり…。
ううっ、幾らソフトを買わせるための戦略とはいえ、半年近くも待たされるのは辛いッス……。

はてさて、肝心の本編ですが、とりあえず喫緊の課題である60発のミサイルへの対処＆2万人のニート事件の解決を、両方まとめて一気にクライマックスに持ってきたというオチは、なかなか上手かったと思います。
物部達との対決や、まだ顔見せしていない他のセレソン、そして何より諸悪の根源たるMr.OUTSIDEとの絡み云々が、よもや1話ぽっきりで収まるはずもなく、さらに言うならば、その本筋のラインをあんまり駆け足で描かれても興醒めなので、丸ごとそっくり映画に持ち越すという判断は、私的には“有り”でした。
ただ、数多ある謎のうちでも、最大級にして最重要と言っても過言ではない“滝沢が何故自分の記憶を消したのか”にまつわるエピソードを、咲ちゃんにまるっと語らせて終わりという演出は、ちっとばかし残念だったかなーと感じたのは、恐らく私1人ではないはず……。
せめて、あともう1話余分にあれば、そこのところをより詳しく掘り下げられたんじゃないか的なもどかしさを、ひしひしと噛みしめずにはいられませんでした。
1クールに1回満たない全12話でも短いと思うのに、この東のエデンは何故か全11話…。
嗚呼、返す返すももったいなひ……（落涙）。

それにしても、今回何が良かったって、パンツが生きていてくれたのが、メッチャ嬉しかったですねv
この際、ご都合主義でも何でも可！（苦笑）
個人的に、全登場人物の中で彼とダイアナさんが一等お気に入りなので（まあ、後者は色んな意味で問題キャラですが……。汗）、来る映画版では、是非この2人に大いに活躍してもらいたいものですv

でもって、この怒濤の最終回（仮）を見て、思ったこと感じたことを、テキトーにポロポロ書き連ねてみたりv
●咲とみっちょんが拾ったタクシーの運ちゃんが、何か、ちょっと、怪しげ〜！
●案外、あのおじさんがMr.OUTSIDEその人だったり？（苦笑）
●今だかつて、あんなにも全裸の人間＆ボカシ（笑）が、画面いっぱい大量に溢れたアニメがあっただろうか!?　いや、ない、多分……。
●大杉くんが、とっさに股間を隠したノーパソを、「汚い！」のひと言で取り上げるみっちょんってば、めっさいけず……（まあ、気持ちはよくわかりますが。笑）。
●ミサイルがビュンビュン飛び交っていた背後の空の青さが、無性に目に染みました……。
●それで結局滝沢は、“王様”or“王子様”、どっちってことになったんでしょうか？？？

まあ、不満点が幾つかあったりなかったりした東のエデンですが、トータルでは十二分に面白かったです。
とにかく、絵作りが凄い！　完璧！　美しい!!
この作画の乱れの無さは、苦境が伝えられる昨今のアニメ製作現場を思えば、ホント、奇跡と言ってもいいレベルだったんじゃないでしょうか。
これだけのハイクオリティが維持されることを大いに期待しつつ、じっと我慢の子で冬の映画を待ちたいと思いますです、ハイ……。

東のエデン 第10話「誰が滝沢朗を殺したか」

冒頭、携帯で滝沢と会話する咲ちゃんが見るともなしに眺めている車窓の景色が、実物さながらの美しさで、思わずまじまじと見入ってしまった今回。
今期はこの東のエデンといい、戦国BASARAといい、ホントにいい仕事してますねえ、プロダクション I.Gさんってば……v

それはそうと、一連のふざけたゲームを仕組んだフィクサーが、今回ようやく判明しました。
名を“アトウサイゾウ”というその人物（なるへそ、だから“Mr. OUTSIDE”なのね…）は、物部が語るところによれば、戦後の混乱期に造船業から身を起こし、その後巨万の富を築いた一代の傑物とのこと。
しかし、日本の政財界を裏から操るほどの権力者も、寄る年波と癌には勝てず、事の結末を目にできないまますでに亡くなったと聞かされ、滝沢は強いショックを受けます。
やがて、物部に連れられて辿り着いたのは播磨学園都市。
その一角、アトウ氏が設立し、晩年を過ごしたとされる脳科学研究所において、滝沢はさらに、No.10の結城とNo.2の辻という2人のセレソンと引き合わされます。
セレソンにまつわる諸々の大部分を把握し、自身の主導でゲームを“上がる”気満々の物部に対して、不遇な半生を送ってきたがゆえに現在の日本に深く絶望し、自暴自棄の心境におちいっている結城。
一方、今回が初登場（残り1話なのに！）の辻は、100億円をはした金のごとくうそぶく、少しばかり斜に構えた若者で、今のところ素性から何から一切不明。
彼らの前で結城が語った“記憶を失う以前の自分”についての“真実”に、滝沢はかつてないほどに打ちのめされ、ノブレス携帯を通じてすべてを耳にした咲もまた、悲嘆と悔悟の涙にくれるのでした……。

……でしたってゆーか、いや、そこがいの一番に知りたい肝心なとこだろ!!みたいな感じで、思いっきり地団駄を踏んだのは私だけではないはず！
まあ、物語最大のキモの部分を、そう簡単に明らかにするはずがないに決まっていますが、でも、あとたった1話しかないと思うと、焦りはつのるばかりです、ハイ……（ため息）。
いや、むしろ「そこから先が知りたかったら、迷わず映画館へGO！」的な、猛烈に後を引く終わり方になりそうで、それはそれで心配ではあるんですが。
だいたい、明らかになっていないといえば、セレソンの中でまだ登場していない人間がいるんですよね、それも4人とか5人とか、そういうハンパない人数が……（汗）。
この分だと、少なくともTV版本編中に全員が顔をそろえることは、まず無理そうな気配。
いくら後ろに映画が控えているとはいえ、たいそうバクチな展開の仕方をこれでもかと押し進めるスタッフの豪気さに、色んな意味で感嘆の念を禁じ得ない今日この頃です……。

東のエデン 第9話「ハカナ過ギタ男」

いつもテキストエディタで下書きをしているんですが、なぜか今回、それを書き上げた時点ですっかり終わった気になって、肝心の更新作業を綺麗さっぱり忘れてました……（滝汗）。
ってことで、大変遅ればせながら、第9話の感想をサクッとv

自分の行動が周囲にどんな事態を引き起こすのか、神ならぬ身ですべてを見通すことなど不可能に決まっていますが、それでも、結果として人ひとり、それも抜群の能力を有する協力者の命を、あたら散らせることになった滝沢の脇の甘さには、歯がゆさと共に一抹の不安を覚えずにはいられなかった今回。
もし彼と出会わなければ、パンツはこんな形で非業の死を遂げずにすんだわけで、幾つもの偶然が連なった先に待っていた、あまりにも不幸な巡り合わせには、まったくもってため息を禁じ得ません。
何ヶ月（何年…？）ぶりにアパートの部屋の外に出たと思ったら、背後から突っ込んできた車に跳ね飛ばされてジ・エンド。
ホント、そんな人生有りですか!?みたいな…。
しかもセレソンNo.1こと物部は、パンツに対し何らの悪意も抱いておらず、ただ己の計画を遂行する過程の一環として、冷静冷酷に事をなしただけというのが、また……（絶句）。
パンツ殺害をジュイスに依頼することもできたのに、物部があえて自らの手を汚したのは、恐らく、万事に後ろ向きで、なかなか踏ん切りがつかないNo.10（こちらは現段階では名前は不明）を強引に巻き込むことで、“覚悟”を決めさせるという狙いもあったのかもしれない等と考えるのは、いささか妄想が過ぎるでしょうか。
パンツ、実にいいキャラだったのに、たったの2話ポッキリで強制退場だなんて、マジ切ないッス……（号泣）。

それにしても、終盤に突入してこの物語の密度の高さは、ただただ素晴らしいのひと言！
ここ何話かでは、ぶっちぎりで30分が短く感じました。
パンツのおかげで、ようやく厚いベールに包まれていた“セレソンの実態（のようなもの）”が少しずつ明らかになってきて、その内容がまた興味津々！
まあ、画面の進行がやたら早い、というか目まぐるしいので、重要なネタをボロボロ見落としまくっているような気がしないでもないですが……（汗）。
あ、でも、あれはわかりましたよ！
ラスト、パンツのパソコンから発信されている大量のデータ（彼が復元したノブレス携帯の履歴）の送り先がみっちょんだってことは！
それらが今後、無事滝沢の手元に届くかどうか、そして、結果的にパンツが命がけで滝沢に託した“形見”が、この物語にどんな作用＆副作用を及ぼしていくのか、残り2話の展開から目が離せません!!