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めん徳2代目つじ田

2005-05-07 10:15:14 | ラーメン店調査 (41~45点)
今から15年ほど前に高円寺で一世を風靡し、惜しまれながら閉店した「めん徳」が、作り手を変え、味も進化させて麹町にオープンさせた店(正確を期するとすれば、最寄り駅で言えば麹町が近いが番地は平河町になる)。「石神本」によれば、「めん徳」時代のほんのりとした魚介の香りがするスープを凶暴に進化させたスープとあるが、確かに2代目ラーメンのスープを一口啜ってみると、その言葉にいささかの誇張や偽りがないことが容易に判明する。

数種類の煮干しや昆布から抽出された旨味エキスはスープ内を縦横無尽に駆け巡り、それに豚骨成分が加えられることによって、本来は液体であるべきはずのスープが半ばゲル状へと変質されるまでに至っている。

そのスープが縮れの強い中細麺と絡む。食べた瞬間に否応なく瀬戸内海の鳴門の渦潮も真っ青な旨味の渦へと引きずり込まれていくだろう。それでいて煮干しや魚介類から発せられがちな独特の臭みやクセは微塵もなく、それゆえにどのような人であっても好き嫌いなく食べることができる万人向けの一杯に仕上がっている。見事に調理された一線級のラーメンである。

もちろん、主役である麺とスープに華を添える具にも全く手抜かりはなく、絶妙な茹で加減で調理された半熟卵や、上質の豚を惜しげもなく使用した肉厚のチャーシューも絶品。卓上のコダワリの黒胡椒を振り掛けても、スープの表情がピリッと引き締まり、文字どおり1回で2度美味しい仕組みとなっている。

ただし一点だけ。これは個人的な好みの問題なのかも知れないが、スープの旨味が強すぎるがあまり、かなり良好なコンディションで臨まなければ、スープまでを完食することはなかなか難しいだろう。非常に厳しい見方をすれば、やや味が押しつけがましく、飽きが来やすいスープであるとでも言えようか。

メニューは、ラーメンとつけ麺が基本であり、それにフルトッピングが付いた2代目ラーメン、2代目つけ麺の「2品×2」の構成。私は2代目ラーメンと2代目つけ麺の両方を食したが、いずれか一方をお薦めするとすれば、2代目ラーメンを強く推したい。なぜならば「つじ田」の持ち味は、食べ始めから食べ終わりまで熱々で冷めないスープを提供するところにもあり、その点、つけ麺は食べ進めていくうちに、麺の温度によってスープが否応なく冷めてしまうからである。

2代目ラーメンで評価すれば、麺:11点、スープ:14点、具:4点、バランス:8点、将来性:8点の合計45点。

平河町、麹町界隈にあるラーメン屋としてはもちろんダントツの名店。他の店は比較にすらならないだろう。この界隈でラーメンが食べたくなった時には、迷わずに足を向けるべき優良店である。


所在地:麹町
実食日:04年1月

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