就職理由書

　私の日本語の教え子である○○さんは今年３月に○○大学大学院、国際法学部を
卒業した。日本語での論文作成にずいぶん苦しめられていましたが日本での就職も
実現した。彼との付き合いは足掛け６年にもなり、これで肩の荷が降りた。
　今回、日本で就職するため彼は入管に提出する就職理由書を書いた。素晴らしい
文章なので紹介することにした。今後の留学生の参考になればと思う。　

　　就職理由書
　私は2006年4月から○○○大学大学院に入学し、法学研究科で法律学を専攻して
研究して来ました。一年間の努力と、そして指導教授○○先生のご親切なご指導
を受け、今年3月に無事卒業し、社会人として活躍する資格を得ることができました。
私は2002年5月末、日本に留学し今年で7年になる所です。この間、私は日本語の
レベルアップや修士の学位取得を目指して努力に努力を重ねました。電車内で本を
読み、ラジオを聞き、そしてテレビを見ながらアナウンサーのセリフを暗唱するこ
とも勉強の手段として日常的に実行しました。また、ボランティアの日本語教室に
も参加し日本人との接触を増やすなど、様々な方法で日本語の能力の上達に取り組
みました。日本語が上達するにつけ、私自身の日本の歴史・自然環境・生活習慣・
人文・社会、さらに日本の政治・経済に対する認識や理解を一段と深めることが出
来ました。

　自費留学生として日本での生活費や学費の支払いなど諸問題を乗り越えなけれ
ばならない現実に直面し、許可された範囲内でアルバイトをすることもやむを得な
いことでした。社員食堂・病院食堂・居酒屋・など飲食業でのアルバイトを通じて
学問以外の新しい分野における日本社会や日本の文化や、伝統に対する認識が深ま
る中、「日本は素晴らしい国家であり、自信を持ち頑張る人に成長する機会を与え
てくれる国である」という一つのあり方を理解することが出来ました。それどころ
か、私の人生観や価値観にも4、5年前から大きな変化が現れました。それは、自分
自身以外に他人や周りのため、所属する組織や勤め先のために努力していく生き方
に深い意義があることに気がついたのです。
これから株式会社「○○○○」に就職し、今まで飲食業界でのアルバイトをして積
み重ねた経験や意識、そして能力を生かし貢献して参るつもりです。まず、私は○
○○語・中国語・日本語の三つの言葉を理解し話せることができます。この能力を
十分に生かして通訳・教育・管理などで役に立つことに自信があります。「○○○
会社」は日本国内において100店舗の展開を目指しています。私の今までの経験と
力で十分に貢献が出来ると信じています。また、「○○○」は近い将来に北京や
上海などの地域でも出店し更なる発展の計画が有り、人材育成に取り組んでいる
時期でもあります。この会社に就職し、会社から経営・管理面での教育をしっか1
り受け、成長させて頂くことは私自身の将来や会社の発展にもプラスになると信
じています。
　以上の理由に基づき、株式会社「○○○」に入社し、努力することによって成長
し、会社の発展に更に貢献いたします。また、会社に貢献することを基礎に、日本
国・日本社会にも貢献できるように頑張って参ります。
私自身の信念をどうかご考察頂き、ビザの発行に是非ともご許可を下さることを心
よりお願い致します。


入社希望者○○○
2009年4月4日