外国人のための『みんなの日本語学校』

このブログでは学習者からの様々な日本語に関する質問をとりあげ、分かり安く解説をしました。

N2の長文によく出る単語「場合」の使い方

2011年01月13日 | Weblog
N2の読解文によく出てくる単語「場合」の意味と使い方を教えてください。

【場合】

【その1】「場合」は仮定形の「たら・ば」の意味で使っています。
①もし都合が悪い場合は電話をください。
②もし都合が悪かったら電話をください。
③もし都合が悪ければ電話をください。
【その2】時間の観念が伴うので「場合」を「とき」と言い換えられる例がある。
・都合が悪い場合(とき)は電話をください。
・雨の場合は試合がありません。
・遅くなる場合、必ず家に連絡してください。
・地震が起きた場合は、まず火を消すことが大切です。
・保証人のサインが必要な場合、いつでも家に来てください。
・検査の結果が悪い場合は入院しなければならない。
・雨天の場合は延期します。
・地震など、非常の場合には、エレベーターを使用せずに階段をご利用下さい。
・あの場合はやむを得なかった。
・陸からの救助が困難な場合には、ヘリコプターを利用することになるだろう。
・この契約が成立した場合には謝礼をさしあげます。
【その3】 仮定的な言い方なので「場合+た形」はありません。
・一年前、日本へ来たときは何もわからなかった。○
・一年前、日本へ来た場合は何もわからなかった。×
・タクシーを降りる場合、財布を落とした。×
・タクシーを降りるとき、財布を落とした。○。
・私が行ったときには会議は始まっていた。○
・私が行った場合には会議は始まっていた。×
【その4】「場合」≠「とき」
・外国人の場合、パスポートが必要です。○
・外国人のとき、パスポートが必要です。× 
【その5】
 「場合もある」ある状況が起こる可能性があることを述べるときに使う。
(1)患者の様態によっては手術できない場合もある。
(2)商品はたくさん用意しておりますが、品切れになる場合もございます。
(3)優秀な学生でも、入学できない場合いもあるし、逆の場合もありうる。
【その6】「場合をのぞいて・場合以外は」=「のときだけ」
・緊急の場合を除いて、非常階段を使用しないで下さい。
  緊急のときだけ、非常階段を使用して下さい。
・病気やけがなど特別な場合を除いて、再試験は行わない。
  病気やけがなどのときだけ、再試験は行います。

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