goo blog サービス終了のお知らせ 

Loomings

映画・舞台の感想や俳優さん情報等。基本各種メディア込みのレ・ミゼラブル廃。近頃は「ただの日記」多し。

ブック・バトン 3

2005-09-05 09:45:18 | 本・マンガ・雑誌

風雨被害、こちらはそれほどでもありません。
バトン回答も今日でやっと終了です。自分の読書傾向について改めて考える良い機会を与えて下さったrukkiaさんに感謝します。

4. Five books I read a lot , or that mean a lot to me.(よく読む、または思い入れのある5冊の本)
これも"3"と同じ理由によるセレクト。シリーズ物は一つの作品と考えたため、正確には「5冊」でなくなってしまった

・怪談/ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)
初めて図書券で買ったのが、ポプラ社から出ていた児童向け名作全集の中のこれ。子ども向けとは言え抄訳や「超訳」ではなく、随筆等も収められ、注釈も充実していた。が、親からは「こんなものを買って!」と怒られた。何でだ!?
子ども心に惹かれたのは、「怖さ」ではなく、その根底にある喪失や別離の悲しさ、よるべなさだった。

・シャーロック・ホームズシリーズ/アーサー・コナン・ドイル(新潮文庫)
多くのミステリファンと同様、自分も「その道」にはいるきっかけとなったのはこれ。もちろん全話読んでいる。ホームズ&ワトソンのキャラクターも好きだったし、「ヴィクトリア朝萌え」属性を獲得したり、「シャーロキアン」たちの重箱の隅を突つくようなマニアックな「お遊び」を知ったことも、現在の自分を築く基礎になっているのだろう。とほほ…

・ブラウン神父シリーズ/G.K.チェスタートン(創元推理文庫)
都筑道夫言うところの「論理のアクロバット」を最も華麗に決めたのがこの人。
これも、一見愚鈍な田舎神父、実は…というキャラクターが活きていたし、元大泥棒フランボウとのコンビも好きだった。
「逆説」の魅力を教えてくれたのも彼だが、その底に厳として在るカトリシズムにも打たれた。

なお、都筑氏も「好きな作家」の一人であるが、評論家や編集者としても日本のミステリ界を牽引していた人だけに、「作家」「小説家」としてのみ評価することは難しい。

・世界怪奇実話/牧逸馬
林不忘の名で「丹下左膳」シリーズを、谷譲次の名でアメリカルポを書いた才人。
かつて社会思想社から出ていた現代教養文庫版(全5巻くらいあったと思う)を、私は図書館で借りて愛読していたが、いつか自分で買おうなどと思っている内に、会社がなくなってしまった…
現在は、島田荘司編の光文社文庫版が入手し易い。
それこそ切り裂きジャックはじめ、シリアルキラー(連続殺人犯)やサイコキラーを扱った嚆矢であるが、現代の目で読み直しても調査はかなり行き届いているし、徒らに扇情的な筆致でもない。
人間のおぞましさ、不可解さに(嫌悪を感じつつも)目を開かせてくれたシリーズだが、その一方で、タイタニック号遭難の話などは、絶望と恐怖の中でも人間の尊厳を守り抜こうとした人々の姿に胸打たれる(少なくとも例の映画よりも)。

・指輪物語/J.R.R.トールキン(評論社)
これについては多くは語らないし、ここでは語り尽くせない。
とにかく、これがなければ、ここでこうしている今の自分もなかったことは確かである。

1~4の答えを見直すと、結局ごく狭い興味の範囲内にある類いの本を、いつまでもいつまでも読み続けている気がする。
ボルヘスの『伝奇集』(岩波文庫)などもその一つだが、これを実際に読んだのはだいぶ歳が行ってからで、「原点」とは異なるため外した。
クルト・リースの名著『ゲッベルス』を挙げても良かったが、現在品切れの模様。戦後六十年ということで再販(復刊?)してくれないだろうか。

5. Five people to whom I'm passing a baton.(バトンを渡したい5人)
5人は挙げられませんが…ご迷惑でなければ、そして既にどこかでお答えでなければ、すなみさん、だかつさん、よろしくお願い申し上げます。お二人とも今はあれこれお忙しいこととご推察しますが、お時間がある時にでも。
コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ヴァン・ヘルシング一周年 | トップ | ヒューヒュー!・98 ただい... »
最新の画像もっと見る

6 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (だかつ)
2005-09-06 21:29:58
おや、ご指名が。

5項目の質問に答えればいいということでしょうか?

週末にupします~。upしたあかつきにはこちらにトラックバックすればよかですか?
返信する
筋の通った (rukkia)
2005-09-06 23:49:35
怪奇譚の根源の人のありようっていうとこらへんなのでしょうか。

私はそこへいきつく前に怖くてだめなんです(^^;

深そうですね。

返信する
バトンタッチ (クイークェグ)
2005-09-07 16:59:35
>だかつさん

お引き受け下さいましてありがとうございます。項目は以下の5つです。



1. Book(s) reading right now.(いま読んでいる本)

2. The last book(s) I bought.(最近買った本)

3. Five novelists (or writer) I read a lot, or that mean a lot to me.(よく読む、または思い入れのある5人の作家または小説家)

4. Five books I read a lot , or that mean a lot to me.(よく読む、または思い入れのある5冊の本)

5. Five people to whom I'm passing a baton.(バトンを渡したい5人)



しかし、こういうのって送っているうちに項目の内容が変わって行ったりしないものなんでしょうか?(笑)

なお、思う所あって、現在トラックバックは送りも受け付けも休止しています。申し訳ありません。



>rukkiaさん

バトン、楽しかったですよ~。実はそちらで書かれていた小林信彦さんからも、私は多大な影響を受けました。

でも、振り返ると本当に「怖い」話やミステリが多かったですね。さしたる波乱もない生活を送っていると、異形のもの、怪異なものに惹かれるということかも知れません。
返信する
バトン (だかつ)
2005-09-11 13:24:02
ブック・バトンありがとうございました。拙ブログにup致しましたのでご笑覧ください。



世の中の人はどのようなことを書いているのか参考にしようと「ブック・バトン」で検索したら、5項目は5項目だけど蔵書数項目があったりして、びみょ~にバリエーションがありましたよ。



>現在トラックバックは送りも受け付けも休止

大手ブログはトラックバックスパムがすごいですもんね。

というわけでURL欄に該当エントリURL入れときました。不都合あればブログ主権限で削除してくださいませ。
返信する
ブック・バトン (すなみ)
2005-09-14 03:16:44
やっと回答できました。選んでいるうちにぐるぐる悩んでしまってとりとめない選択になってしまったような・・

反則技で和書・洋書わけてしまいました(^^;)

urlには和書バトンの方のを載せておきますね。

返信する
ありがとうございました (クイークェグ)
2005-09-14 21:47:34
>だかつさん、すなみさん

お忙しい中バトンを受けて下さいましてありがとうございました。お二人のご回答も拝見しました。

本当にこういうものは、その人なりの個性が出て面白いですね。私もつい自分の半生などを振り返ってしまいました(笑)。
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

本・マンガ・雑誌」カテゴリの最新記事