南十字星からアジアQZSS(日)/IGSO(中・印)を眺める

グローカルイースト視点
アジアQZS/IGSO軌道モニタ
高橋冨士信 fj鷹@gmail.com

2018 08/30 QZSS/IGSOアジア連携を追求するのは何故か?

2018年08月30日 | アジアンQZSS(日)/IGSO(中印)軌道
当ブログは、ここ数ヶ月間QZSS/IGSO衛星系のアジア連携を追求していまして、いろいろな工夫をしていますが、その基本的な理由を記録しておきます。

当然ながら前世紀から測位衛星はGPS発祥のMEO軌道網方式が主流です。米国を中心にMEO軌道網を最大限活用する研究や技術開発が何十年と行われてきています。このMEO軌道方式を採用するのが安全パイであることは誰でもわかります。

QZSS計画も米国GPS軌道網の補完であるところからスタートして8の字衛星軌道を構築してきたわけです。補完ということはMEO方式のエコシステムの一部の中で生き延びて行こうという安全パイ指向の強い考え方です。

MEO型エコシステムの技術では米国が圧倒的な主導権を握っており、中国やロシアが米国技術に追いつこうとしています。欧州ガリレオ衛星系も何とか主体性をもってMEO型を構築しようとしています。容易に予想が付くように、このMEO型エコシステムの主導権争いは本流部分では、米国技術の優位性を崩すことは難しく、ここ10年というスケールでは支流部分でのエコの分け前の取り合い合戦にならざるを得ないでしょう。

日本が開始したQZSS軌道方式は地域は限定されますが、中国やインドに影響を及ぼしてIGSO軌道系の計画と打上げに繋がってきたと思います。

そしてこのQZSS/IGSO軌道系はMEOエコシステムの補完として役立つとは思います。

しかし第3世代を加えた30機を超えるBDSSや、ガリレオの30機近いMEOを合わせると、100機を越すMEO衛星群が打ち上がって、飛交っている状況となってきています。

たとえば上海やシンガポールの超高層ビル街の道路であったとしても、天頂方向に近いMEO衛星は見つかる確率は相当程度に可能性は高いといえます。MEOエコシステムの補完としての圧倒的な優位性をQZSSが持ちうるかどうかについては、将来、厳しい客観的な評価が求められることとなるでしょう。

当方はQZSS/IGSOは、アジア・オセアニア地域に限定した、MEOとは独立ないしサブ独立のエコシステム構築を真剣に検討せざるを得なくなるだろうと考えています。納税者視点から埋没からの戦略的な独立性があるのかどうかを問いかけて来る時期が、2020五輪後にもあるだろうと思っています。

当方のブログはネット上に大量のQZSS/IGSOの軌道アニメGIFを公開・バラまいていまして、英語圏の検索サイトでもQZSS IGSOと打てば、当方のブログのアニメGIFが検索に大量にかかる状態になってきています。

あふれかえるMEO衛星に飽き足らず、代替を求めるものとして、イリジウムのような濃密LEOに向かう流れは米国などで見られます。当方と同じ問題意識が反対方向へ向かっているのでしょう。

QZSS/IGSOが別のエコシステム構築に活躍するかどうかは、濃密LEOと同様に未知ではあります。アジア勢が協調して仲間の国々を巻き込みながら取り組むことによりMEOとは別世界のエコシステム構築の活路が見えるのではないかと思います、思いたいです。

アジアは21世紀の経済の成長センターになることは間違いないでしょう。その勢いこそが新しい測位エコシステム構築を生み出すものと思います。QZSSはそのための貴重な種まき役を果たしているといえるでしょう。


頑張ろうQZSS,がんばろうニッポン!

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