南十字星からアジアQZSS(日)/IGSO(中・印)を眺める

グローカルイースト視点
アジアQZS/IGSO軌道モニタ
高橋冨士信 fj鷹@gmail.com

東アジアIGSO/QZSSの発展2008->2018(オリジナル2x5)

2018年04月16日 | おはようYRP UBX スカイプロット
2010年代の東アジアIGSO/QZSSの発展2009->2018(原型2x5)


偶然ではあるが2011.3.11の大震災後に東アジアのIGSOの大発展が始まったといえる。またスマホのブレークも3.11大震災後に劇的な普及が特に東アジアで始まったわけです。

GNSSの中でMEOは言ってみれば「20世紀型GNSS」であり、IGSO/QZSSは「21世紀型の測位衛星系」であるといえます。IGSO/QZSSをしっかり見るとMEOは確率的な煙幕ではないかと思います。

1970年代早々からQZSSみちびきの原型である「8の字衛星構想」というIGSOを練り上げてきたのは以下のわが国の旧郵政省電波研究所の先達とその後継者の方々とされています。

高橋耕三氏, 人工衛星の軌道とそれに適したミッション, 電波研究所季報 Vol.18, No.97, 1972

21世紀型IGSOの原型を50年前に日本が提言し構想していたわけですから、QZSSみちびきの原型を20世紀のうちに打上げられなかったことは誠に残念です。

悪名高い米国からの1980年代のスーパー301条適用などの脅しに屈した余波と忖度を、日本の測位衛星計画は、まともに食らってしまいました。

20世紀のうちに打上げて運用まで行っていれば、日本は大成功をおさめ中国への技術移転まで叶った測地VLBI計画に引き続いて、GPS/GNSS技術分野に多くの産学官の人材が多数育成され、広範に技術移転され、現在のようなGNSS人材の枯渇状況を迎えることはなかったわけです。

再び米国は中国の最新技術製品の輸出に対してスーパー301条の脅しをかけていますが、大きく時代は変わり、21世紀の中国はこの脅しに屈せずに長期戦略で人材と技術育成で対抗してゆくことでしょう。

東アジアIGSO/QZSS群は日中印が構築している国際的にもユニークなGNSS系です。その意味でも非常に21世紀的GNSSであり、この3国が中核となってグローカルなブレークスルーに挑んで行きたいものです。
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