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高橋冨士信 fj鷹@gmail.com

2020 11/24 中国の嫦娥5号 月面探査衛星の打ち上げに成功

2020年11月24日 | 中国嫦娥5号の月面への挑戦
2020 11/24 何故かNHKニュースは無視をしているようですが、時事通信やTBSなどは、以下のURLのような中国の嫦娥5号が月面探査衛星の打ち上げに成功したとの速報ニュースを流しています。
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4134413.html

昨年の秋はインドの月面探査衛星ChandraYarn計画が、最後の最後で着陸をクラッシュしてしまった残念な記憶が残っています。今日からは同じアジアの中国の嫦娥5号の月面探査衛星の活躍に大いに注目したいと思います。アジアの宇宙開発が欧米を凌ぐということには、日本勢にとっても脱MEOの軌道をもつQZSSの活躍にとって非常に重要なことです。

以下の中国メディアの科技日報からの翻訳記事(翻訳・編集/如月隼人氏)を記録させていただきます。
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中国メディアの科技日報は19日、11月下旬に打ち上げ予定の中国の月探査機、嫦娥5号を紹介する記事を発表した。嫦娥5号は月の土壌や石を地球に持ち帰る「サンプル・リターン」を目指している。

打ち上げ場所は海南省の文昌航天発射場で、長征5号(CZ-5)ロケットを用いる。長征5号は2016年11月から現在までに、衛星の打ち上げを5回実施し、うち4回を成功させた。

人類として初めて月から土壌/岩石サンプルを持ち帰ったのは、米国が1969年7月に打ち上げたアポロ11号だった。米国はアポロ計画でその後、累計で約382キログラムのサンプルを地球に持ち帰った。一方、ソ連は1970年9月に打ち上げた無人探査機のルナ16号で、月面の土壌/岩石サンプルを持ち帰り、その後も含め無人探査機計3基により約330グラムのサンプルを持ち帰った。

嫦娥5号は、2キログラムのサンプルを地球に持ち帰る計画だ。同じく無人探査機だったソ連のルナ探査機と比べて、地球に持ち帰る重量が著しく大きいことが特徴だ。

往年のソ連は、無人ドッキング技術を獲得していなかったため、ルナ探査機全体を月に着陸させねばならなかった。月面での活動には関係ない地球に帰還するためのロケットや燃料もいったんは月面におろした。これらの重量を再び月面から離陸させるためには、燃料などが余分に必要となる。そのため、月面で採取できるサンプルの量は厳しく制限された。嫦娥5号の場合、月面での活動に必要な部分だけを切り離して着陸させ、その後に月周回軌道上でドッキングさせる。そのため、サンプルの搭載量を増やせることになった。

また、米国やソ連は、これまで持ち帰ったサンプルを分析した結果、月の火山活動は今から35億年前にピークを迎え、その後は衰えて火山は「死滅した」との考えを示した。

しかしその後、月面の一部では火山活動が長く続いており、20億年から10億年前に、新たに形成された火山の溶岩が存在するらしいことが分かってきた。

嫦娥5号が着陸を予定しているのはまさに、月面で火山活動が比較的遅くまで続いていた場所であり、月の「より新しい活動」の痕跡を残すサンプルを回収することで、研究対象としての「空白期間」を埋め、月の歴史を書き直すことも期待できるという。(翻訳・編集/如月隼人)
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日本宇宙陣も今後の中国の月面探査衛星計画を注視すべきでしょう。
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