大人になり、たまに僕の腕にじゃれ付く程度で遊ばなくなったクーであるが、昨日は一寸違った。西日が温かく降り注ぐ出窓は、温室になっていた。そんなクーの写真を撮ろうと、コンパクトカメラを手にして出窓に。クーに近付くと、カメラのストラップが鼻先で揺れた。クーはそのストラップを取ろうと、盛んに手を出してじゃれ付く。指の間に引っ掛けると、輪になったところをカブリと咥える。そして放しては、揺れているストラップにチョチョイして引っ掛けては咥えるのを繰り返していた。珍しく楽しそうに遊んでいたのだ。屋根のブリキ塗装で職人が歩く足音が大きく響くが、クーはストラップで遊ぶのに夢中になり、全く気にしていなかった。クーの顔を見れば「クーたんだってニャンコですよ。たまにはこうやって遊ぶのよ。お父さん分かった」と言っているようであった。