まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

淡河宿本陣跡(村上家邸宅) 座敷

2020-03-22 14:23:43 | 建物・まちなみ
3月の淡河の続き。

建物内に入って部屋を見ていこう。土間に面した3部屋のうちいちばん表側の部屋は玄関の間だったのだろう。
外から見たときに締め切られていた式台のある玄関は、この写真でおひなさまの左側にあたる。神棚が正面となる。


透かし彫りされた松の木がクラゲみたいでかわいい(笑)


土間に面したあと2部屋は茶の間だったような感じ。根太天井であまり装飾はない。
現在こたつが置いてあるからそう思うのかもしれないが(苦笑)


建具の桟は表側のみ丁寧に面取りされている。


中庭に面した2間続きの座敷は「北座敷」である。建具は一部漆塗りの板戸であったり、こ~んな背の高い鴨居だったりと、
やっぱり少し風格を持たせた造り。


・・・しかし欄間がないじゃないの。溝はあるので元々ははまっていたはず。


8畳間なのでこじんまりした床の間。床柱はきれいに磨かれた絞り丸太が使われている。


書院は出窓状になっておらず壁とツライチの平書院だが、組子は稲妻型の桟をひし形に組んだもので美しい~




しかし、、、その横の襖の引き手部分は何だか無残なことに・・・金物だけなくなっているのだが、どうしたんだろう。


ここだけではない。通常引き手金物がはまっている他の建具もすべて同じような状態なのだ。
もう長いこと、この穴に手を突っ込んで開け閉めしているような感じ。建物を買い取ったときからこの状態だったのだろうか。。。
あまりに痛々しいので、復刻品でもいいからつけてあげたいなぁ。。。建具も傷んでしまう(汗)


玄関の間のおひなさまの後ろの襖を開けたら南座敷が現れた!!おぉ~~広い。


こちらは表の庭に面した10畳×2間の続き間。南向きな上に2方向に窓があるので明るい。
正面に見える書院の欄間がインパクトある!


違い棚の筆返しは黒柿?


これは何の形?板をくり抜いた断面の部分は漆が塗られている。


そしてこの中にも格子が入っているのだが、遠目で見たときから何かちょっとチラチラしているなと思っていたら、、、
桟がところどころこんな形をしているのだ。これは下の障子の桟も同じ。
よく見ると、細く割って削いだ竹を皮を外々にして貼り合わせてあるようだ。う~~む!味があるなぁ。


南座敷から濡れ縁でつながった西座敷へ行ってみよう。北座敷と南座敷は1912(明治45)年築。
この先の西座敷はそれよりも古く、江戸中期に建てられた部分だという。当初の建物の座敷だけ残して
一部を明治に建て直し増床したということだろうな。


さっきの書院の裏側も抜かりない!西座敷からの視線を意識して、金粉を散らしたようなこんな華やかな仕上げに。


そして、西座敷。江戸時代というからあっさりシンプルなのかと思いきや・・・輪違いデザインの欄間がモダン!


この輪違いは、枠も含めて一枚の板から切り出してある。


書院も、アシンメトリーな山なみのシルエットが素敵じゃないの~~




この部屋も、北、南座敷同様、引き手や釘隠しがことごとくなくなっていたことだけ、本当にかわいそう。。。(涙)


続く

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