まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

台中発タイル民居めぐり3 (台湾)

2019-03-16 01:51:36 | 建物・まちなみ
台中からの続き。

台中の素敵なリノベ物件でランチ代わりのスイーツを食べたあとはまた車で郊外へ向かう。
まちなかでも古い建物がチラチラ目に入り、面白そう。台中って新しいまちだと思っていたけど日本統治時代の古い建築が
結構あるらしいのだ。まちなかの建築はまたあらためてめぐりに来ないとなぁ。

さてやって来たのは張家祖廟。
福建省から渡ってきた馬堂張氏の子孫が、祖先を祀る私的な祀宇として日本統治時代の1905(明治38)年に竣工
したもので、何度か大きな改修を経ている。
台湾中部の伝統的民居に似た四合院で、護龍と呼ばれる居住棟が左右にある。
やはり建物の内側から見たときの方向で右護龍、左護龍と呼ぶようだ。ここは左右ともに二重になっている。
ここは台湾で唯一のアシンメトリー廟宇建築だといい、それがこの建物の最大の特色となっている。


この小さな門は左護龍への直接の出入口だ。
マジョリカタイルで飾られた門は小さいが美しい!左右の柱の柱頭部と、屋根の棟の部分にタイルが貼られている。


果物の盛りかご、蓮や牡丹の花など吉祥模様のエンボスタイルが左右に6枚ずつ。その上の漆喰部分には直接花模様も
描かれていて、小さな構造物だけに装飾が濃密!




そこの住人の方(?)と徐さんが話したところによれば屋根上のタイルは改修されたものらしい。
写真を拡大してよく見ると、確かに色の部分にムラがあって日本製のオリジナルじゃないな。


でも屋根の上だとパッと見はわからない。かと言って、プリントものを貼り付けるよりはずっと誠実でいいね!


さて美しい門のあった左護龍と比べ、右護龍は簡素だ。
左外護龍は1907~1908年に増築された。こちらは小作人の住居として貸し出されたところで、簡素なつくり。
主人の住まいとの明らかに差別化されている・・・というのだが、現地にいるときは理解しておらず、
左右の護龍が違っていると分かる写真が撮れていない(汗)


正庁への入口脇の柱の基礎にこんな奇妙な動物の顔(と足?)がついていた。


中は割とシンプルでタイルなどは使われていない。祖廟のような神聖な場所にはやはり伝統的な様式を厳格に
踏襲するのが常なのかもしれないな。






さてそこから車で20分ほど走り到着したのは、水美李宅。雨がぱらついてきて、車を停める頃には本降りに・・・
傘を差しながら門を入り建物の前へ。


うわぁ・・・ここは!本やネットでも見たことがあるな!
門庁と言うのだろうか、いちばん外側に面した建物には、列柱の並ぶテラスはなくわずかな踏み込みスペースのみ。
そのせいでまるで要塞のように見え、閉鎖的なイメージを与える。


レンガの壁に開けられた小さな入口の脇に額縁状に構成されたマジョリカタイルが貼られている。
さわやかなグリーン&イエロー系だ。また陰になって見えにくいが軒下にも横一列にタイルが。
使われ方が金門島の民居と似ているなぁ。


そして入口から中を覗くと、まるで表の入口と瓜二つの入口があり、その両脇には同じくタイル額縁が!


最初の中庭へ入り振り返ると、立ちふさがるレンガの門。開口部が小さく、防御面を重視した建物のような印象。


こちらは正庁の入口だ。タイルの柄が違っていてこちらはパープル基調。いずれもよく見る柄で日本製に違いないだろう。




ここでも軒下にずらりとコレクションのように。




ここは建物は決して豪華ではなく簡素な感じなのに、長方形に構成されたタイルに高貴な美しさを感じた。
しかも一枚もはがれることなくよい状態を保っていて、素晴らしいな!!

続く

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