玉川温泉の続き。
強酸性のお湯が沸く玉川温泉は、その効能を求めて全国から人々が湯治にやってくることは噂に
聞いていたが、現地に来て見ると本当にすごい数のお客が来るらしく巨大な施設だった。
山の中のマンモス旅館!
雨がひどいのでちゃっちゃと車を停めて部屋へ入りたい。ところが駐車場の誘導があまりに不親切。
ひともんちゃくの後ようやく部屋に入ると、驚く狭さ。。。四畳半だが二方の壁に取り付けられた棚が
その奥行き分部屋の中に出っ張っているのだ。もちろん洗面所もトイレも共同。
ここでは湯治部と旅館部に分かれていて、私は前者を予約していたので部屋は全く期待していなかった
のだが、ビュッフェ朝食付で1泊約9千円の料金を払っていたので、その値段とのバランスから考えると
えっ、これ・・・?と。連休中だから割増料金なんだろうが、9千円出せば田舎の小さな宿ならトイレ付の
快適な部屋で2食付で泊まれる。う~む・・・まぁ、ここは温泉施設の維持費用と思って納得することに。
しかし、長期滞在の湯治客もこんな金額を払っているのだろうか??
気を取り直して、さっそくお風呂に入りに行こう。
廊下の窓からは濁流が見える。大丈夫か、これは!?まるで川の中に建物があるようだ。。。
大浴場は男女別に分かれているので安心して入ることができる。浴室に入ると、いくつもの浴槽が並んでおり、
源泉100%、50%、ぬる湯や、寝湯、打たせ湯、むし湯など、スーパー銭湯さながらのラインナップ。
PH1.いくらの強酸性のお湯は食酢よりも強い酸である。そんなところに全身浸かって大丈夫なのか??
恐ろしいのでまずは50%のお湯に浸かってみる。・・・特に普通のお湯と変わらないな。
じゃあ次に100%の源泉に。・・・ん~、普通。お湯をちょっとなめてみると、ひぃ~~酸っぱい~~!
やっぱり強酸性だ。もし皮膚に味覚があれば(笑)エライことになっているだろう。
いろんな浴槽にひと通り入って楽しんだ。
クーラーもテレビもないあの狭い部屋に戻り、せんべい布団にゴロッと横になると、なんか
ドーーっと疲れてきた(汗)
携帯の電波はほとんど入らないしWi-fiなどもちろんない。湯治に集中できる環境ということか。
窓の外はひどい雨になっており、道路は大丈夫だろうか、明日ちゃんと戻ることができるんだろうか、、、と
不安になりながら道の駅で買ったおこわを食べたが、結局その日はグッタリして動けず、再度温泉に入る
こともなく、もう夕方早いうちに寝てしまった。あぁこれが玉川温泉の作用か。恐るべし。。。
翌朝ひどい雨音で目が覚めた。これちょっとほんとにヤバイかも・・・早く山を下りた方がいいかな。
でもまだ体がだるくて動く気にならない。しばらくしてから朝風呂へ。今度は50%だけにしておく。。
しかし日が昇って来るにつれ雨が止み日も差してきた。昨日濁流だった川も水が澄んでいる。
こんなに早く川の色が戻るなんて驚き。
自然研究路を歩いて地獄地帯へ行ってみよう。30分ほどでひとまわりできるお手軽な散歩コースだ。
散策路に並行した2本の小川は、全く異なる水が流れていて、手前側は薄い灰色で冷たい水。
もう一方はもうもうと湯気が立ち硫黄の黄色がゴッテリついているとおり、玉川温泉の源泉が流れているのだ。
玉川温泉のサイトによると、塩酸を主成分としたPH1.2の強酸性で源泉は98度の高温。いたるところから
湧き出しているのが見える。
中でも「大噴」と呼ばれる湧出口からは毎分9000リットルという莫大な量のお湯が絶えることなく
噴き出しており、散策路でそのすぐそばまで行って見ることができる。すごい迫力!!
南国の海のような青い泉は神秘的!
この強酸ではもちろん植物はいっさい育たず、付近一帯ははげ山と荒れ地が広がっている。
天然の岩盤浴ができる小屋が設置されているが、散策路脇にシートを敷いて横になっている人もいてちょっと異様。
2012年の冬にこのあたりで雪崩が発生し湯治客が巻き込まれるという事故があり、私もニュースを
覚えている。冬場には寝転がりたくないなぁ。。。
強酸性のお湯は湯治にはよいのだろうが、玉川の下流域では当然魚も住めず農業もできず、かつては
「玉川毒水」と呼ばれ恐れられていた。この強酸水を中和するため1940年代に田沢湖へ排水する事業が行われ、
結果田沢湖がめちゃくちゃになってしまった・・・そんなとんでもないことをよく実際にやったものだ(呆)。
その後1989年に上流部に中和施設ができ、ようやく被害はなくなった。
山肌にはシューシューと不気味な音を立てる噴気孔がたくさんある。口のまわりには黄色い硫黄がこびりつき
沸騰したケトルのように勢いよく噴気を上げている。
ぽっかりと開いた口。この奥はどこまで続いているのだろうか・・・
まるで地球のなま傷。うぉ~~っ
巨大な地獄地帯の中を、地球のパワーを感じながらうろうろしていたら、見知らぬおっちゃんが
「今出してきたとこだ」と言って熱々の温泉卵をくれた(笑)
いやぁ~~、地球の神秘、地球のパワー、圧倒的な力を目の前にして、人間とはちっぽけなものだと
ほんとに思う。あぁやっぱり、地獄はいいなぁ!(笑)
昨日の雨がうそのように上がり、ギラギラとした日差しが目に痛い。さぁそろそろ山を下りよう。
ひと晩でこんなに変わるものか・・・一番上の写真参照。
夜の間に一部土砂崩れが発生していたが幸いすぐに復旧、無事田沢湖まで下ることができた。
しかしこの数日後もまた大雨が降り、国道でマイクロバスが川に転落する事故もあったようでゾッとする。
。
玉川温泉は温泉はすごいが宿としてはイマイチだったな。。本気の湯治でなければ宿泊でなく立ち寄りで十分。
続く。
強酸性のお湯が沸く玉川温泉は、その効能を求めて全国から人々が湯治にやってくることは噂に
聞いていたが、現地に来て見ると本当にすごい数のお客が来るらしく巨大な施設だった。
山の中のマンモス旅館!
雨がひどいのでちゃっちゃと車を停めて部屋へ入りたい。ところが駐車場の誘導があまりに不親切。
ひともんちゃくの後ようやく部屋に入ると、驚く狭さ。。。四畳半だが二方の壁に取り付けられた棚が
その奥行き分部屋の中に出っ張っているのだ。もちろん洗面所もトイレも共同。
ここでは湯治部と旅館部に分かれていて、私は前者を予約していたので部屋は全く期待していなかった
のだが、ビュッフェ朝食付で1泊約9千円の料金を払っていたので、その値段とのバランスから考えると
えっ、これ・・・?と。連休中だから割増料金なんだろうが、9千円出せば田舎の小さな宿ならトイレ付の
快適な部屋で2食付で泊まれる。う~む・・・まぁ、ここは温泉施設の維持費用と思って納得することに。
しかし、長期滞在の湯治客もこんな金額を払っているのだろうか??
気を取り直して、さっそくお風呂に入りに行こう。
廊下の窓からは濁流が見える。大丈夫か、これは!?まるで川の中に建物があるようだ。。。
大浴場は男女別に分かれているので安心して入ることができる。浴室に入ると、いくつもの浴槽が並んでおり、
源泉100%、50%、ぬる湯や、寝湯、打たせ湯、むし湯など、スーパー銭湯さながらのラインナップ。
PH1.いくらの強酸性のお湯は食酢よりも強い酸である。そんなところに全身浸かって大丈夫なのか??
恐ろしいのでまずは50%のお湯に浸かってみる。・・・特に普通のお湯と変わらないな。
じゃあ次に100%の源泉に。・・・ん~、普通。お湯をちょっとなめてみると、ひぃ~~酸っぱい~~!
やっぱり強酸性だ。もし皮膚に味覚があれば(笑)エライことになっているだろう。
いろんな浴槽にひと通り入って楽しんだ。
クーラーもテレビもないあの狭い部屋に戻り、せんべい布団にゴロッと横になると、なんか
ドーーっと疲れてきた(汗)
携帯の電波はほとんど入らないしWi-fiなどもちろんない。湯治に集中できる環境ということか。
窓の外はひどい雨になっており、道路は大丈夫だろうか、明日ちゃんと戻ることができるんだろうか、、、と
不安になりながら道の駅で買ったおこわを食べたが、結局その日はグッタリして動けず、再度温泉に入る
こともなく、もう夕方早いうちに寝てしまった。あぁこれが玉川温泉の作用か。恐るべし。。。
翌朝ひどい雨音で目が覚めた。これちょっとほんとにヤバイかも・・・早く山を下りた方がいいかな。
でもまだ体がだるくて動く気にならない。しばらくしてから朝風呂へ。今度は50%だけにしておく。。
しかし日が昇って来るにつれ雨が止み日も差してきた。昨日濁流だった川も水が澄んでいる。
こんなに早く川の色が戻るなんて驚き。
自然研究路を歩いて地獄地帯へ行ってみよう。30分ほどでひとまわりできるお手軽な散歩コースだ。
散策路に並行した2本の小川は、全く異なる水が流れていて、手前側は薄い灰色で冷たい水。
もう一方はもうもうと湯気が立ち硫黄の黄色がゴッテリついているとおり、玉川温泉の源泉が流れているのだ。
玉川温泉のサイトによると、塩酸を主成分としたPH1.2の強酸性で源泉は98度の高温。いたるところから
湧き出しているのが見える。
中でも「大噴」と呼ばれる湧出口からは毎分9000リットルという莫大な量のお湯が絶えることなく
噴き出しており、散策路でそのすぐそばまで行って見ることができる。すごい迫力!!
南国の海のような青い泉は神秘的!
この強酸ではもちろん植物はいっさい育たず、付近一帯ははげ山と荒れ地が広がっている。
天然の岩盤浴ができる小屋が設置されているが、散策路脇にシートを敷いて横になっている人もいてちょっと異様。
2012年の冬にこのあたりで雪崩が発生し湯治客が巻き込まれるという事故があり、私もニュースを
覚えている。冬場には寝転がりたくないなぁ。。。
強酸性のお湯は湯治にはよいのだろうが、玉川の下流域では当然魚も住めず農業もできず、かつては
「玉川毒水」と呼ばれ恐れられていた。この強酸水を中和するため1940年代に田沢湖へ排水する事業が行われ、
結果田沢湖がめちゃくちゃになってしまった・・・そんなとんでもないことをよく実際にやったものだ(呆)。
その後1989年に上流部に中和施設ができ、ようやく被害はなくなった。
山肌にはシューシューと不気味な音を立てる噴気孔がたくさんある。口のまわりには黄色い硫黄がこびりつき
沸騰したケトルのように勢いよく噴気を上げている。
ぽっかりと開いた口。この奥はどこまで続いているのだろうか・・・
まるで地球のなま傷。うぉ~~っ
巨大な地獄地帯の中を、地球のパワーを感じながらうろうろしていたら、見知らぬおっちゃんが
「今出してきたとこだ」と言って熱々の温泉卵をくれた(笑)
いやぁ~~、地球の神秘、地球のパワー、圧倒的な力を目の前にして、人間とはちっぽけなものだと
ほんとに思う。あぁやっぱり、地獄はいいなぁ!(笑)
昨日の雨がうそのように上がり、ギラギラとした日差しが目に痛い。さぁそろそろ山を下りよう。
ひと晩でこんなに変わるものか・・・一番上の写真参照。
夜の間に一部土砂崩れが発生していたが幸いすぐに復旧、無事田沢湖まで下ることができた。
しかしこの数日後もまた大雨が降り、国道でマイクロバスが川に転落する事故もあったようでゾッとする。
。
玉川温泉は温泉はすごいが宿としてはイマイチだったな。。本気の湯治でなければ宿泊でなく立ち寄りで十分。
続く。
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