読書天国~ぷみのゆるゆる文学生活

この一冊が運命を変えるような、そんな本を求めて目下奮闘中。

インディヴィジュアル・プロジェクション

2005-01-18 22:13:05 | 小説(いま)
「インディヴィジュアル・プロジェクション」(阿部和重 新潮文庫)を読む。

阿部和重さんの作品は、いままで食わず(読まず)嫌いしてました。
でも、芥川賞作家となれば、避けては通れないような気がして、ようやく読んでみました。

自由ですねー。文章を、手のひらの上でコロコロ転がして、行く末を見守っている感じ。
自由で気ままな書きっぷりなのに、恐ろしく計算されているような気もするし。
文体もストーリーも、新しいようで、古いような。やっぱり、新しいような。。
阿部公房にも、少し似てるように思います。主人公の、鬱々とした独白のあたりが、特に。
スパイ養成塾やら、ヤクザの下請やら、プルトニウム爆弾やら、非現実的な単語が羅列される一方で、主人公は特別に行動もせず”思考”し続けていますしね。
その辺りが、ラストの大オチにつながるわけなんですが、もしオチがなくっても楽しめます。
でも、ラストのオチこそが、作品全体をキリッと締め上げていますねー。わりとスキなオチ方です。

2 コメント

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Unknown (べにひわ)
2005-01-19 21:50:17
おおー、ぷみさんも読んだんですね。

ぷみさんのコメントを読んでラストを思い出そうとしたんですが、思い出せない

図書館にいってみよう。



読まず嫌いってありますよね、僕の場合村上春樹さんがそうでした。意識的に本を読み始めてから2、3年程敬遠していた記憶があります。

実際読んでみると、おもしろかったです。
べにひわさんへ (pumi-ka)
2005-01-20 12:17:11
すごくあっけなく、ストンと堕ちるようなオチなので、記憶には残らないかもしれませんね。



私も私も!村上ハルキを避けていた時期がありました。

ノルウェイの森とかがベストセラーになってて、辻仁成みたいなタイプかと思い込んでいたんです。。

読んでみるとハルキはおもしろいですよねー。

いまじゃ大好きな部類です。

でも、ここ最近(オウムサリン事件や、阪神大震災を扱った作品以降)の作品は、正直あまりスキじゃないかなー。

羊とかねじまき鳥とかの作風は、サイコーに好きでした。