熊本の社会保険労務士・山下のブログ!

社労士の筆者が日々感じていることや経営者の方から聞いた人事についてのちょっといい話やよく尋ねられる相談内容を掲載!

新入社員の育て方

2010-04-11 23:36:33 | 面接
年度が変わり、新しく社員の方を採用された企業様も
多いかと思います。

「いかに早く戦力になる社員を育てることができるか?」
管理職の方の腕の見せどころでもあります。

社員を育てる過程において、成長をうれしく思うこと
もあれば、「何回言ってもなかなか分かってくれない・・・。」
と頭を悩ませることもあるのではないでしょうか?

そこで今回は、よくお客様に尋ねられる、
OJT(職場内)での新入社員の育て方(一般的なアドバイスを
させて頂く場合)と社員との向き合い方に
ついてポイントをしぼって書かかせて頂きました。



新入社員の育て方


 1.まずメモを取る習慣をつけさせる。


  優秀な能力を持つ社員であっても既に同じような業務を経験した者で
  なければ最初から高いパフォーマンスは期待できません。

  まずは、仕事の流れを覚えさせることが先決です。そこで上司から
  教えられたこと、仕事で覚えたことをメモに残す習慣をつけさせましょう。

  繰り返し、教える手間を省き、かつ、書くことが知識の定着を
  早めます。日頃からメモを取っている人とそうでない人は1年後2年後で
  は大きな差が開き、仕事のスピードにも差がでてきます。

 
 
2.アンテナを高める工夫をする。
 
  次に、社員の日頃の業務から何かを得ようとするアンテナを高めるための
  工夫として、
  
  社員に日報ではなく、日記を書かせ、
短い文章で良いので
  仕事の中で得た「気づき」や感じたこと、反省点、今後の課題等を
  書かせるようにすると効果的です。
その日記を上司が見ることで
  現段階で社員がどのくらいの成長レベルにいるのかが分かり、
  アドバイスもしやすくなります。
  朝礼時に1分程度時間を設け、発表させるのも人前で話す訓練に
  なり、効果的です。

 
3.キャッチボールを繰り返す。

  ある程度、基礎的な仕事を教えた段階から、社員によって順調に
  成長をしてくれる人もいれば、壁にぶつかり、思うような成長が見られない
  人に分かれてくる可能性があります。

  その際に
なぜできないのか?どうすればできるようになるのか?
  社員に質問し、考えさせ、必要に応じて提案を出す
など会話のキャッチボールを
  繰り返していきます。


  その会話のキャッチボールを繰り返すことで原因が見えてきます。


  本人の適性があっていないのか?努力不足?やる気の問題?
  そもそも教え方が悪いのか?教える時間が足りてないのか?等々・・・


4.原因がある程度分かれば、あらゆる対応策を考え、実行に移します。
 そして、検証し、また、原因を追究し、実行・・・

この繰り返しをケースに応じて期間を区切り、行っていくことになります。


この1.2.3.4の過程で社員と向き合う際の心構えとして、
そもそも直接影響を及ぼすことができるのは自分だけであり、
社員が思い通りに
ならないのは当たり前だということ。それに併せてどんな状況でも自分自身が変化し、
対応すると最初から決めておくこと
でしょう。

そうすれば過度の期待を持つことはなくなります。

文章にする程簡単なことではなく、いろいろな葛藤もあるかと思いますが、
社員を育てる管理職の立場の方には、ぜひ頑張ってもらいたいと思います!




昇給の際の面接のポイント

2010-03-10 08:20:00 | 面接

新しい年度も近づきつつあり、社員の方の昇給を
検討されたり、有期契約社員の方の契約更新を行う時期でもあります。



該当する社員の方に何を伝えるのか?少しずつ思案をされている
管理者の方も多いかと思います。

今回は、「昇給に際しての面接時」に社員の方に対して何をしっかり
伝えておかなければならないか?下記にまとめてみました。




「自分の給与はなぜ上がったのだろう?」

社員の方の立場からすると
「なぜ昇給したのか?」
「企業から何を評価されたのか?」


とても気になる部分ではないかと思います。


私自身、学生を卒業して、会社勤めを始めて間もない頃は
人件費管理について考えも及ばず、
年齢に応じて給与は上がっていくものだと勝手に思い込んで
いました。



また、過去の成果や実績が認められることで給与が上がるものだ
思っていました。


確かに昇給は、
年齢の上昇に応じた生計費の保障
過去の成果に対する社員への「報償」といった
意味合いもありますが、企業側の視点からみると、
それに加えて、さらなる
「期待」や「要望」の意味が含まれ
ています。




その「期待」や「要望」とは、具体的にどんなことか?

例えば、

 ・「今以上に仕事の質を高めてほしい。幅を広げてほしい。」

 ・「上司のサポートを受けず、独力で○○の仕事ができるようになってほしい。」

 ・「部下を指導する立場にたってほしい。」

 ・「売り上げ等の(数値目標)について今まで以上の成果をあげてほしい。」

 ・「一人で生産性を上げるだけでなく、部や課全体の生産性を上げてほしい。」

 ・「プロジェクトの中心メンバーで頑張ってもらいたい。」


等々社員各人によってそれぞれだと思います。

それをどれだけ明確に
言葉で(できれば書面に落として)説明し、
コミットメント(確約)を取ることができるか?
がとても重要になります。


 ○コミットメントをとることで、社員に対して、昇給は過去の成果に
  対してのみ行われるのではなく、
さらなる「期待」や「要望」の意味が
  含まれていることを理解してもらい、


 ○昇給した給与額を受け取る
「権利」は、企業の期待や要望に応える
  
「義務」を果たして得られるものだということを自覚してもらい、

 そして何より社員の方々の力を企業が望む方向へ一点に集中させる
   ことができるからです。



日々の業務に追われ、面接にゆっくり時間を割くことができない管理者の
方が多いかと思いますが、今一度立ち止まり、
「社員に何を期待するのか?
要望するのか?」紙に「書き出し」、「伝え」、「コミットメントをとる」
いう
プロセスを見直して頂ければと思います。