人形劇団なみ日記

活動記録、制作日記、などなど。

温泉ホテルで上演してきました。

2006年08月16日 | 上演しました
ご縁があって、小松市・粟津温泉にある辻のや花乃庄さんの夏休み特別企画として、4日間、人形劇をやらせていただきました。

辻のや花乃庄さんは「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で入選したこともある、格式のある立派なお宿です。子どもさんを連れて連泊してゆかれるお客さんもあり、こちらも毎日のように演目を変えて上演してきました。

12日(土)は「つきのわぐまのエチュード」と「あんころもち」、13日(日)は「なかよし」、14日(月)は「3びきのこぶた・ではない」、そして15日(火)は12日の演目。

プールで遊んで、温泉でゆったりした子どもたちに、楽しい夜を作ってあげられたでしょうか。

いいだ人形劇フェスタ・上演2回目

2006年08月06日 | 上演しました
日曜日。
上演、2回目です(土曜日のシークレットライブは非公式の企画だったので、公式プログラムとしてはこれが2回目なのです)。

会場は、上久堅地区にある原平集落センターでした。

こちらでジョイントさせていただいたのは、愛知県の「とんかち」さん。
初対面の筈でしたが、ゆうべのシークレットライブで共演したので、なんだかとっても気が楽です。

劇団の入れ替えをスムーズにするために、とんかちさんのケコミをお借りしましたが、これが高さも、構造も、じつに使いやすくて、本当に助かりました。

なみの演し物は「王さまのふとん」と「ふくろうのそめものや」。
パネルシアターの「ふくろう…」の間に舞台をとんかちさんに渡します。

さて、とんかちさんの演目は「ジョーズくん」。
サメが出てくる、ちょっとシュールなお話でしたが、これが子どもたちの心をがっちり掴んで、会場は大声援の嵐!
あとで聞いたら「あんまり声援がすごいので、ちょっとストーリーが変わっちゃった」とか。
さすがです。

いいだ人形劇フェスタ・シークレットライブ

2006年08月05日 | 上演しました
去年行なわれた土曜夜の企画、「私たち学生時代からずっと飯田にきてます!同窓会風ミニステージ」は思いのほか好評でした。

「来年もぜひ見に来たい!」という声援…のほうはよくわかりませんが、「なんで声かけてくれなかった!」「来年はうちも出たい!」などなど、人形劇人からは熱い声が寄せられまして、なんと今年、第2弾が実現しました!
その名も「同窓会風・シークレットライブ」!

しかも参加劇団は前年比100%増(5劇団→10劇団)、上演作品は同140%増(5本→12本)という豪華なステージ!
さすがにこれだけ集まると、なかには初対面の劇団もあったりして、事前の打ち合わせも必要になります。そこで、去年の打ち上げで「来年もやろう!」と口を滑らせた(らしい)、わたぐものうずら氏が幹事を務めてくれました。

上演時間は1本あたり1分~20分。
大人向けあり、内輪受けあり。小粒でシンプル、だけどどこよりも濃い演目が続きました。

今回、飯田のどこを探しても、舞台も客席も、これほど肩の力の抜けた上演はなかったように思います。



経験による余裕か、はたまた年とって枯れたのか…?

いいだ人形劇フェスタ・むすび座の「西遊記」を観ました

2006年08月05日 | 見ました
名古屋のむすび座による大作「西遊記」を、飯田市文化会館で観てきました。

去年は「悟空誕生の巻」、今年は「天竺への道」を観て、これで完結です。

西遊記といえば三蔵法師一行の冒険活劇が中心となりがちですが、むすび座の版は違います。
悟空が生まれて天上界で大暴れし、岩山に閉じ込められるまでのエピソードが、三蔵法師たちと出会って天竺へ行くエピソードと同じウェイトを占めているように、はっきりと悟空の成長に焦点を当てて描かれています。
だからこそ台詞のひとつひとつ、動きのひとつひとつが印象的で、笑いも満載の物語の中で、感動した私は客席で大泣きしてしまいました。

齢とって涙腺がゆるくなったのかしらん…。
いやいや、やっぱりむすび座がすばらしかったのです。

いいだ人形劇フェスタ・遭難

2006年08月05日 | その他
今年最初の公演会場に向かう途中、道に迷いました。

法山地域振興センターは、飯田の市街地からもっとも遠い会場のひとつですが、それでも行くのは3回目ですから、気を抜いてしまったのかもしれません。
ろくに地図も見ないで走っていたら…。

この道は、以前に走った記憶が、ない。全然ない。

事務局から貰うガイドブックの地図には、主要な目標物と曲がり角しか載っていません。だいたい集落を外れてしまうと、その目標物さえなくなってしまいます。

それで、自分の現在位置さえわからなくなってしまいました。



何度もうろうろして、一旦は行程の半分以上引き返したりして、30分以上も費やしましたが、やっぱりよくわかりません。

とうとうガイドブックの地図を外れて、さらに山へと分け入ったところで、急に視界が開けました。




青々と茂る稲田が広がって、傾き始めた山吹色の日差しに、ようやく出始めた穂がきらきら光っています。
その中に、趣向を凝らした案山子が、いくつもいくつも立って…いや、展示されています。
夢のような、それでいてユーモラスな風景。

やあ、これは面白いところに出たぞ、と思ったのですが、なにしろ今はそれどころではないわけで。
そのままクルマを走らせていると、目の前に突然、事務局の作った案内板が現れました。

見たことのある集落に入り、たしかに渡ったことのある橋を渡ります。
そこからは一本道で、あっという間に会場に着いてしまいました。

無事に間に合いました…。



上演のあとで地元のかたに話を聞いてみると、かかしの競作はその地区でも大きなイベントなのだそうです。
しかもそのあたりは、日本の棚田百選にも選ばれた名所だとか。



翌朝、帰り道にその棚田と案山子を訪ねました。
ごく短時間で、まったく迷わずに到着します。
市街地への帰り道も、嘘のようにスムーズでした。

ひょっとすると、田んぼの神様に呼ばれていたのかもしれません。


いいだ人形劇フェスタ・上演1回目

2006年08月04日 | 上演しました
法山地域振興センターでの上演は今回で3回目になります。
今年ご一緒したのは、武蔵野美大の人形劇団「ダニ族」。
飯田ではおなじみの名前と思っていましたが、部員が減って廃部の危機もあったそうで、これを乗り越えたメンバーは全員飯田も初めてだとか。

だいぶ早い時間から会場入りしているようで、私たちが到着した時には舞台を作って稽古の真っ最中。
さあ、うちも仕込みを…とケコミをさがしたら、

…ない。

おかしいなあと探していたら、ありましたありました。

ああ、ケコミが原型を留めていない…。

ダニ族の皆さん、ケコミやソデのパーツを全部ばらして、全然違う舞台装置を再構築してますよ。
これには私もびっくりしました。
恐るべし美大。発想が柔軟です。

さあ、大変だ!
…でも、彼女らが生まれた頃から人形劇をやっている私としては、こんな時こそ、がぜんヤル気になってしまうわけです。

ここから自分たちのケコミを確保して、しかもなるべく簡単にダニ族の舞台に転換できるようにするにはどうしたらいいか?

結局、残ったケコミのパーツと、烏龍茶の箱の段ボールを使って、自分用の舞台はちょちょいと確保。
残ったダニ族の舞台は、短時間で設営できる、ということでしたが、会場の舞台係さんが気を利かせて大黒幕を余分に用意してくださいました。
高い高い天井なのに、すばらしく手慣れた様子で、ひょいひょいと幕が張られます。
この幕の開閉で、より簡単、確実に舞台を転換できるようになりました。

上演は、まず私たちの「王さまのふとん」。
続いてケコミの前に出て、パネルシアターの「ふくろうのそめものや」。

ダニ族の皆さんは、この15分ほどのパネルシアターの間に完璧に準備を済ませており、ふたつの劇団のバトンタッチはじつにスムーズでした。
その辺の手際は、ちょっと初心者とは思えません。

ダニ族の演し物は、「星の王子様」をアレンジした作品。
細かく作り込まれた装置と人形美術は圧巻。
小学生高学年以上が対象のお芝居でしたが、前の方では小さな子どもも熱心に見入っていました。

なみのシンプルな舞台と、ダニ族の凝った舞台。
その対比も面白かったのではないでしょうか。

いいだ人形劇フェスタ・糸操り三昧

2006年08月04日 | その他
今年は例年より早く、木曜日に飯田入りしました。
金曜日の朝、竹田扇之助師匠おん自らによる糸操り人形のワークショプを受講するためです。



夕方に到着して、飯田市文化会館にある本部で基本参加の受付を済ませ、ガイドブックを受け取ると、初めて市内全域で行なわれている分散公演のプログラムがわかります。

さあ、どこへ行こうかとプログラムをめくっていると、なんと宿泊先のすぐ近くで、江戸糸あやつり人形の公演があるではないですか!
さっそく、夕食もそこそこに、羽場公民館に急ぎました。

江戸糸あやつり人形は、文字通り江戸時代から伝わる伝統的な糸操り人形です。人形による踊り三題と獅子舞が演じられる間に、糸操り人形の仕組みや構造の詳しい説明があって、一般のお客さんだけでなく人形劇を作る者にもとても興味深い内容でした。

それにつけても、人形の動きの美しさもさることながら、遣い手の上條さんの手の動き、身のこなしの美しいこと!

さて、観劇を終えて、私たちは更に飯田人形劇場に人形劇団プークの作品を観に行き、深夜に宿に戻ると、なんと江戸糸あやつり人形のお二人も同じ宿でした。

少しおしゃべりをしたのですが、ああ、この人たちは舞台を降りても、やっぱり立ち居振る舞いが美しかったのです。



夜が明けて、8月5日。

いよいよ座光寺にある竹田扇之助記念国際糸操り人形館でのワークショップ。

といっても、糸操り人形を一から作ろうと思ったら、それこそ何日もかかります。
受講生に配られたのは、組み上がった鐘木(しゅもく、糸操り人形のコントローラー)と、きれいに切り抜かれた厚手のケント紙。
糸操り人形のボディを紙の円錐を組み合わせて作るのです。



さあ、相手は紙ですから、どんなに簡単かと思ったら、とんでもない。
厚いケント紙は、きれいに丸めるのも大変ですし、円錐の尖った頂点をきれいに作るのはさらに大変です。
結局、紙の部品を作るだけで大半の時間を費やしてしまい、関節を凧糸で繋ぎ、操りの糸をつけた時には、ワークショップの終了予定時刻を1時間近くオーバーしていました…。

さらに糸の長さを調整して、まがりなりにも動くようになったのは、飯田の全日程を終えて、金沢に戻ってからでした。



それにしても、糸操り人形、奥が深いです(って、これじゃまだ入り口にも立っていませんね)。