フリーペーパー『posse』完成しました!!!!!!!!!
今回最大の特集、それはクラブ・ミュージック系の音楽雑誌『remix』編集長・野田努さんインタビューです!
毛利嘉孝さん、雨宮処凛さん、
…と続いた労働問題路線から大きく踏み外したかのような今回の企画。
誰? クラブカルチャー? 労働問題と何の関係が? 戸惑う声も多いでしょう。
彼にインタビューした理由…それは編集担当の私が彼の本のファンだからです。
というのは本当ですが、それだけでは納得がいかない方も少なくないでしょう…。
ここで、編集担当が感銘を受けまくった彼の渾身の名著『ブラック・マシーン・ミュージック』のおおざっぱな解説をさせていただければと思います。
この本では、アンダーグラウンドな若者のコミュニティの中から、ダンスカルチャーという新しい音楽が生まれていったさまが、
丹念に、かつドラマティックに描かれています。
60年代が終わり、ロックがかつてのラディカルさを失い、
70年代後半にパンクがすべてを否定することでロックにそのとどめを刺していた頃。

アメリカで、アンダーグラウンドな二つの潮流が息づいていました。
一つは80年代初頭にかけて、マンハッタンのゲイカルチャーから生まれたハウス・ミュージック。
エイズ防止を建前に、単にコミュニティを形成することだけでも取り締まられていた同性愛者たちが、アンダーグラウンドなダンスホールで、快楽を求めて踊り続けていました。
意味なんかなくていい。ただ楽しく踊るために、反復を繰り返す音楽。
ロックのようなメッセージはなくとも、集まって踊ること、それだけでラディカルなことだったのです。
そして、アンダークラスのアフリカン・アメリカンたちが支持していたアフロ・フューチャリズムやP-FUNKです。
彼らは、過酷な生活を生き抜くために、現実を茶化す極限のユーモアと、宇宙観まで飛び出す達観した視点で、生きる哲学を共有していました。パーラメントやファンカデリックといったグループの音楽に代表されます。
これが、ドイツのクラフト・ワークのようなSF的で無機的な電子音のイメージとつながり、現実から隔絶した世界を夢見る音楽が育っていきます。
この二つが出会ったのは、デトロイトでした。
ポストフォーディズムとグローバリゼーションの進行する中、自動車産業の撤退によって荒廃した暴動と弾圧の街。
ここで、ダンスミュージックの快楽主義、SF的な電子音によるアフロ・フューチャリズムが合流し、デトロイト・テクノが生まれていくのでした…。
(かなりはしょりました。すみません。)
格差と貧困のどん底から、人々がかすかな希望を求めて生き抜き、その希望が新たなムーブメントとなって広がっていく様子に、グッと来たのは私だけではないはず。
そしてこれはまさに、POSSEのテーマにもつながってくる、と思ったわけです。
というわけで、この著者で、90年代に日本のクラブカルチャーを見守ってきた野田さんなら、
きっと格差や貧困に関してなにがしかのメッセージをいただける、と考えたのでした。
そんなこんなで、野田さんにインタビューを引き受けて頂きました!
お忙しい中本当にありがとうございました。
さて、気になるその内容は…フリーペーパーをご覧下さい。
テーマは「フリーターに<生きるビジョン>を!」です。
WEB上での公開も検討しています。
かなりエキサイティングな発言の連続だったということだけ、ここではお伝えしておきます。
なお、今回のフリーペーパーの他のコンテンツは、
・雨宮処凛、酒井隆史、後藤道夫をゲストに迎えた2月のシンポジウム「偽装「再チャレンジ」」報告
・G-Posse、学生班活動報告
などです。
下北のお店を中心にどんどん配布していきますので、どうぞ探してみてください!
在庫はまだまだございますので、ご希望があれば、お渡しいたします!
どしどしご連絡くださいね~。