アジア大会第15日(26日、中国・広州)日本勢が今大会1日当たり最高となる9個の金メダルラッシュにわいた。レスリング女子55キロ級で、世界女王の吉田沙保里(28)=綜合警備保障=が優勝。58~66年大会の競泳100メートル背泳ぎ・田中聡子さん以来、女子で2人目となる3連覇を達成した。バレーボール男子は決勝でイランを3-1で破り、94年広島大会以来4大会ぶりの金メダル。陸上男子やり投げでは日本選手団主将の村上幸史(30)=スズキ浜松AC=が初優勝し、ソフトボールは3連覇を果たした。大会は27日に閉幕する。
会場を包む「加油(ジャーヨー=中国語で頑張れ)」の大コールが、見る間にしぼんでいった。吉田が、地元・中国の張蘭を手際よく料理。タックルでポイントを積み重ねて第1ラウンドを奪うと反撃を許さず、2-0で圧勝した。
「(相手の)応援を力に変えて絶対に負けない、という気持ちで頑張った。3連覇を達成できて本当にうれしい」
この日当たった4選手は全員初対戦。今年の59キロ級世界2位の“刺客”を送り込んだ中国を始め、モンゴルや北朝鮮も二十歳前後の精鋭をぶつけてきた。玉砕覚悟の相手に対し、吉田は1ポイントも与えず、これで16試合連続無失点。「全く違うタイプにもそれぞれ対応できていることが強み」と胸を張った。
アジア大会では全競技、全参加国を通じて女子で史上2人目の大会3連覇を達成した。勝って当然とみられるが、吉田は常に緊張を解かない。「調子ひとつ、気持ちひとつで人間は全然違う。“落とし穴”がいつ来るか分からないと思って、勝つまでは絶対にホッとできない」
大会前、親交のある横綱・白鵬の連勝が63で止まったとき、父・栄勝さん(58)にポツリと「白鵬でも負けたんだな」とつぶやいた。前日には48キロ級の世界女王・坂本日登美(自衛隊)が準決勝敗退。その夜、坂本に「大きな大会で勝つのは難しい。本当に沙保里はすごいよ」と声をかけられ、改めて気合入れ直したという。
08年北京五輪直前に119で止まった連勝は、再び「42」に伸びた。「もっと練習して強くならないとロンドンは厳しい」。女子史上初となる五輪3連覇を目指す2年後に向け“絶対女王”は歩みを止めない。
会場を包む「加油(ジャーヨー=中国語で頑張れ)」の大コールが、見る間にしぼんでいった。吉田が、地元・中国の張蘭を手際よく料理。タックルでポイントを積み重ねて第1ラウンドを奪うと反撃を許さず、2-0で圧勝した。
「(相手の)応援を力に変えて絶対に負けない、という気持ちで頑張った。3連覇を達成できて本当にうれしい」
この日当たった4選手は全員初対戦。今年の59キロ級世界2位の“刺客”を送り込んだ中国を始め、モンゴルや北朝鮮も二十歳前後の精鋭をぶつけてきた。玉砕覚悟の相手に対し、吉田は1ポイントも与えず、これで16試合連続無失点。「全く違うタイプにもそれぞれ対応できていることが強み」と胸を張った。
アジア大会では全競技、全参加国を通じて女子で史上2人目の大会3連覇を達成した。勝って当然とみられるが、吉田は常に緊張を解かない。「調子ひとつ、気持ちひとつで人間は全然違う。“落とし穴”がいつ来るか分からないと思って、勝つまでは絶対にホッとできない」
大会前、親交のある横綱・白鵬の連勝が63で止まったとき、父・栄勝さん(58)にポツリと「白鵬でも負けたんだな」とつぶやいた。前日には48キロ級の世界女王・坂本日登美(自衛隊)が準決勝敗退。その夜、坂本に「大きな大会で勝つのは難しい。本当に沙保里はすごいよ」と声をかけられ、改めて気合入れ直したという。
08年北京五輪直前に119で止まった連勝は、再び「42」に伸びた。「もっと練習して強くならないとロンドンは厳しい」。女子史上初となる五輪3連覇を目指す2年後に向け“絶対女王”は歩みを止めない。