porkjerky

李維維 小優

天国のおかんに届けた…長谷川“飛び級”2階級制覇

2010-11-28 05:01:55 | 日記
 WBC世界フェザー級王座決定戦は26日、名古屋・日本ガイシホールで行われ、同級2位の長谷川穂積(29=真正)が同1位・ファン・カルロス・ブルゴス(22=メキシコ)に3―0で判定勝ちし、飛び級による2階級制覇を達成した。10月に母・裕美子さんががんのために亡くなり、悲しみを乗り越えてのベルト奪取。天国の母に激闘の末の勝利を届けた。WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチは挑戦者・粟生隆寛(26=帝拳)がビタリ・タイベルト(28=ドイツ)に判定勝ちし、長谷川を含めて日本人ボクサーの2階級制覇は計8人となった。

 “天国のおかん”にささげるグリーンベルトだ。長谷川が深い悲しみを乗り越え、飛び級による王座返り咲きを果たした。母・裕美子さんが長いがんとの闘病の末、10月24日に55歳で死去。不屈のサウスポーは勝者としてコールされると、すぐにリングサイドに駆け下りた。そして、家族が持っていた裕美子さんの遺影に歓喜のガッツポーズ。直後のインタビューで真っ先に口にしたのも亡き母への思いだった。

 「本当は母親に強くてかっこいい、安心できるボクシングを見せたかったけど…。でも再びベルトを巻くことができて、天国で喜んでくれていると思います」

 山下会長らの休養の勧めも振り切り、裕美子さんの告別式の翌日には練習を再開。ジムではそれまでの世界戦と変わらずトレーニングに集中し、ジム関係者を「自分たちの前では絶対に弱いところを見せなかった」と驚かせた。だが、母を弔う気持ちは一瞬たりとも忘れなかった。会場入り前には裕美子さんの闘病に密着したテレビ番組のVTRを初めて見て号泣。「ボロボロ泣いて会場に来た。こんなんで試合できるのかなって」。8回のバッティングで切れた右目を細めながら、その事実を明かした。

 3―0の判定勝利ながら、最後まで足を止めて強打のブルゴスと殴り合った。7回にアッパーを受けてぐらついても、強気に右ジャブで押し込み、左ストレート、右フックを浴びせた。これまでの長谷川では考えられない壮絶な打撃戦。「バンタム級はあれで倒せた。その感覚が強くて同じようにやったんですが、フェザー級は倒れてくれない。これがぶっつけ本番の分からないところ」。世界戦では異例の飛び級転向に備えて約130ラウンドのスパーリングを消化したが、3・6キロのリミット増で想像以上にタフな戦いを強いられた。

 今後は過酷な減量苦から解放されるフェザー級にとどまる。ショートパンチを多用するスタイルへの変更を図り、防衛回数を重ねるつもりだ。「バンタムは強いボクシング、フェザーはうまいボクシングをしたい。試合で分かったことを次に生かします」。新天地での挑戦は進化の途上。飽くなき向上心と探求心がある限り、長谷川はまだまだ強くなる。

 ▼真正ジム山下会長 最終ラウンドもパンチをもらうより倒しにいった方が良いと思っていました。今回はいろんなことがあったから、どうしても勝ちたかった。

 ◆長谷川 穂積(はせがわ・ほづみ)1980年(昭55)12月16日、兵庫県西脇市生まれの30歳。99年1月、プロデビュー。5戦目までに2敗したものの、03年5月に東洋太平洋バンタム級王座を奪取し、3度防衛。05年4月、WBC同級王座を14度連続防衛したウィラポンに12回判定勝ちを収めてタイトル奪取。今年4月30日にモンティエルに敗れるまで10度防衛に成功。身長1メートル68・0、左ボクサーファイター。

【関連記事】
長谷川、飛び級2階級制覇!天国の母に快挙捧ぐ
長谷川&粟生+西岡…次戦はトリプル世界戦?
粟生、涙の2階級制覇!長谷川勇気づけた
おかんも天国で喜んでいる…長谷川勝利に家族もホッ
フェザー級 、
日本ガイシホール 、
長谷川穂積 を調べる