小雨降る道沿い、傘をさしてヒロさんは待っていてくれた。
「特製のポチェロを用意してお待ちしてまっせ~」
予想通り、とても気さくなヒロさんが我々を奥へ奥へといざなう。
邸宅の横を通り海側の庭に出るとゆったりとした東屋。塀の向こう側は海、遠くシキホールやネグロス島をのぞむ。
足元の砂利は一つ一つがサンゴだ。
振り返り母屋の壁を見上げると、「亀御殿」の由来となった(?)亀の頭が飾られている。
お刺身、トマトのポチェロ、そして赤馬ことレッドホースビール。黒いシャツはうささん。
初めてお会いしたばかりだというのに話も弾み、料理も美味しくいただいた。
ヒロさんの掲示板にヒョコッと顔を出したのがきっかけで、こうして遠い空の下昼食を共にし談笑している。不思議だなあ。
時には、私などがハラハラするような会話を掲示板上で交わしているヒロさんとうささん、こうして実物(失礼)を並べて眺めていると、腹の中まで分かり合えた友人という感じだ。
ヒロさんといえば「闘鶏」である。
お庭にも数羽の戦士がいた。
お茶目な友人H氏が戦士とじゃれている。
大丈夫かなあと思うまもなく、やはり、やられたようだ。
薩摩の鶏とこちらの鶏を掛け合わせた「最強の戦士」育成がヒロさんの夢。
H氏の負傷を横目に、私はヒロさんと話し込む。
うささんといえば、テーブル横のベンチでお昼寝である。
のどかな昼下がり。