話しの軸はラブコメvs.時代劇とタイムスリップ。季節はもちろん夏で、舞台は学園(分かる人には分かる校名は三隅)、サークル、隠れ家、合宿、ゴールは学園祭。おのおの“専攻”を持ったオタクがコメディ仕立てで絡み合い。ライバル→友情/同志、そして成長。って。
いくらなんでも欲張りすぎ。初監督・脚本の松本壮史&三浦直之コンビの抑えきれない“気概”は分からないでもありませんが、これを1時間40分に盛り込むのは至難。失礼ながら、まさに高校生が学園祭向けに作った、時間だけは「つぶせる」ちょっと良く出来たうちわウケ映画みたいです。結果、アクションの「カタチ」としてはカッコいいが、有り体に言うとよく意味の分からない、ラストのみが突出して印象に残るのでしょう。
余計なことかもしれませんが、同じ学園サークルものでも要素を削りに削って、ラストカットに主人公の心情を見事に集約してみせた秀作『のぼる小寺さん』(2020)と真逆の出来栄えなのです。
(8月26日/新宿シネマカリテ)
★★★