かものはし通信

他是不有吾

映画「黄金を抱いて翔べ」を観た

2012-11-04 19:52:32 | 日々是好日
平日夜の人の少ない時に、と考えていたが、待ちきれなくなり日曜朝からの鑑賞と相成った。
原作の冷たく淡々としたイメージよりは、全体に感じる熱さがやや気になりはしたが、それでも高村薫氏原作の映画化の中ではベストだ。これまでの作品とは比べものにならない。
原作を知らないと、所々に挟まる過去の映像は理解しにくいかもしれないが、2時間でよくストーリーをまとめていると思う。切るべきところは潔く切ってある。例えば、ミエちゃんは一切出てこない。

さて、気になっていた配役はどうだったか。
浅野忠信は、妻夫木との年齢差を感じさせず、原作の北川と幸田の人間関係を損ねることも無く、なかなかの好演であった。
妻夫木は、終始一貫冷たく暗く、悪ぶったイメージだ。幸田になりきろうとしている、その努力は買う。無理をしているようで少々痛々しいのだが、ハードな役をよくこなしたといえるだろう。溝端も同様だ。
意外だったのが桐谷健太。ノリばかりよく肝は小さい、おどおどしたサラリーマンぶりが妙にはまって、目が離せない存在だった。
じいちゃんには、やはり痩せた人を持ってきてもらいたかった。自分の中では、、、そうだな、田中泯が近いだろうか。
モモについては、あまり多くを語りたくない。悪くは無かった。ただ、韓国人アイドルでなければならなかった理由は、全く無い。劇場内に、どう見ても高村薫など読みそうもない女性グループがやたらに目立ったのは、この人寄せパンダのせいだろう。

いろいろ書いたが、なぜかもう一度観たい気もする。高村薫の世界を映像で、という心の中の渇望があったのかもしれぬ。

余談だが、青木崇高の顔が、角度によっては長友佑都に見えた。ちょっと笑えた。

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