昨日の『古沢選手サイン拒否事件』で思い出したのだが、
もうひとつ忘れられない出来事があった。
大学時代私は東京の西が丘サッカー場売店でアルバイトをしていた時期があった。
売店といってもスタンドにテーブルを出し、サンドイッチやコーヒー・カップラーメン
なんかを売るだけの簡素なもので、試合開始の1時間前に行って準備をし、
ハーフタイムが終われば即撤収、というものだった。
当時の日本リーグといえば観客はメチャクチャ少なく、売店の仕事は楽だった。
ゲームが始まれば誰も買い物に来ないので、自分たちも試合を見ていられたし、
期限切れのサンドイッチをもらったりと、学生の身にはありがたかった。
ある日、カップラーメンのお湯の準備のため給湯室へ行くと、廊下で奥寺康彦選手と
遭遇した。
あの日本人初のプロ選手の、あのブンデスリーガで活躍しているオクである。
「サインを貰わねば!」
と思ったのだが、そのとき私はヤカンしか持っていなかった。
「!」
とっさに私はかぶっていた帽子とボールペンを差し出し
「すいません・・・サインいただけますか?」
とお願いした。
一瞬にして奥寺選手の顔つきが変わり、眉間にシワをよせ
「これに?」
と聞き返した。
私が差し出したのはタイガースの帽子だったのである。ツバが黄色の・・・
明らかにムッとした表情の奥寺選手は、それでもボールペンを手にとり、帽子の縫い
目にペン先を引っ掛けながらもサインをし、いらだった様に足早に去って行った。
多少の気まずさを感じてはいたが、私はうれしかった。
2~3年前、奥寺氏とお会いする機会があったのだが、この話は出来なかった。
奥寺康彦氏のスゴさはここに。
もうひとつ忘れられない出来事があった。
大学時代私は東京の西が丘サッカー場売店でアルバイトをしていた時期があった。
売店といってもスタンドにテーブルを出し、サンドイッチやコーヒー・カップラーメン
なんかを売るだけの簡素なもので、試合開始の1時間前に行って準備をし、
ハーフタイムが終われば即撤収、というものだった。
当時の日本リーグといえば観客はメチャクチャ少なく、売店の仕事は楽だった。
ゲームが始まれば誰も買い物に来ないので、自分たちも試合を見ていられたし、
期限切れのサンドイッチをもらったりと、学生の身にはありがたかった。
ある日、カップラーメンのお湯の準備のため給湯室へ行くと、廊下で奥寺康彦選手と
遭遇した。
あの日本人初のプロ選手の、あのブンデスリーガで活躍しているオクである。
「サインを貰わねば!」
と思ったのだが、そのとき私はヤカンしか持っていなかった。
「!」
とっさに私はかぶっていた帽子とボールペンを差し出し
「すいません・・・サインいただけますか?」
とお願いした。
一瞬にして奥寺選手の顔つきが変わり、眉間にシワをよせ
「これに?」
と聞き返した。
私が差し出したのはタイガースの帽子だったのである。ツバが黄色の・・・
明らかにムッとした表情の奥寺選手は、それでもボールペンを手にとり、帽子の縫い
目にペン先を引っ掛けながらもサインをし、いらだった様に足早に去って行った。
多少の気まずさを感じてはいたが、私はうれしかった。
2~3年前、奥寺氏とお会いする機会があったのだが、この話は出来なかった。
奥寺康彦氏のスゴさはここに。