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今もまだ人生を語れず・・・

人生で大切なことはみんなタイガースが教えてくれた

サイン その2

2005-12-19 | サッカー
   昨日の『古沢選手サイン拒否事件』で思い出したのだが、
   もうひとつ忘れられない出来事があった。
   
   大学時代私は東京の西が丘サッカー場売店でアルバイトをしていた時期があった。
   売店といってもスタンドにテーブルを出し、サンドイッチやコーヒー・カップラーメン
   なんかを売るだけの簡素なもので、試合開始の1時間前に行って準備をし、
   ハーフタイムが終われば即撤収、というものだった。
   当時の日本リーグといえば観客はメチャクチャ少なく、売店の仕事は楽だった。
   ゲームが始まれば誰も買い物に来ないので、自分たちも試合を見ていられたし、
   期限切れのサンドイッチをもらったりと、学生の身にはありがたかった。

   ある日、カップラーメンのお湯の準備のため給湯室へ行くと、廊下で奥寺康彦選手と
   遭遇した。
   あの日本人初のプロ選手の、あのブンデスリーガで活躍しているオクである。
   「サインを貰わねば!」
   と思ったのだが、そのとき私はヤカンしか持っていなかった。
   「!」
   とっさに私はかぶっていた帽子とボールペンを差し出し
   「すいません・・・サインいただけますか?」
   とお願いした。
   一瞬にして奥寺選手の顔つきが変わり、眉間にシワをよせ
   「これに?」
   と聞き返した。
   私が差し出したのはタイガースの帽子だったのである。ツバが黄色の・・・
   明らかにムッとした表情の奥寺選手は、それでもボールペンを手にとり、帽子の縫い
   目にペン先を引っ掛けながらもサインをし、いらだった様に足早に去って行った。
   多少の気まずさを感じてはいたが、私はうれしかった。

   2~3年前、奥寺氏とお会いする機会があったのだが、この話は出来なかった。



   奥寺康彦氏のスゴさはここに。