日本画家・伊賀晶子

日本画家伊賀晶子の山口での創作活動について。

こどもの日本画

2014-08-19 13:07:10 | はじめての日本画
8月7日にお母さんと一緒に来られました。バレエを習っている女の子なので、以前アトリエに遊びに来られたときにわたしが2007年に東京の展覧会で入手したバレエ・リュスの図録を目を輝かせてみていたのです。それで、彼女の一番気に入ったその表紙にもなっているレオン・バクスト作ニジンスキーのための衣装デザインを模写することになりました。小学生で初めての日本画のモチーフがロシア人画家によるロシア人ダンサー!という展開にみんなでわくわく。 

 日本画初体験の小学生にはまだ無理なので、わたしが3号のパネルに先に骨描き(墨の線でモチーフの輪郭線を引くこと)しておきました。その前のトレース作業から入れるとこの下準備に5時間もかかってしまいました。もっと早くちゃちゃっと描けないのかしら。。(悩)
 骨描きのあとは画面の補強とこれからのせる色の発色をよくするために胡粉を塗るのですが、この作業も自分が済ませてしまおうか、とも考えたのですが、午前中いっぱい骨描きにかかってしまったので、教室開始前に胡粉まで至らず、ご本人にやってもらうことにしました。そのほうが基本の勉強になるでしょう。

 さて、初めてもつ乳鉢、乳棒でごりごり、、胡粉を砕く彼女の作業はとても丁寧でわたしが言う片栗粉の手触りになるまで20分はかけていました。それから膠液を入れて「胡粉の百叩き」をこれまた丁寧に根気よく、やっていました。それが終わって、やっとお団子になった胡粉を溶けるのです。そして、刷毛に浸し、塗る作業です。1、2回塗っただけではむらになったままなので、1回塗るたび扇風機で絵を乾かし、また塗り、乾かし、、の繰り返しの作業を自分で納得するまで根気よくやっているのには感心しました。

 そして本日の最後にはやっと色を2、3色使えました。わたしは明るいところから暗いところへ塗っていくほうがあとで困らないよ。とだけ教えました。
 彼女が描いているそばでお母さんにも時々手伝ってもらいながら、おしゃべりもしつつ(時に盛り上がりすぎて彼女の邪魔になったのでは、とあとで反省)1回目が終了。
 われわれのおしゃべりにも負けない彼女の集中力と根気に本当に感心しました。彼女の持っている興味が幸いにも一致し、ふだんからバレエのお稽古で鍛えられていることもあるのかもしれません。

写真は左から、制作風景、制作過程、骨描き、見本の図録です。
次回2回目は21日の午後の予定です。





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