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ピリカヌプリ

北海道の自然とアクティビティに関することを発信しています。

鬼刺山

2024-08-19 | 日記
確か占冠だったと思う、山行後の温泉を楽しみ服を着ていた時、同じように服を着ている隣のオッサンのベルトがスワミだったのだ。
スワミとは、積雪時登山や沢登り等で、ハーネスまでは必要ない際に使う簡易的な確保用のベルトの事を指す。

 話しかけるとやはり山ヤで、登山談義に花が咲いた。そしてその人は三角点ハンターでもあり、北海道の全ての一等三角点を踏破していた。
僕も一等三角点を巡っている事を伝えると「いつか君の前に立ちはだかる難敵は鬼刺山だよ。」と予言されてしまった。

それ以来、鬼をも貫く山容を持つ道北の鋭鋒、「鬼刺山」が気にならないはずもなく、数年来チャンスを狙っていた。
万全を期して挑んだ鬼刺山、低山だが山深く、長い行程であり、突き上げる直登沢は急峻で滝がいくつか出てきた、その全てがメチャクチャ滑る。
フィジカル、メンタル、テクニック、チームワークと様々に試される北の深山だった。

頂上をきわめた後、汗を流した天塩川温泉では、キツかった山行と達成感、疲労した体に沁み通る温泉の心地よさに、気づくと「やったー」と言いながらニヤついてしまった、そんな山


人の入った気配が全くない、年間ほんの数パーティだろうな。
この山の解説をしたガイドブック、赤字なんだけど需要ないだろうな
特にこの山の記述は・・・



読図を繰り返しながらの遡行
ピンテ一本もない、道標の無い山
標高差の少ない河川は蛇行し、読図を難解にする。



化石の名産地、中川町に近く、アンモナイト的なモノが時々ある。
人が入らないであろう奥地であり、ノジュールがゴロゴロあって、腰につけたハンマーで割りたい衝動に駆られるが、長い行程でもあり先を急ぐ。



水は美しく、開けた沢は気持ちよく登れる。


ミヤマカラスですね。
美しい緑と青の混じったような涼しげな色に心癒されます。



逆層のとこもあるけど、ここは順層で登りやすい。



いくつかの枝沢を分け、沢はなお細く水量も減ってくるがかなり奥まで沢は続き、助かる思いだ。
水が切れたら猛烈なヤブ漕ぎを覚悟する道北の山



滑る滝はロープ出して慎重に行く。
フリーでクライミングしている訳じゃないので、ユマーリングも全然アリアリ
それが沢登りってやつだと僕的には思ってる。
なんでもアリのバーリ・トゥード、総合力を試される。



とにかく滑るので慎重に



こういうトコが一番危ないんだよな。
落ちたら怪我する。



しっかりとセカンドのビレーをする僕ら。
良好なザイルワークは時間短縮に繋がる、もちろん安全確保にも。



直登沢、なかなかだねぇ。



足の置き場に気を使う。
フェルトだろうがなんだろうが、そりゃ滑る。


突き上げた稜線
道北の山々が見える。
頂上までもう少しだ。



低山だけど険しいな。
低山をバカにしてる人に挑戦してもらって感想ききたい。
こんなアルパインな山、なかなか無いぞ。



山頂
看板など無い
一等三角点があるだけの閑静なピーク
実に好ましい。
こんなトコに仰々しい看板などいらない。
あっても、せめて手作りがいいな。



下山は懸垂になる。



慎重にいかないと、なんせ滑る。



ロープぎりぎりの長い懸垂
下が見えないので最初に行く人は頭のネジを2〜3本緩めとくと良い。



直登沢を下り終えると、蛇行した長い本流が待ってる。

本当に総合力を試される楽しい沢だったなぁ。

イザナギとイザナミの国生み、白兎神社

2024-08-14 | 日記
日本最古の書である古事記、そして日本書紀の神話の世界を間近に感じ、歩いてみたかった。
日本人なら誰もが一度は耳にしたことがある神話の数々
長らく関西に住んでいたのに、機会を設けなかった事を勿体なく思う。
古事記では日本で最初に出来た島はイザナギとイザナミによるオノゴロ島、(淡路)だ。
伊弉諾(イザナギ)神宮とオノゴロ島と言われる絵島へ行き、日本創世を思う。
僕の好きな古事記の話、因幡の白兎の地を訪れた。
鳥取にあるので、コナン空港に砂丘も外せない、「鳥取にスタバは無いが砂場はある。」と言われた、すなば珈琲へも!
他にも神社や古事記ゆかりの地を訪ねた今回の旅
神話を忘れた民族は100年で滅びると言う、戦後GHQが日本から神話を失わせてはや75年
そろそろかと危機感を抱いている。そして、やはり日本の神話は面白い。


明石海峡大橋渡って淡路へ



淡路から神戸を見る
海峡大橋とタンカー
港町神戸の風景



橋好きにはたまらない!
学生時代は橋の設計をしていたので、つい見ちゃう。


これがオノゴロ島こと絵島
日本で1番最初にできた島!(諸説あり。)



イザナギ神宮へ向かう僕



ここも素晴らしい
感動します。
古の神社って言葉では言い表せない、人智を超えた力を感じる。



一緒に行った弟と離れてしまい、探していたら、なぜか導かれてたどり着いた。
ここにすごく引っ張られた、こんなの案内図にも書いてないんだよ。
軍人さんの像だ!と近寄ると
樋口季一郎さんの像があって鳥肌たって涙でました。

この方がいなければ、北海道の半分は今頃ロシア領
占守島の池田大佐と共に教科書には載らない日本の英雄
僕も志をあらたにしました。



北海道ゆかりの高田屋嘉兵衛関連も見学



白兎神社



狛犬ならぬ狛兎



大国主命と困ったうさぎちゃん。



コナン空港は、ギッチリとコナン関連の博物館
空港としてはもちろん、テーマパークとしても楽しめます。



鳥取砂丘へ



スタバよりすなば派です。



明石焼き
元県民としては食べとかなきゃ。




熊野古道

2024-08-10 | 日記
世界遺産のロングトレイル、熊野古道を歩いてきました。
いにしえの道をふみしめ、蝉の声を聞きながら長い坂道の上の鳥居をくぐる。
鳥肌立って、涙出るくらいに美しい日本の自然風景にマッチした神社建築の秀麗さ。
江戸時代に敷かれた石畳
古事記に書かれている神話の世界に身を置き、八咫烏に案内を乞いたくなる雰囲気ある大樹の森
日本の美とはこう言ったものだったよな。と、思い出させてくれる原風景
なんだか信心深くなってしまうのも実に日本的


これが熊野古道



この地では、神話の時代から神様が身近に息づいてる。





ここ、1番札所なんです。



これ、実家の床の間の掛け軸
おじいちゃんがコンプリートしたもの。
1番札所が那智
こんなふうに暮らしの中に普通に神様がいる。



熊野古道地図
全部で1000kmくらいあるんだって。





素敵な石畳



那智大社


僕は八咫烏になぜか惹かれる
いつも八咫烏のお守り持ってるんだよ。



胎内くぐりってやつですね。



ふむふむ
胎内くぐりをするには願い事と、名前を書けと
それを持ってくぐれと。



オールマイティな願い事かいちゃる。



えっ?
願い事ってこの中から選ぶの?? 後で気づいた・・
もう、書いちゃったよぅ…
「しあわせ」でよろしくお願いしますっ!!!



くぐった御神木と木の御札をおく場所



那智の滝

コレね…
登っちゃダメだよ
神様じゃん。



燃やしたり


てくてく歩いて



本宮へ
僕、このマークの八咫烏が1番好きだなぁ。
なんか可愛いよね。



神社によってマーク違うんだー!



これねー
可愛いさー



お参りするとこ、並列に4つもある。
手前はアマテラス



八咫烏は導いてくれるから。
登山の時どころか、いつもお守り持ってる。

神武天皇の即位日と僕の誕生日が同じなの、ただの偶然なんだろうけど、勝手に縁を感じてる。



これさぁ。
ややこしいよね

衣装が古式ゆかしすぎて、スカートに見える…
悩んだわー


新生息地の発見と調査

2024-08-04 | 日記
今日はいろんな事が繋がったり上手くいって実に爽快だった。
昨年、僕が見つけた、絶滅危惧種1類Aの希少種は今まで発見されたことの無い日高山脈にあった「カイサカネラン」
新生息地発見である。
さて、どうするか。
カヤックで偶然知り合った友人に相談すると、その友人の前の職場の同僚が植物の専門家としてお仕事をされている方で、新生息地の論文を書くことになり植物採集許可までとっていただいた。
さらにその方の友人が某大学博物館の方で、植物と標本のプロフェッショナル
すでに、ここまでの人の繋がりが奇跡の連続である。

カヤックやってて偶然知り合った人と友達になった辺りから奇跡のはじまりなのかも。
山ヤが花を見つけ、植物の専門家の方に論文書いてもらい、博物館の方に標本にしてもらう。
そこまで決まって、いざ探しに行く
サカネランは別名「咲かねぇラン」と呼ばれるくらい咲きません、と専門家からお聞きする。

多分無いだろうと思いながらも、川を遡り、ヤブをこぎ、急斜面に喘いで最後の奇跡がそこに咲いていた。
サカネランを4人がかりで数株発見でき、実際に大学の標本庫に入る標本を作るプロセスの一端も見れた。

なにより植物の専門家お二人の植物ガイドにレクチャー受けながらの登山は至福
そんな植物好きの帰りの車内の話題が「どの植物が野外で用を足したあと、お尻を拭くのに優しいか。」
だったりするのも最高


朝イチはガスってて雰囲気ある。
前日は雨降ってたけど増水してなくて良かった。



スーパーマリオセクション
魚道の中の様子


ヤブセクション



見っけた!



これがカイサカネラン
めっずらしいんだよー!


色めき立つみんな。



新生息地発見なので、その周辺の植物相を調べてるとこ。


上を見て樹種も調べる。



へぇー
標本ってこうやって作るんですねー
面白そうだけど、大変そう・・



他の植物も色々と教えていただく。
ホント勉強になりました。



川で根っこ洗って標本作成
他のメンバーはのんびりしてるのに・・


なんかシュール
ここでの下処理が後々に影響するとの事なので真剣勝負ですよねぇ。

こんな奇跡と楽しさが一生続きますように。