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☆つる姫の星の燈火☆

人のために 

二度寝して目覚めた田舎の空はまっさお

今回の帰省には難病でほとんど外出をしていなかった父を

私の息子が山に連れて行く、という二つ目の予定がありました。

このための下見をするために先月息子が帰省しようと新幹線を待っている時間。

まさにその時に祖母が亡くなったという不思議な偶然がありました。

 

息子はそれを一人でやってのけるつもりでいたらしいですが

健康な人ならともかく、歩行も全くできずお腹からチューブを繋げている父に何かあったら大変ですし

車いすから車への乗り下りなど、全く経験がありません。

しかも登山となると一人ではとても無理な事を理解し

私も喜んで協力することを約束していました。

本当ならおじいちゃんを背負って登山したかったようですが

父の身体への負担を考えるとそれは不可能でしたので

車いすでギリギリまでいける場所を先月下見していたのです。

そこは息子が幼い頃、父によく連れて行ってもらった思い出の山です。

 

前日法要の後で訪ねた時の父はとても不安になっていました。

出来れば母にも付き添ってほしいと申し出てきたので、母にも同行を頼みました。

長年連れ添った相手にしか言えなかったり頼めなかったりすることもあるのでしょう。

 

天気にも味方された息子は、良いイメージしか持たずに

私と母を車に乗せて、父の待つ病院へと車を走らせました。

この後の事は、息子のブログを読んでください。

 http://world-jumper-kenta.at.webry.info/201310/article_14.html

 

私は父と母の娘として、そして息子の母としてのはざ間で

様々な想いでこの時間を過ごしました。

山頂までいけなかった息子が、きっと涙をにじませて見上げていたであろう木々のざわめきが聞こえました。

風の音…こんな風の音を前に聞いたのがいつだったか記憶にないほど

懐かしい風の音でした。

木々も一緒に泣いているような、低い風の音。

 

駐車場での時間の流れは、穏やかでいつもの倍くらい濃く長く感じました。

 

暖かい日差しの差し込む車内で

食欲だけは旺盛な父は、母の炊いたやわらかめのおにぎりを食べ

大好きなおまんじゅうを口の周りをあんこだらけにしてほおばっていました。

 

 

人のためにと思ってする事を、自己満足かもしれないと思う事は

とても辛い事だろうと思います。

世の中には多かれ少なかれそのような事があります。

人は人から何かしてもらうより、してあげたことの方に満足や喜びを感じるものなのかも知れません。

 

病気になってからほとんど表情がなく

笑う顔を見たことのなかった父が、カメラに向かってできる限りの笑顔を見せてくれました。

それが作り笑顔なのかどうか、私にはわかりませんでしたが

その笑顔が息子への最高のプレゼントだということははっきりわかりました。

その笑顔で息子の気持が吹っ切れたように思えたから。。

 

 

そして、別れ際の父の言葉を息子のブログで初めて知った私は

その日我慢していた涙をこの時初めて流しました。

「今日は本当にお世話になった。今回は楽しい事と辛い事があったけど次回も楽しみにしてるよ」

父の笑顔は本物だったのだと思い、そして次回を楽しみにしているという前向きな言葉が父の口から出たことに

とても感動しました。

 

このような事を書くと、息子自慢をしているように思われるかもしれませんから

この事は私の言葉で記事にしようと思いましたが

一人の若者の、まだまだ未熟な部分とまっすぐな心を

オバサンになってしまった私にはうまく伝えられないかも知れないと思い

このような記事にしてしまった事をお詫びします。

 

今回の帰省もとても意義深いものとなりました。

 

始まりの日が 終わりました

 

長くなりますので、また明日に続きます。はい、続きがあるのです

今日もご訪問くださり、最後までそして息子のブログまで飛んで読んでくださって

ありがとうございます。

感謝をこめて

つる姫   

 


私の好きなものは笑顔。笑顔は世界を救うと信じるつる姫のブログです。

コメント一覧

つる姫
ブラボーさん
ありがとうございます。
近くにいたら車いすを押してあげたい。
リハビリも手伝いたい。。
遠くに嫁に行った娘には
ここで祈り、たまに行って励ますことしかできません。
前向きなままリハビリをがんばってくれればよいのですが。
つる姫
テバネさん
親切にありがとう
これも伝えておきます。
ブラボー
二度泣きしちゃったわ
貴女は二度寝、私はココで二度泣きしました
良い話ね。。。 お爺さんの顔を見る眼差しが愛に満ちています♪

生気の無い病院から、外の空気を吸いに出かけられただけでも、
病人にとっては有りがたい事だったと思いますよ。

病室でお父さん、お孫さんとの事、その日の事を何度も思い出してる。
今迄の入院生活とは少し違ってくると思います。

前向き発言は家族にとって嬉しい事でしたね。
テバネ
http://www.jinriki.asia/

これです。

ご参考になれば。
つる姫
テバネさん
コメントありがとうございます。
これは息子にも伝えておきます。
父もやる気さえ出せば、歩くことはできるはず。
近くにいればちょくちょく行けるのですが
年三回が限度かな。。
私も頑張ります。
テバネ
良い息子さんと、その気持ちがわかるお父さん。
良い環境でつるさん育ちましたね。
羨ましいかぎりです。

話は変わりますが、登山出来る車椅子の補助道具が
有ります。(ただお父さんはきついかも知れませんが)
椅子を雄のでは無く、引っ張るのです。
リアカーみたいに、これで車椅子の方も楽々未舗装道路
を移動出来るようです。
また、息子さんのされた事は今介護の世界で見直されている事です。
ある介護施設は長い階段・談話室の邪魔な机、坂道になった廊下などを敢えて作り、「もう歩けない」「動きたくない」といった老人に「やる気」を起こさせる為の環境だそうです。
結果は杖がないと歩けない方が杖無しで歩行出来るようになったりと良い結果が出ています。

お父さんは少し辛い事だったかもしれませんが、続けていけば、「生きる」と言う事を今以上感じる事が出来ると思います。
頑張ってくださいね~
つる姫
るみこさん
本来夫婦というのはそうなのでしょう。

血のつながりのない二人が出会い
色んなことを経て年を重ねる。

さて。。私自身は

るみこ
心に響きます
>長年連れ添った相手にしか言えなかったり
>頼めなかったりすることもあるのでしょう。

これは私自身も感じますが、周りの友人たちも
同様な事を言っています。

下の写真からとても濃い素敵さを感じます。
つる姫
みきねえさん
ありがとうございます。

自分に自信がないと相手が不安になる。
それっていつも、どんなときにも当てはまりますよね。

子どもから教わる事の増えたこの頃。
ありがたいことです。

みきねえ
はい、ご子息のブログ、拝見させていただきましたよ、なんて思慮深い息子さんでしょう。
 おじい様も そんな純粋な気持ちに 心打たれ 元気をいただかれたのでしょうね。

人のためは自分の為。 それは自分の心の問題ですもの、ね。
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