友人から愛妻を亡くし、コロナ禍で納骨が長引き、やっと富士山麓に近い素晴らしい情景の大地に埋葬できた知らせがありました。長年ともに辛苦を共有した愛妻の別れは言葉に言い尽くせない辛いものであったでしょう。心からの冥福をお祈りいたします。誰もがこの辛い別れを経験することが定められている人生の苦悩。生きるものの時間は残酷です。この宿命からいかにして生きることへの力へ、生命の 確固たる意志を得ることができるのであろうか。孤独との戦いに打ち勝つことができるのであろうか。フランスの哲学者アンリ・ベルグソンの新たなる進化論「創造的進化」を思い起こす。生命の飛躍エラン・ビタールである。エネルギー散逸法則に着目したベルグソンは自然における平衡状態から、全存在の根底に生命力であるエラン・ビタールを提言する。自然におけるエネルギーの散逸以前の創造力から一元的原理としての生命の飛躍エラン・ビタール、精神的エネルギーを人類への生きる指針とした。死の概念にゆれる存在に光を投げかけたベルグソンの自然哲学こそ現代社会に重要な考え方ではないでしょうか。人間は単一にして宇宙の一部であることを感じよう。それこそが愛する人を亡くした人への生への意志でなないでしょうか。死にたくなるほどのこの現実の中で「死の衝動」こそ生きることへの愛おしさを秘めています。何故生きるに理屈はいらない。生命はこの星の煌めく素粒子なのだから。生あるかぎり互に光り輝こうではないか。終末産業のインチキ広告に惑わされず、どのような方法でも良い、自己自身で己の生の有り様を、アクティブに創造しよう。