まいにちプーリー♪

ペルセ家さんとプーリーさんたちの何でもない日常をぽちぽちっと。

虹の橋

2007-12-20 23:27:04 | インポート
12月14日午後9時過ぎ、
デビルが虹の橋を渡り、旅立っていった。

デビルは我が家のケリーブルーテリアである。
ひょんなことから8年ほど前、彼がほんの子供だった頃、我が家の一員となった。

黒いクルクルとしたウェーブに覆われ、くりんとした大きな目が印象的な男の子だった。
目がよく見えたのは、通常なら目の上を覆っているコートがばっちり短く切ってあったためである(笑)

甘ったれで寂しがりや、ちょっととぼけたところもあったし、ワンコには厳しいが、人は大好きな子だった。可愛いヤツである。
コモンドールのプスタには特に、自分が喧嘩を売ったはずなのに、逆にけがをするのはいつも彼の方だった。負けるってわかってるのに。ある意味チャレンジャーである。

彼が来てからの生活は今までのそれとはまた違った楽しみがあったが、その反面悩むことも多かった。
デビルはどんなベートに対しても全く無反応な子だったので、彼がどうすれば楽しくショーできるか、本当にもう頭を抱える毎日だったことも、今となっては良い思い出だと思う。
生きたネズミか何かを見せたら、もしかして・・・、なんて思ったこともあり、実際にハムスターをかごに入れて彼に見せてみたこともあったが、これまた全然無反応。全くの無駄に終わった。
そのハムスターくんは、彼の本能を開花させるという大役を果た・・・すことなく義兄家族の一員となったので、ご安心を。

結局ショーイング中はベートに興味をほとんど持つことがなかったけれど、それでもJKCチャンピオン、FCIインターナショナルビューティーチャンピオンを獲得、2000年にはペディグリーアワードも受賞することができた。のほーんとしているようで、実は結構やるのである。

ここ数年は、あれほどまでに無反応だったボール遊びに夢中になっていた。
おもちゃも美味しいおやつにも「もっともっと♪」と催促するほどだったのだ。
あれほど悩んだのになぁ・・・悩んでいるときはどうにも行き詰まってしまうのに、悩まなくなった途端に出来るようになったりする。何事も上手くいかないものなのだ。
まあ、実際はこんなものなのかもしれないけれど。


今思えば、デビルが私達のところへ来なければ、私がここまでトリミングにのめり込むことも無かっただろう。
トリミングコンペに初めて出たとき、モデル犬はもちろんデビルだった。
ケリーブルーのトリミングなんて、一度もやったことがなかったのに、つい出ちゃったのである。
冷静になって考えてみれば、むちゃくちゃなことをやったものだ。恐いもの知らず、と言う次元ではない。ただのあほ(笑)
当然仕上がりは見るも無惨な状態で、ジャッジは苦笑いするしかない。でも、どうもガッツだけは認められたらしく、入賞しちゃったのだ。
あれから。
デビルはずっと私達のためにモデル犬としてずっと頑張ってくれていた。
私達の勉強にも、いつも付き合ってくれていたのだ。

初めて連れて行った本部展では、ハンドラーのT氏に生でトリミングを教えていただく機会に恵まれた。
頑張って見様見真似で仕上げ、翌日慌ただしく出番が終わった後、そのT氏に「いいよ、良くなったよ、頑張って」と声をかけていただいた時、目の前がパッと明るくなった気がした。ケリーブルーの何たるかも何も解らない状態で、とにかくやらなきゃ、と言う思いだけでトリムしたことに、お世辞でも誉めて貰えたことは、言葉では言い表せないほどものすんごく嬉しかった。

あの時、あれほどの喜びを与えてくれたのも、デビルがいてくれたからだ。
トリムが面白い、そう思えるようになったのも、デビルがいてくれたからだ。
プーリーと同じくらいテリアが大好きになったのも、デビルがいてくれたからだ。

そう、たぶん私達にとって彼はかけがえのない存在だったのだ。
そこにいるのが当たり前過ぎて、今まではあまり考えたこともなかったけれど。

たった9年。短すぎる。
肝臓の病気を患い、闘病生活を続けていたけれど、助けてあげられなかった。
もっと早く、私が異変に気が付いていたら、もっと気をつけて見てあげていたら、
もしかしたら、もしかしたら・・・
ずっとそればかり考えている。
だから、彼をこんなに早く失うことのなってしまったのは、私のせいなのだ。


そして、デビルの最後のトリムはやっぱり私の練習のためだった。
もちろん、それが最後になるとは思いもしなかったけれど、結局。

*****
デビちゃん、あなたはうちの子で幸せだったかな?
苦しい思いをさせてしまってごめんね。
ワルツがね、あの夜、ずっとないてたんだ。ずっと一緒だったから、きっとデビちゃんがさよならしに来てくれたんだね。
今はね、ワルツはアポちゃんと一緒だよ。やっぱりケリーと一緒が落ち着くみたい。
ジョニーやオーリーの教育係もやってくれてるし。
もう痛くないよね?苦しくないよね?
今度はもっといいお母さんになるように頑張るから、デビちゃんさえ良かったら、いつかまた私達のところに帰ってきてね。

デビちゃん、本当にありがとう。