秋の牧場訪問（その４）

社台ファームではＡさんの案内で４頭拝見しました。

ムーンレディ１４

をを、初っ端に登場ですか
どうです、この馬っぷり♪
ポーズもビシッと決めて、いや～堂々たるものでございますな！
ハイテンションのオヤジをよそに、Ａさんも曳き手のスタッフさんも寡黙なので・・・
「なんか言ってください」
『あ、順調です』　　そ、それだけ・・・？
『まあ、乗り出したばかりですのでね。まだ何とも言えないのが正直なところかと・・・』
苦笑いしながら助け舟を出すＡさん。
それではと、攻める角度を変えて、例の話を持ち出すことに
『う～ん、どうなんでしょうか。その話は初耳ですねえ』
『いまのところ全く問題はありませんし、乗り進めて行って何かあれば、その時点でちゃんと対応できると思いますよ』
とのことにて、この話題は終了～

『それより、私はこの仔がここまでの馬になったことが驚きです』
え？どゆこと？
どうやら、遅生まれのこの仔は当初はクラブで募集する予定ではなかったそうな。
それが、３月の選定時に社長の鶴の一声で決定。
しかし、あまりに幼いバンビだったので、Ａさんは心配だったとのこと。
「でも、６月ツアーの時は見栄えする馬でしたよ」
『はい、短期間にぐっと成長したのですね。私の予想を遥かに超えたので驚きました』　へ～
その後も移動中の車内で『長年、馬を見てますが、ああいうケースは珍しい』『日々是勉強です・・・』とブツブツごちるＡさんに：
「それって、褒め言葉ですよね？」　と水を向けると、ようやく笑顔が返ってきました。

あれ以来、文献をあたったり、いろいろな方に話を伺いましたが、種子骨が２つとも同じ大きさである馬のほうが少数であること、左右差があってもそれが炎症に繋がるとは言い難いこと、たとえ種子骨に形態異常があっても競走能力に影響を与えないとのデータがあること（ただし、繋靭帯炎発症の可能性はある）などなど。
まあ、牧場も調教師もプロですので、その辺りのさじ加減は心得ているわけで、素人が取り越し苦労することもないと云うのが結論です。

アグネスショコラ１４

出資検討馬として拝見。
小柄ですが遅生まれですので、さほど心配することはなさそうです。
上は堅実に走っているものの、活躍しているのは父キンカメ。
クロフネは２勝している兄がいますが、さて、どんなものでしょう。
ちょっとお高いので、即断するには至りませんでした。

ワールドリープレジャー１４

脚の短いもっさり型のディープですが、動きは軽く脚捌きも上々です。
１月生まれで４５０㌔。
ガッシリした上物の割に体重が増えておらず、それほど大きくならなそう。
「社長が気に入って、タテジマで募集となったとか？」
『あら、そうなんですか・・・。ゲームオンデュードが走ったので、母馬はどこにいるんだ？と探して韓国から買い取ったことは聞きましたけど』
「それって、ファーストバイオリンもそうですよね」
『そうです。ドミニカンが走ったので、母馬を探したのです』
「なぜ２頭とも韓国に居たのでしょう？」
『不思議ですね』
まあ、都落ちしたことには違いない。

Ｙ師のカタキン話を持ち出したところ、なんとＡさん、『どれどれ・・・』とまさぐってチェ～ック！
『ちゃんとあるんじゃないかなあ？ どお？〇〇くん』と曳き手のスタッフさんに質問。
『いや～、触ったことないから・・・』
てことでチョン。
Ｙ師は見ただけで分かるのか？触ったのか？　移動する車の中でひとしきり盛り上がりました。

ダノンフローラ１４

出資検討馬。
タートルボウルっ仔なので、ま、いわば先物買いを目論んでるわけでありまする。
曳き出されてきた馬は、まるでノーザンのコンコルディア１４の牝馬版。よく似てる～
『牝馬にしては、どっしり落ち着いた仔です』
馬格があって歩様もしっかり。
厩舎は若手売出し中のナル。オヤジは社台とは浅からぬ関係があった、でも活躍馬はミスターブランディ位しかいなかった大和田稔。
ちょっと、いやかなり気になる１頭です。カートに入れて様子見することにしました。

以上で２日間の牧場訪問はお仕舞いです。
各牧場の皆さま、お忙しいところ、たいへんお世話になりました。ありがとうございました。