命懸けの『伊勢神宮』

伊勢神宮に突然行きたくなった。

でも、行くまでに何県も通過しなければならない。

この時期、今よりもメンタル不調だったし、超夜型だった。

泊まりで行く体力もないから、行くためには朝早くの出発が必用。

そんなとき、知人から、

『 伊勢神宮にいこう 』というお誘いがあった。

交通手段は自家用車。

これは乗るしかないと思い、メンタルが悪い中でも体が行けそうな日に、当日決めて出発した。

日帰りで行くような距離じゃないけど、

私の中で車の運転はストレス解消方としてはかなり上位。

心身の調子が良くなる。

久しぶりに外で日光を感じた。

とても天気が良く、ドライブ日和。

高速も久しぶり、信号がないから下道より走りやすい。

ちょこちょこ寄るサービスエリアも、楽しみのひとつ。

住んでいる県から隣の県に入るか入らないかあたりの山奥、トンネルを抜け橋の上を走る。

橋下が見えてしまった。

すごい高い場所に道があることがわかった。

落ちたらひとたまりもない。

そう感じたとほぼ同時に、クイッと、車が崖下に向かうようにステアリングを切りそうになった。

この瞬間、それが自分の意思じゃない気がして、血の気が引いて、手に大量の油汗を感じる…

『 どうか、無事に越えられますように 』

心の中で、ご先祖様に手助けをお願いしながら、

数十分は死の恐怖を間近に感じ、

汗だくでツルツルのステアリングを必死に握りしめた。

さすがに、次のサービスエリアで知人に交代し、なんとか無事に伊勢神宮にたどり着く。

これは、伊勢神宮に呼ばれてなかったのか、メンタルが不安定な私が、あちらに引きずられそうになったのか…

わかる能力のある人に出会ったら聞いてみたい、ゾクッとした出来事。