母ひとり娘ひとり あわせてふたり                             ~大腸癌を宣告された娘の記録~

2008年7月、たったひとりの家族である母が上行結腸癌にステージ3b、ママ頑張ろうといいながら自分への励ましブログ。

大腸内視鏡検査

2008年07月25日 22時08分01秒 | 発病

7月25日(金)いよいよ大腸内視鏡検査の日。病院は母の希望で17年前に手術した病院の姉妹病院で私立R病院。
17年前の執刀医は年齢的にも引退してるだろうからいないけど最後に通院した病院だ。
阪神大震災の時一度下血して執刀医を頼りにこの病院に飛んで行った。このとき注腸検査をしたが異常なし。
なぜ内視鏡をしなかったか母も覚えていないらしいがこの時先生に言われたことが今でも母のキメゼリフ
「大腸は毛細血管も多いから力んだり、少しの傷でも下血したりするから心配しなくて良いよ。今回みたいに何かあってから来ても遅くないから大丈夫だよ。」
母は44歳の時、この先生に命を助けてもらった事を本当に感謝していてこの先生の事が大好きだ。
私が去年検査した方が良いと言った時もこの先生のセリフを使って下血もしてないのに行く必要ないわぁ。先生もなんかあってからで遅くないって言ってた・・・って言い続けていた。
医者と患者は信頼関係が一番。母が心から信頼出来た医者に出会えたことは当たり前じゃないしラッキーなことだと思う。
しかしこの先生はもういない。今度の先生も良い先生だったらと思いながら病院へ行った。

私も仕事を早退し検査について行った。
この日は検査だけだろうから先生の話はないと思っていたが一緒に行って良かった。
検査後、先生の話があったのだ。
先生は60代の副医院長。ちょっと鼻眼鏡が気になるが優しそうなドクター
しかし正直この鼻眼鏡で外科手術ができるのか

開口一番、開腹手術になります。入院は2~3週間。
今日とった細胞を検査に出さないとハッキリしたことは分からないですがまず大腸がんに間違いありませんね。
検査の結果は1週間後に出ますが、かなり大きいです。
おそらく前回手術した横行結腸と同じような所にまた出来ています。
というのがカメラからの所見だった。

大腸がんという診断に母も予想通りだったようだ。しかし大きいとはどの程度なのか気になった。
母が聞いた。先生、大きいとは5cm位あるんですか?
先生はあっさりそうですね。最低でも5cmはあると思いますって
正直その答えはショックだった。
そりゃ、貧血を2年放っていたんだから小さいはずはない。そうは思っていてもやはりショックだった。
血液は少なくなっていて今の状態で手術するとなったら輸血が必要だから今日から1週間造血剤を服用してもらいます
何で、そんなに血が少なくなってるのにこんなに元気なん?
基礎体力があるのか信じられなかった。

先生が手術にあたって他の検査もいろいろしてもらわないといけないから今日いろいろ予約して帰って下さいって。

母は月末月初は仕事が休めないから8月10日以降にして下さい。
ママ・・・どこまで仕事人間なん
そりゃ私も働いてるから分からないことはないよ。
でも、がんは命をとられるかもしれない病気なんだよ。私は心の中でそう言った
先生も苦笑いしながら気になることがあるんだったら仕事が一段落してからの検査にしましょうって・・・

ホント大丈夫


お墓参り

2008年07月20日 23時04分15秒 | 私のこと
7月20日(日)

予定通りお墓参りへ。淡路大橋綺麗だな。
お墓は淡路島。親戚はだれも住んでいないけど、ここには母の両親と母の兄夫婦が眠っている。
つまりは、私のおじいちゃん&おばあちゃん、おじ&おば
4人のうち3人はがんで命落としちゃった。
だからこそ、母のことをお願いしたかった。
特におじは私の父親代わり。母と同じ61歳で大腸がんになってなくなってしまった。

私が7歳の頃両親が離婚した。一人っ子のため母ひとり子ひとりの環境だった。
母33歳で離婚。今の私より2つ若い時だ。
専業主婦だった母は外に出て働き必死に私を育ててくれた。父親がいない分何倍もの愛情を注がれて大きくなったように思う。
姉妹のように仲が良すぎる分、親子げんかも派手だった。
私も一人っ子でわがままだから困らせたと思うわ。
33歳で離婚、44歳で大腸がん、49歳で阪神大震災で自宅全壊・・・
活字にするとなんか苦労してるよね。
でもとにかく明るくバイタリティーもすごい。見た目もかなり若い。
でも人間だから弱い部分もある。明るすぎて元気すぎる電話の声がかえって悲しく感じてしまった。
自分の体のことすっごく心配だと思う。

お墓で
いくらお母さんのことが大好きでも絶対に呼ばないで。
がん宣告はされていないけど、仮にがんであっても命は助けて下さいと心からお願いして帰った。

お墓掃除して汗びっしょりだったからお風呂道具持参していったので温泉に入って帰った。
気持ちよかった

素人知識

2008年07月19日 23時42分52秒 | 発病
母からそんな電話があった翌日胸騒ぎがおさまらなかった私はインターネットやら
同じように大腸がんの経験のある知人に聞いて調べまわった。
結果、がんの出来る箇所によって症状が違うらしい。
大腸がんの多くはS状結腸、直腸、この箇所は便もでにくくなったりするらしい。
しかし横行結腸、上行結腸は腸のなかでも水分が多く含まれる箇所でまだ便の形になっていないらしい。
よって便秘、下痢などの症状が出にくいらしい。
しかも大腸がんは進行すると腹痛、貧血などの症状があるらしい。
私は頭に石を投げ落とされた気分だった
人間、悪いように考え出すと歯止めが利かない。
とにかく明日は休み。淡路島のお墓へ行こうと思った。困った時のご先祖頼み

今思えば・・・

2008年07月19日 23時07分40秒 | 発病
電話を切ってから私は貧血と去年から何度か言っていた腹痛を思い出した。
2年前の健康診断で貧血があるみたいやねんって言ってた。
その時、かかりつけの内科に診断結果を持って行き相談したら
「気にする数値じゃないけど、気になるようやったら詳しい血液検査するか」と言われ母はフラフラするなどの自覚症状がなかった事と先生に気にするような数値じゃないと言われた言葉に安心してしまい検査をしなかった。
その後、栄養補助食品などで鉄分などを取り1年後の今年の健康診断では1項目改善していたわって喜んでいた。
腹痛も本人は食べ過ぎて消化不良になってるわ。
お母さんも元気やと思ってても、もう61歳やねんから、昔と同じように食べてたらアカンねんわ。
いやしんぼうやから気をつけなね~って言っていた。
消化剤のような薬を飲むと1日で治るらしい。そんな話を去年から2~3度聞いていた。
ちゃんと大きな病院で一回見てもらった方が良いよ。また大腸がんになってるかもしれへんで。っておどかすと母は下痢も下血もしてないし、毎日驚くくらいめっちゃ快便やし体重も減ってないし・・・等々言っていた。
17年前、大腸がんが見つかった時は1度だけ下血して病院へ行き発見できた。
その時の体重は今よりマイナス10kg。
母も私も大腸がんは下痢と便秘の繰り返し、または鉛筆くらいの太さの便しか出ない、血便や下血をするというのが症状だと思っていた。
しかし今回はあてはまっていなかった。
ただ検査したら肉眼では見えないけど便に血が混じっている。詳しい血液検査の数字もよくない。
母の自宅から30~40分位の所にあるR病院の紹介状書いてもらった。
7月22日病院へ行くらしい。

またかっ

2008年07月18日 22時00分08秒 | 発病
2008年7月18日(金)夜
母から1本の電話があった。
この前、暫くお腹が痛くて続いたから会社の近くの病院にいってきてん。
健康診断の結果に貧血も出てたから詳しい血の検査と検便検査してんけどね・・・
声は相変わらず明るい。
お腹切らなあかんかもしれへん。大きな病院で検査せなまだ分からんけどね。
私は一瞬にして凍りついた。
今から17年前、母44歳。私17歳。
母は大腸(横行結腸)がんで開腹手術をしている。しかしその後有難いことに転移も再発もなく手術後5年を経過して大きな病院とはサヨウナラ。
2年前、会社の健康診断で貧血を指摘された以外はいたって健康で明るい母。
開腹手術の言葉を聞いて、私は直感的にまたかっ、大腸やなって思った