計画は雨で2度流れて、
下見から一か月後、五月晴れの日に登攀本番を迎えられた
縦走路をはずれ東壁基部へ
登攀準備が整ったら、おもむろに1ピッチ目スタート
二人が立てる広さのテラス
確保支点は低木2本で作るとして、
ここでピッチを切った
1ピッチ 15m 支点6
2ピッチスタート
出だしはブッシュまじりの壁
赤子の腕ほどの灌木の幹に
長いスリングで支点を作って攀じあがると、
途端に傾斜が落ちて、
見覚えのあるシラベが視線の先に見えた
下見のときに懸垂下降支点に使った木だった
2ピッチ15m 支点3
約2時間で登攀終了した
眼下には
面河カールと面河本谷が堂々と広がる
黙ってうれしさにひたっていると
完登できた爽やかな気分がいっそう深まった
今日のルート上のリスには
古いハーケンが3枚打ち込まれていた
昭和のクライマーがこのラインを攀じあがったちがいない
数十年ぶりにこの壁を攀じる物好きが
いることを示すことができて、
なんだか嬉しかった
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