さて、先週発刊されました「オトナファミ」でいろいろ取り上げてみようというシリーズ。
オトナファミ特集 vol.1~PS3とWiiをもっと知るはコチラからどうぞ
さて、ホントはもっと気になっている点はあるわけですが、今回は映画の特集で「アニメ界は戦国時代! どっちが早い?駿超え!」とかいうタイトルで「ブレイブストーリー」と「ゲド戦記」が取り上げられていたのが気になったので紹介します。
さて、ジブリとの親密な関係にて長らくアニメ映画界のスポンサーとしては首位を築いていた日本テレビ。しかしその地位が揺らいでいる中、フジテレビが追い打ちをかけてきました。「踊る大捜査線」シリーズで映画界を大跳躍。その勢いに乗ってフジテレビはアニメ界にも手を出してきました!それが「ブレイブストーリー」です。
ポイントは…
・デジタル技術という武器を持つ新興勢力「GONZO」。「青の6号」以来、ハリウッドでの注目が自信になっている
・声優は本格女優&バラエティタレントの強力布陣
バラエティタレントが強力布陣かというとかなり怪しい気がしますが…w
しかしこのGONZOという勢力の技術の高さは信用できるかと。専門学校にて、ある雑誌に付録としてついていたブレイブストーリーの数分くらいの予告編を見ましたが、2Dと3Dの融合が見事!2Dだけ見るとジブリにはちょこっと劣るかもしれませんが、3Dの融合によって充分カバーされてる感じがしました。声優もまあまあ及第かな?ただウエンツ君のミツルが多少違和感あったような…w
私もせっかくなので見に行ってみようかな~と思ってましたが、何か呉ではすでに放映が終わってる気がww
さて一方の「ゲド戦記」は、宮崎駿監督の息子である宮崎吾郎氏が、父に反発してまで制作したといういわくつきの映画です。
この息子さん、本来はアニメとは無縁の生活を送っていたそうですが、なぜかいきなり長編アニメ監督デビュー。しかもこのゲド戦記は駿氏が20年間温め続けてきたという企画らしく、駿氏はこの企画に猛反対。しかし駿氏のプロデューサーを務めてきた鈴木氏は名作になるに違いないと、吾郎氏のほうを全面パックアップ。かくして、かつてのスタッフはもうすごい悪い言い方をすれば「駿監督を切り捨ててジブリの名声を取り戻す」ことをこの作品に望んだわけです。
ポイントは…
・駿氏を育てた名プロデューサーをはじめとするスタッフたちが引き継がれ、そのテイストはそのままに
・息子は父に反発せず、ジブリスタイルを踏襲(とうしゅう=受け継ぐ)
企画に関しては父に反発したものの、やはりここは親子。「ジブリらしさ」を変えるつもりはない、というのは非常に分かります。ビジュアルに関してもまあスタッフが変わってないので、ようするにまさに親子どちらが上か!?というのがまざまざと見えるわけです。ホントどうなるでしょうね、これから?
ちなみに公式サイトに行ってみましたが、曲が妙に不思議な感じがして惹きつけられましたね。公式サイトだけみると傑作を予感させられちゃいます。
ちなみにブレイブストーリーとの共通点は、どちらも原作が存在するということです。
血統で駿を超えようとする「ゲド戦記」に、技術で駿を超えようとする「ブレイブストーリー」。
じゃあ実際のところどうなのか?というのを、私や同級生、その他周りの人が絶大なる信頼を寄せている「前田有一の超映画批評」で見てみましょう。
前田有一氏は映画批評家で、まあそう聞くとたいての方が反発を抱くと思います。「評論しているヤツなんて当てになるか!」と。私もたいていの評論家はそう思っています。しかしこの人は実績がある上でこういう存在になっているので信用できます。言うならば、ゲームを作ったことのある人間が批評するほうが、作ったことのない人間が批評するより物事をしっかり捉えられた批評になることは言うまでもありませんよね?それと同じことです。そしてまあこの人の評価の当たること当たること。制作に携わってるんじゃないか?というほどですw
名作だろうがなんだろうが構わず斬りまくります。最近ではデスノートやら着信アリやら日本沈没やらバッサバッサ斬ってます。もちろんいいものはいいと言います。
さて、そんな前田有一氏はブレイブストーリーとゲド戦記にどんな批評をしているか?怖いけど見てみたいと思います。ちなみに分かりやすく100点満点でも評価を表しています。
…あ、一応念のため。いかに信用できるとは言え、所詮は赤の他人がおっしゃっていること。なので全てを鵜呑みにせず参考程度に扱ってください。また、このひとは何でも遠慮なく斬る人なので、下手したら気分を害されるかも知れないのでご了承くださいです。
一応見たくないという人がいたらいけないので隠しておきます。見たい人だけドラッグしてご覧あれ。
さて、まずはブレイブストーリー。
(↓ここからは見たい人だけドラッグ↓)
前田氏の点数は60点。中の上くらいですね。厳しい~。
批評タイトル「悪くはないが、ピクサー作品と同時期公開ではきつい」
同時期公開されるピクサー作品は「カーズ」。ちなみに前田氏はカーズに90点の高評価を与えています。宮崎駿氏も絶賛しているそうです。
「長編アニメーション映画『ブレイブ ストーリー』には、妙な悲壮感を感じてしまう。この作品の周りには「とにかくヒットしたい、勝ちたい、負けられない、なんとしても、なんとしても!」という空気が漂っている気がするのだ。思うに制作会社のGONZOやフジテレビの頭の中には、常にディズニー&ピクサーや、ジブリ&日本テレビといった、業界の勝ち組たちの姿があったのではないか。」
しょっぱなからけっこう斬ってます、つまり「勝ちたい」という意欲が作品にヘンに表れすぎているということみたいですね。
「日本には世界に誇る声優文化があるのに、わざわざ彼ら(前出の勝ち組)のまねっこのようなオールスターキャストを採用(無論、演技力やキャラクターとの整合性は、専門の声優に比べ大きく劣る)とはこれいかに。また、原作が超一流のミステリ作家、宮部みゆきながら、その個性を消し去るような無難な脚本化もどうしたものか。しかも中途半端だから、真相の生々しさが目立ち、後味も少々よくない。
『ブレイブ・ストーリー』は、作り方が万事「勝ち組を研究して成功の秘訣を盗め」的、あるいは「無難に、万人むけに」という発想である。これは到底、後発のチャレンジャーの考え方ではない。多少の失敗を覚悟しても、自分たちの武器、長所をよどみなく伸ばすという、本来やるべきことをやっていない。」
やはりバラエティタレントの起用を批判してますね。確かに思うのが、声優は「声」が全て。有名人がやったから何なんだ?と。最近のゲームでも私はそれを強く強く感じています。
また後半の記述では、分かりやすくいうならブレイブストーリーには他と比べて「飛びぬけた特長がない。無難な出来で着実に勝ちをもぎ取ろう」的な感じがするということだと思います。ゲームに限らず作品には必ずウリというものが存在し、それが合う合わないはもはや人それぞれ。それでも特徴ある何かを築き上げてこそ1つの作品としての価値があるのに、ブレイブストーリーはそこが弱いということだと思うんです。まあ見た感じ確かにオーソドックスなRPGを描いているという感じですもんね。
「制作会社のゴンゾは、デジタルアニメーションのパイオニアで、この分野においては高い技術力を持っているが、それを生かした題材選び、ストーリー作り、そして演出方法の研究が足りない。本作にしても、巨大な敵が異様な動きを見せる、デジタルアニメならではのスペクタクルシーンがいくつかあるが、その出来自体はかなりのものなのに、映画全体を揺るがすほどの重要なインパクトとして位置付けられていない。これは実にもったいない。」
私は曲がりなりにもコンピュータグラフィックの勉強をしてきたので、小さいところの技術でもすごいとかいうのが分かりますが、一般の人はそうではありません。いうなれば「映像の面においても一般客に大きなインパクトを残すだけのものがあまりない」ということだと思います。
最後に前田氏は、
「中途半端に万人むけに、子供向けにアレンジしたため、結局どっちつかずの平凡な作品になってしまったのは、原作ファンとしても悔しいところだろう。
ただしそれでも、アニメ自体は平均以上であるし、それなりに感動も得られる出来ではある。ただ、残念ながら大人同士で見に行くほどのものではない。GONZOには、彼らでなければ出来ない、世界のどこにも似たものがない、個性的な次回作を期待したい。」
と締めています。家族でワクワクしながら見に行く価値はありますが、ファンタジーの世界となるとやはりどうしても子供向けという意識が強いです。ゆえに全ての人にオススメできるというわけではない、ということですね。でも作品としては平均以上をいってるとのことなので、気になる人は見に行っても損はないと思いますよ。というか行きたいw
(↑ここまで↑)
さて続いてゲド戦記の批評です。
(↓ここからは見たい人だけドラッグ↓)
前田氏の評価は35点。マジですか?
批評タイトル「これまでのジブリの短所を引き継ぎ、かつ長所を捨てた」
タイトルですでに斬ってますね。
「『ゲド戦記』は、試写会などを見た人々から、早くもブーイングの嵐が巻き起こっている。確かに、あまり良い出来の映画ではないが、正直なところ、これに限らず最近のジブリ作品に傑作は無いので、私としては「まあ、こんなものだろう」という気持ちである。長年のファンにとっては、今のジブリは『天空の城ラピュタ』あたりまでの(宮崎駿作品の好評による)貯金を食いつぶしているようなもので、最初からあまり期待はしていないのだ。」
ボロクソ言ってますね。期待していないとか。
「では、アニメ『ゲド戦記』は何がいけないのか。大雑把に言ってしまえば、「監督の頭の中だけで話が展開している」という事があげられよう。
アレンが父親を刺すにいたる過程、彼がなぜか大事に持つ剣、魔法がかかったその剣が初めて抜ける意味、龍の存在意義、テルーの正体、そういった、見るからに重要そうな出来事に、何一つまともに回答を提示していないのがその証拠。」
この原因を前田氏は「映画製作の経験不足」と言っています。非常に納得です。もともとはアニメと無縁だった人物がいきなり監督ですから、当然映画に対する経験というのは少ないとは思います。なんとも致し方ないところでしょうかね。
さらにジブリアニメの欠点といえる声優の面が解消されていないことも指摘していました。
「また『ゲド戦記』は、ジブリ作品最大の長所といっても過言ではない背景美術について、これまでとは違う試みを行うという、ハイリスクを犯している。それは、この映画の美術をクロード・ロラン風に描くというもの。クロード・ロランはフランス古典絵画の画家だが、この試みがまた、あまり成功したとは思えない。観客の中には、「いつもより絵柄が粗っぽい気がする」と、マイナスに感じてしまう人も多かろう。
それでも宮崎駿の映画ならば、どんなにつまらぬ作品の中にも必ずいくつかは、こちらをハッとさせる凄いショットがあるのだが、宮崎吾朗監督『ゲド戦記』にはそれもない。」
ここがいわゆる「父と違うウリを作りたかった」という心の表れではないかと思いますが、それが仇となっているご様子ですね。
「結局のところ、『ゲド戦記』は、ただでさえ未熟な出来の上に、これまでのジブリの短所を引き継ぎ、しかもあろうことか、これまでもっていた長所まで失うという、どうしようもない事をやっている。それでも、総合的に見れば(相変わらず)きわめて作画の品質が高いため、駄作とまではいえないが、多大な期待をするのはよしたほうが良いとアドバイスしておきたい。」
これを見てゲド戦記を見る気が失せた人はゴメンナサイorz
しかし少なくとも「父を超えられず」という感じではあるみたいです。
ちなみに前田氏は「ハウルの動く城」を40点と評価しています。厳しい。
(↑ここまで↑)
えー以上、久々の超ボリュームで見るのも疲れたと思いますが、どうでしたか?批評を見て映画を見る気が失せた人はゴメンナサイorz
ホントに参考程度にしてくださいね。
もし他の映画の批評が気になる人は公式サイトへ行ってみましょう。
余談ですが、今週の水曜日にフジテレビで放送(地域によって違うかもしれません)の「バイキング」というスペシャル番組があります。知っている人は知っていると思いますが、かつて「筋肉番付」という番組で生まれた「SASUKE」という競技…といったらいいのかな?まあこれとほぼ一緒です。
で、すでに「バイキングスペシャル 真夏のブレイブストーリー」というキャッチコピーを作ってます。ブレイブストーリーって言ったって分からない人は分からないですww
まあテレビ関係ってこう幅がきくのが強いですよね。そのうちMMORPGになったりして(できなくもないだけに怖いww
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さて、ホントはもっと気になっている点はあるわけですが、今回は映画の特集で「アニメ界は戦国時代! どっちが早い?駿超え!」とかいうタイトルで「ブレイブストーリー」と「ゲド戦記」が取り上げられていたのが気になったので紹介します。
さて、ジブリとの親密な関係にて長らくアニメ映画界のスポンサーとしては首位を築いていた日本テレビ。しかしその地位が揺らいでいる中、フジテレビが追い打ちをかけてきました。「踊る大捜査線」シリーズで映画界を大跳躍。その勢いに乗ってフジテレビはアニメ界にも手を出してきました!それが「ブレイブストーリー」です。
ポイントは…
・デジタル技術という武器を持つ新興勢力「GONZO」。「青の6号」以来、ハリウッドでの注目が自信になっている
・声優は本格女優&バラエティタレントの強力布陣
バラエティタレントが強力布陣かというとかなり怪しい気がしますが…w
しかしこのGONZOという勢力の技術の高さは信用できるかと。専門学校にて、ある雑誌に付録としてついていたブレイブストーリーの数分くらいの予告編を見ましたが、2Dと3Dの融合が見事!2Dだけ見るとジブリにはちょこっと劣るかもしれませんが、3Dの融合によって充分カバーされてる感じがしました。声優もまあまあ及第かな?ただウエンツ君のミツルが多少違和感あったような…w
私もせっかくなので見に行ってみようかな~と思ってましたが、何か呉ではすでに放映が終わってる気がww
さて一方の「ゲド戦記」は、宮崎駿監督の息子である宮崎吾郎氏が、父に反発してまで制作したといういわくつきの映画です。
この息子さん、本来はアニメとは無縁の生活を送っていたそうですが、なぜかいきなり長編アニメ監督デビュー。しかもこのゲド戦記は駿氏が20年間温め続けてきたという企画らしく、駿氏はこの企画に猛反対。しかし駿氏のプロデューサーを務めてきた鈴木氏は名作になるに違いないと、吾郎氏のほうを全面パックアップ。かくして、かつてのスタッフはもうすごい悪い言い方をすれば「駿監督を切り捨ててジブリの名声を取り戻す」ことをこの作品に望んだわけです。
ポイントは…
・駿氏を育てた名プロデューサーをはじめとするスタッフたちが引き継がれ、そのテイストはそのままに
・息子は父に反発せず、ジブリスタイルを踏襲(とうしゅう=受け継ぐ)
企画に関しては父に反発したものの、やはりここは親子。「ジブリらしさ」を変えるつもりはない、というのは非常に分かります。ビジュアルに関してもまあスタッフが変わってないので、ようするにまさに親子どちらが上か!?というのがまざまざと見えるわけです。ホントどうなるでしょうね、これから?
ちなみに公式サイトに行ってみましたが、曲が妙に不思議な感じがして惹きつけられましたね。公式サイトだけみると傑作を予感させられちゃいます。
ちなみにブレイブストーリーとの共通点は、どちらも原作が存在するということです。
血統で駿を超えようとする「ゲド戦記」に、技術で駿を超えようとする「ブレイブストーリー」。
じゃあ実際のところどうなのか?というのを、私や同級生、その他周りの人が絶大なる信頼を寄せている「前田有一の超映画批評」で見てみましょう。
前田有一氏は映画批評家で、まあそう聞くとたいての方が反発を抱くと思います。「評論しているヤツなんて当てになるか!」と。私もたいていの評論家はそう思っています。しかしこの人は実績がある上でこういう存在になっているので信用できます。言うならば、ゲームを作ったことのある人間が批評するほうが、作ったことのない人間が批評するより物事をしっかり捉えられた批評になることは言うまでもありませんよね?それと同じことです。そしてまあこの人の評価の当たること当たること。制作に携わってるんじゃないか?というほどですw
名作だろうがなんだろうが構わず斬りまくります。最近ではデスノートやら着信アリやら日本沈没やらバッサバッサ斬ってます。もちろんいいものはいいと言います。
さて、そんな前田有一氏はブレイブストーリーとゲド戦記にどんな批評をしているか?怖いけど見てみたいと思います。ちなみに分かりやすく100点満点でも評価を表しています。
…あ、一応念のため。いかに信用できるとは言え、所詮は赤の他人がおっしゃっていること。なので全てを鵜呑みにせず参考程度に扱ってください。また、このひとは何でも遠慮なく斬る人なので、下手したら気分を害されるかも知れないのでご了承くださいです。
一応見たくないという人がいたらいけないので隠しておきます。見たい人だけドラッグしてご覧あれ。
さて、まずはブレイブストーリー。
(↓ここからは見たい人だけドラッグ↓)
前田氏の点数は60点。中の上くらいですね。厳しい~。
批評タイトル「悪くはないが、ピクサー作品と同時期公開ではきつい」
同時期公開されるピクサー作品は「カーズ」。ちなみに前田氏はカーズに90点の高評価を与えています。宮崎駿氏も絶賛しているそうです。
「長編アニメーション映画『ブレイブ ストーリー』には、妙な悲壮感を感じてしまう。この作品の周りには「とにかくヒットしたい、勝ちたい、負けられない、なんとしても、なんとしても!」という空気が漂っている気がするのだ。思うに制作会社のGONZOやフジテレビの頭の中には、常にディズニー&ピクサーや、ジブリ&日本テレビといった、業界の勝ち組たちの姿があったのではないか。」
しょっぱなからけっこう斬ってます、つまり「勝ちたい」という意欲が作品にヘンに表れすぎているということみたいですね。
「日本には世界に誇る声優文化があるのに、わざわざ彼ら(前出の勝ち組)のまねっこのようなオールスターキャストを採用(無論、演技力やキャラクターとの整合性は、専門の声優に比べ大きく劣る)とはこれいかに。また、原作が超一流のミステリ作家、宮部みゆきながら、その個性を消し去るような無難な脚本化もどうしたものか。しかも中途半端だから、真相の生々しさが目立ち、後味も少々よくない。
『ブレイブ・ストーリー』は、作り方が万事「勝ち組を研究して成功の秘訣を盗め」的、あるいは「無難に、万人むけに」という発想である。これは到底、後発のチャレンジャーの考え方ではない。多少の失敗を覚悟しても、自分たちの武器、長所をよどみなく伸ばすという、本来やるべきことをやっていない。」
やはりバラエティタレントの起用を批判してますね。確かに思うのが、声優は「声」が全て。有名人がやったから何なんだ?と。最近のゲームでも私はそれを強く強く感じています。
また後半の記述では、分かりやすくいうならブレイブストーリーには他と比べて「飛びぬけた特長がない。無難な出来で着実に勝ちをもぎ取ろう」的な感じがするということだと思います。ゲームに限らず作品には必ずウリというものが存在し、それが合う合わないはもはや人それぞれ。それでも特徴ある何かを築き上げてこそ1つの作品としての価値があるのに、ブレイブストーリーはそこが弱いということだと思うんです。まあ見た感じ確かにオーソドックスなRPGを描いているという感じですもんね。
「制作会社のゴンゾは、デジタルアニメーションのパイオニアで、この分野においては高い技術力を持っているが、それを生かした題材選び、ストーリー作り、そして演出方法の研究が足りない。本作にしても、巨大な敵が異様な動きを見せる、デジタルアニメならではのスペクタクルシーンがいくつかあるが、その出来自体はかなりのものなのに、映画全体を揺るがすほどの重要なインパクトとして位置付けられていない。これは実にもったいない。」
私は曲がりなりにもコンピュータグラフィックの勉強をしてきたので、小さいところの技術でもすごいとかいうのが分かりますが、一般の人はそうではありません。いうなれば「映像の面においても一般客に大きなインパクトを残すだけのものがあまりない」ということだと思います。
最後に前田氏は、
「中途半端に万人むけに、子供向けにアレンジしたため、結局どっちつかずの平凡な作品になってしまったのは、原作ファンとしても悔しいところだろう。
ただしそれでも、アニメ自体は平均以上であるし、それなりに感動も得られる出来ではある。ただ、残念ながら大人同士で見に行くほどのものではない。GONZOには、彼らでなければ出来ない、世界のどこにも似たものがない、個性的な次回作を期待したい。」
と締めています。家族でワクワクしながら見に行く価値はありますが、ファンタジーの世界となるとやはりどうしても子供向けという意識が強いです。ゆえに全ての人にオススメできるというわけではない、ということですね。でも作品としては平均以上をいってるとのことなので、気になる人は見に行っても損はないと思いますよ。というか行きたいw
(↑ここまで↑)
さて続いてゲド戦記の批評です。
(↓ここからは見たい人だけドラッグ↓)
前田氏の評価は35点。マジですか?
批評タイトル「これまでのジブリの短所を引き継ぎ、かつ長所を捨てた」
タイトルですでに斬ってますね。
「『ゲド戦記』は、試写会などを見た人々から、早くもブーイングの嵐が巻き起こっている。確かに、あまり良い出来の映画ではないが、正直なところ、これに限らず最近のジブリ作品に傑作は無いので、私としては「まあ、こんなものだろう」という気持ちである。長年のファンにとっては、今のジブリは『天空の城ラピュタ』あたりまでの(宮崎駿作品の好評による)貯金を食いつぶしているようなもので、最初からあまり期待はしていないのだ。」
ボロクソ言ってますね。期待していないとか。
「では、アニメ『ゲド戦記』は何がいけないのか。大雑把に言ってしまえば、「監督の頭の中だけで話が展開している」という事があげられよう。
アレンが父親を刺すにいたる過程、彼がなぜか大事に持つ剣、魔法がかかったその剣が初めて抜ける意味、龍の存在意義、テルーの正体、そういった、見るからに重要そうな出来事に、何一つまともに回答を提示していないのがその証拠。」
この原因を前田氏は「映画製作の経験不足」と言っています。非常に納得です。もともとはアニメと無縁だった人物がいきなり監督ですから、当然映画に対する経験というのは少ないとは思います。なんとも致し方ないところでしょうかね。
さらにジブリアニメの欠点といえる声優の面が解消されていないことも指摘していました。
「また『ゲド戦記』は、ジブリ作品最大の長所といっても過言ではない背景美術について、これまでとは違う試みを行うという、ハイリスクを犯している。それは、この映画の美術をクロード・ロラン風に描くというもの。クロード・ロランはフランス古典絵画の画家だが、この試みがまた、あまり成功したとは思えない。観客の中には、「いつもより絵柄が粗っぽい気がする」と、マイナスに感じてしまう人も多かろう。
それでも宮崎駿の映画ならば、どんなにつまらぬ作品の中にも必ずいくつかは、こちらをハッとさせる凄いショットがあるのだが、宮崎吾朗監督『ゲド戦記』にはそれもない。」
ここがいわゆる「父と違うウリを作りたかった」という心の表れではないかと思いますが、それが仇となっているご様子ですね。
「結局のところ、『ゲド戦記』は、ただでさえ未熟な出来の上に、これまでのジブリの短所を引き継ぎ、しかもあろうことか、これまでもっていた長所まで失うという、どうしようもない事をやっている。それでも、総合的に見れば(相変わらず)きわめて作画の品質が高いため、駄作とまではいえないが、多大な期待をするのはよしたほうが良いとアドバイスしておきたい。」
これを見てゲド戦記を見る気が失せた人はゴメンナサイorz
しかし少なくとも「父を超えられず」という感じではあるみたいです。
ちなみに前田氏は「ハウルの動く城」を40点と評価しています。厳しい。
(↑ここまで↑)
えー以上、久々の超ボリュームで見るのも疲れたと思いますが、どうでしたか?批評を見て映画を見る気が失せた人はゴメンナサイorz
ホントに参考程度にしてくださいね。
もし他の映画の批評が気になる人は公式サイトへ行ってみましょう。
余談ですが、今週の水曜日にフジテレビで放送(地域によって違うかもしれません)の「バイキング」というスペシャル番組があります。知っている人は知っていると思いますが、かつて「筋肉番付」という番組で生まれた「SASUKE」という競技…といったらいいのかな?まあこれとほぼ一緒です。
で、すでに「バイキングスペシャル 真夏のブレイブストーリー」というキャッチコピーを作ってます。ブレイブストーリーって言ったって分からない人は分からないですww
まあテレビ関係ってこう幅がきくのが強いですよね。そのうちMMORPGになったりして(できなくもないだけに怖いww
ゲド戦記のほうは非常に残念と言うか何と言うか、予告を見るだけでは結構期待もしていたんですが。。。
もともと息子が初監督って言われても、アニメーターなどをやっていたわけでもないでしょうし(何をしてる人でしたっけ?)更に長編ともなると経験の無い状態で作るのは普通はまず失敗するでしょうから。そこら辺の不安を見事に払いのけてくれないものかと内心祈ってたりもしていたんですが、残念です。
そうなるとジブリは次回作を作るとしたらどうするんでしょう?いつまでも宮崎駿監督と言うわけにもいかないし、このまま低迷しなければいいんですが。
何かこの手の長編アニメは俳優使うのが当たり前なのかはわかりませんが、わざわざお世辞にも上手と言えないような人を使う必要があるのか私にはわかりませんね。棒読み俳優よりもそのキャラを演じきれる声優の方がいいと思うんですが。そう思うと同じ演じるといっても俳優と声優は違うんですね。
でも一般人にはキャラを完全に演じ切ってくれる声よりもタレントがもつ人気方が優先的に上にくるんでしょうか?
息子さんはゲド戦記の公式サイトを見る限りでは、ジブリ美術館の総合デザイン兼館長をなさってるそうで、絵コンテを書いたりなどデザインに提供はあったみたいですが、まあいうなればグラフィッカーとプランナーがゼンゼン違う能力が必要なように、デザイナーと監督(ディレクター)って…ね。
俳優>>
いや、上手ければいいんですが、そうじゃなかったら話にならないでしょ?名前が有名だけど肝心の声があまり合わないって、結局は名前で売ってることになります。某有名作のように(いろいろ当てはまるw