セグメントゲームズ

元ゲームプランナーという、しがない肩書きだけが取り柄のゲームブログ。生ラジオの告知が中心で、たまにテキスト対談を更新中!

PS1アーカイブス『マリーのアトリエ プラス』 インプレッション

2013年06月04日 16時33分44秒 | 【旧】購入・レビュー話
ゲームアーカイブスのインプレッション記事って、何気に初めてだったりします。




マリーのアトリエ プラス ~ザールブルグの錬金術士~
対応ゲーム機 ―→ PS3・PSP・PS Vita(ダウンロード専用タイトル・ゲームアーカイブス)
配信開始日 ―→ 2007/12/26
希望小売価格 ―→ 600円(税込)
ジャンル ―→ RPG
プレイ人数 ―→ 1人
CERO ―→ A(全年齢対象)

原作の対応ゲーム機 ―→ 初代プレイステーション
原作の発売日 ―→ 1998/06/04
原作の価格 ―→ 3,800円(税抜)




■====== 簡単なご紹介 ======■

探索や戦闘がメインではなく、調合がメインのRPG『アトリエ』シリーズ。そのシリーズ1作目です。
厳密には、シリーズ1作目が1997年に発売。そのパワーアップ版がセガサターンで発売された後、翌年にプレイステーションでも、パワーアップ版である今作が発売されたという流れです。
元々の1作目と比べて、新しいイベントやエンディングが追加されています。

◆== あらすじ ==◆
舞台は「ザールブルグ」という都市。王立魔術学校「アカデミー」の生徒であるマリーは、アカデミー過去最悪の成績を残してしまうほどの劣等性。そこでイングリド先生はマリーに、卒業のために試験を課することになります。
それは「5年間、錬金術の店を経営しながら勉強をして、その間に何か1つでもいいので高レベルのアイテムを作成する」というものでした。はてさて、5年後に待ち受けるマリーの運命はいかに…?


あらすじの通りですが、今作は(ゲーム内時間の)5年間アトリエを経営し、その結果によってエンディングが決まるという流れです。
高レベルのアイテムを作ることだけが条件ではないので、普通じゃないエンディングを見たいなら色々と試してみましょう。

◆== 調合と知識本 ==◆
とはいえ、高レベルのアイテムを作るといっても、いきなり作れるハズもありません。じゃあどうすればいいか?というと…本を読んで、知識のパラメータを高めていきます。
アカデミーでは、様々な方法で知識本を読むことができます。読むことで、新たなアイテムやアイテムの調合方法を知ることができるほか、「知識」のパラメータが上がります。「知識」は他の手段でも上がっていき、上がるほどに調合の成功率も上がります。
ただし、調合を繰り返していると「疲労」のパラメータが溜まっていき、調合の成功率が下がります。「休む」コマンドで休んだり、気分転換に町の外へ出るといいでしょう。

◆== 酒屋で依頼 ==◆
参考本や調合に必要な道具などを買うには、お金がいるわけです。そのお金はどうやって稼ぐか?というと…酒屋に行って、依頼を受けます。
「○○を△個集めてくる」という依頼が出ているので、自分の出来そうな依頼があったら受けてみましょう。そのアイテムを渡すことで、依頼完了。お金がもらえるほか「名声」というパラメータが上がっていき、新たなイベントが発生していくようになります。依頼は、町の人からお願いされることもありますよ。
ただし、依頼には期限があり、少しくらいは過ぎても大丈夫ですが報酬は減ります。長期間過ぎてしまったり、キャンセルをしたりすると、名声が下がっちゃいます。

◆== 冒険者を雇う ==◆
依頼の達成や調合に必要なアイテムは、町の外に出れば採取できますが、外は敵がウジャウジャ。マリー1人では自殺行為です。ではどうするか?というと…各所にいる冒険者を雇うことが必要です。
冒険者は2人まで雇うことができます。一緒に町の外に出てくれて、戦闘では心強い味方ですが、外に出るたびにお金の支払いが必要になります。基本パラメータが高い冒険者ほど額が大きいですが、一緒に冒険を続けて「友好度」のパラメータが上がってくると、額が小さくなっていきます。仲良くなった冒険者から依頼が来ることもありますよ。

◆== 町の外での行動 ==◆
外に出る前に、行く場所を決定します。場所によって、往復にかかる時間が変わります。
行く場所を決定すると、目的地までは自動で移動しますが、途中で戦闘が発生することがあります。ごくシンプルなコマンド戦闘ですが、敵味方それぞれに3×3マスの戦闘フィールドがあり、隊列によって与えるダメージや受けるダメージが異なってきます。基本、マリーは弱いので後列に下げて、冒険者を前に出すようにしましょう。
目的地に付いたら、その場所に応じたアイテムがランダムで手に入ります。その後、もう1日いるか?もう帰るか?を選択します。いればいるほどたくさん採取できますが、一定確率で戦闘が発生します。欲張りすぎは、禁物かも?

◆== 妖精について ==◆
しばらくすると、とある方法で”妖精”を雇うことができます。
妖精ができるのは、町の外への採取と、特定のアイテムの調合です。月の初めに支払いが必要ですが、支払いの額が高いほどよく働いてくれます。失敗することもありますが(苦笑)
わりとたくさん雇うこともできるようですが、当然、お金が払えなくなると帰っちゃいますよ。


ま、こんな感じで「調合」「依頼」「採取」「本を読む」といった行動をして、マリーはどんどん賢く強くなっていきます。
ちなみに、日数が経過するタイミングは、以下の通り。
 └→ マリーの工房に移動した時(1日経過)
 └→ 町の外に出たとき(かかる日数は、行く場所によって異なります)
 └→ 調合をした時(かかる日数は、作るアイテムの種類や数によって決定)
 └→ 「休む」コマンドで休んだ時



■====== partygameの評価 ======■

=良い  =まあまあ or ちょっと気になる  ×=悪い

◆=== 参考データ ===◆

 購入した対応機種 ―→ PSP(プレイステーション・ポータブル)
 プレイ内容 ―→ 3種類のエンディングを見ました(普通のエンディング・バットエンディング・そこそこ良いエンディング)
 エンディングまでにかかったプレイ時間の目安 ―→ ●○○○○
  ●○○○○ = 10時間未満
  ●●○○○ = 10~20時間
  ●●●○○ = 20~30時間
  ●●●●○ = 30~50時間
  ●●●●● = 50時間以上


○ ―→ 要領が分かってくると、面白くなってきます。
最初は言われるがままに進めていって、ちょっと”おっかなびっくり”な感じで少しずつ進めていましたが、全体の流れとかコツとかがつかめてくると、じわじわと面白くなってきますね。地味ですけど(笑)
この、コツコツプレイで地味な感じは個人的に、DSやWiiで遊んだ『サバイバルキッズ』を思い出させるところがあります。凄く地味で、考えようによっては面倒なんだけど、だからこそ新しい展開や調合が出てきたりすると嬉しくなります。

○ ―→ 全体的に、テンポが良いです。
まどろっこしい演出は一切なし。慣れてくれば、定型文をすっ飛ばしてサクサク進められます。エンディングが複数あるので、周回プレイ前提ということなのかな~と思いました。
1つだけ、とあるイベントで過剰演出がありましたが、あえてそこだけ過剰演出なのが、逆に良かったです。イベント内容もおかしいですし。

○ ―→ 一方で、ボイスが豊富なのもGOOD。
ボタン連打でサクサク進めることもできますが、ボタン連打を止めてみれば、大抵のセリフでボイスが流れます。一般市民のちょっとした会話にもボイスが入っているので、ちょっと聞きたくなりますね。

△ ―→ 依頼の内容は、単調なものばかり。
「○○というアイテムを△個」という依頼ばかりで、しかも大体似たようなものばかりです。逆にいえば、それを予測して作り溜めしておけば、依頼をすぐにこなせて、お金がザクザク。名声もザクザクって感じです。
よく利用するだけに、もうちょっとひねりが欲しかったですね。

△ ―→ ゲームバランスは、全体的にちょっと大味かな?
敵の強さにけっこう差があり、序盤は、近辺で出てくる盗賊団にけっこう苦労すると思います。少し余裕が出てきたからといって遠くに出れば、あっという間に全滅。とはいえ、たいしたペナルティは無いので、ガンガン挑戦するのも手かもしれません。
かと思えば、マリーはとある条件+とある武器を装備すると、べらぼうに強くなります。普通に進めていたら、大抵の人は満たせる条件です。打たれ弱いので、それでも仲間は必要ですが、敵が一度に何匹出ても一掃できるくらいの攻撃力になります。ちょっと極端すぎやしないかな~?

他に思ったのは、ある程度進んでくると「疲労」や「MP」の回復が容易になること。
 1.調合を繰り返すと疲労がたまる
 └→ 2.疲労を回復できる「祝福のワイン(アカデミーで買える)」をガブ飲み
 └→ 3.調合やアイテムの使用にはMPが必要で、こちらもいずれ尽きてくる
 └→ 4.MP回復できる「ミスティカ(簡単に採取できる)」を大量に使用
 └→ 5.引き続き調合
なんか結局、この繰り返しに落ち着いちゃうんですよね。「休む」コマンドが必要なし。しかも妖精に採取を任せれば、なお安泰。そうなってくると、さすがに作業ゲーム過ぎる気がしました。

△ ―→ まれに発生するミニゲームが、わりと難しいです。
とあるリンゴを取ろうとすると、ボタン連打+ジャンプで近づかないといけないミニゲームが始まったり、チーズを作成したらネズミに奪われたので、ネズミを捕まえるミニゲームが始まったり。全部で6種類あるようですね。
分かりやすいルールですが、どれもなんか”イヤらしい難しさ”を感じました。全体的にサクサク進むなかで、これがアクセントだと感じられるのならいいんですが…個人的には、ちょっと面倒に感じちゃったかな。

△ ―→ もう少し、人物関係を表現して欲しかった気がします。
冒険者によっては意味深なイベントが発生することもありますが、基本は、仲良くなっても何か依頼をお願いされるくらいのもので、そこまで特別なイベントが起きたり、ましてや恋愛に発生することなんてありません。
サクサクプレイにまどろっこしい人物関係はいらない!ということかもしれませんが、やっぱり少々物足りないかな。以降の『アトリエ』シリーズでは、そういったイベントも発生するとかどうとか。

△ ―→ ボス戦とかエンディングも、全体的にあっさり味な演出。
さっきの「まどろっこしい演出が一切なし」という感想にも通ずる話ですが、ボスを倒しても特にこれといった事後がないですし、エンディングも、イングリド先生から報告を聞いて、親友である「シア」という女性と会話があって、エンディングって感じでした。
エンディングはまだしも、ボス倒した後くらいは少し余韻に浸らせて欲しいです。それこそ、けっこう強かったのに…。

△ ―→ RPGとしてみれば、クリアまでにかかる時間はけっこう短め。
これも、周回プレイ推奨だからこそでしょうか?
まあ、エンディングは全部で7種類あるそうなので、是非、全エンディングを目指してみるといいでしょう。そうしたら、けっこう長いこと楽しめると思いますよ。



■====== 得点とまとめ ======■
●●●●●●●○○○ … 7点(10点満点)


シンプルながら独自性もあり、まったりじっくりハマっていくRPGです。
個人的にはRPGというより、アドベンチャー寄りな気がしました。調合メインのアドベンチャーに、RPGのような戦闘の要素が入っているという感じかな。従来のRPGのような壮大なストーリーは無いですが、マリーを中心としたほのぼのな雰囲気の物語で、のんびり楽しめるような印象でした。

「コツコツ地味ゲー」という前提があるので、そこでまず好き嫌いはハッキリ分かれるでしょう。そこで、そういうタイプのゲームが好きだと思えるのなら、比較的どなたでも楽しんでもらえるように思います。
システムも、シンプル。シンプルすぎて物足りなく感じる人もいるかもしれませんが、逆に最近の『アトリエ』シリーズは表現力も要素も増えてきて、故に、私みたいにどのシリーズ作品から手をだしていいやら分からない~ってなっている人も多い気がするので、迷っているなら、基本中の基本である今作から遊んでみるのが一番無難かもしれません。
調合で色々なアイテムを作ってみるも良し。依頼などでお金をこれでもかと稼ぐも良し。ひたすら冒険で強敵に立ち向かっていくも良し。妖精に任せっきりでのんびり休んでも良し。思うままの5年間を、過ごしてみてください。


初めて『アトリエ』シリーズをプレイしてみましたが、個人的にはけっこう合っているかも?って感じです。
ボリュームの面やシンプルな構成など、いかにも昔っぽい感じがするところはありますが、古臭くは無いかな。まあ、以降のシリーズが全く同じシステムだとは思っていませんが、少なくとも調合がメインであることは変わりないでしょう。プレイする前は「調合」という要素に何となく難しそうな印象を持っていましたが、プレイしてみたら意外とそうでも無かったという感じでした。もちろん、最高レベルのアイテムとかは難しいですが。

ま、この歳になってまた1つ、面白いシリーズに触れることができたのは良かったです。今後、続編なりPS3版なり手が出せそうなら、出してみようかな~。
と言いつつ、実はすでに”次”に手を出しているんですが…ま、その話は別の機会で。

万人向け ← ○○●○○○○○○○ → 熟練者向け
手軽に ← ○○●○○○○○○○ → じっくり
思考タイプ ← ○●○○○○○○○○ → 感覚タイプ
 爽快感重視 ← ○○○○○○○○○● → 達成感重視 


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