PACEの風(パーチェの風)

ギタリスト・民族楽器奏者の丸山祐一郎氏の旅日記を紹介します。

命の言葉、心のローソク

2009-11-10 10:51:59 | 旅日記
宮ぷーから、元気をもらったよ。
ギターを何曲か弾き、最後にテネシーワルツを演奏すると、この曲が聞きたかったんだよと言わんばかりに、加津子さんと宮ぷーは、大きくうなづいた。僕は全く覚えてなかったのだが、何年か前のクリスマスの夜、彼にこの曲をプレゼントしたらしい?彼は、ずーっとこの曲を聞きたかったのだ。
ギターの音が気持ちよく狭い病室を飛び回り、宮ぷーは、大きく開いた左の瞳の奥でかすかに笑った…
「宮ぷー、今一番お気に入りの飯島さんからもらった鳥を飛ばすよ。これは僕からのプレゼント」 病室は、瞬時に大空が広がり夢の空間になった。
人はイメージで自由にどこでもいける!手も足も首も動かせない宮ぷーは、どこの空を飛んでいるのだろう?はるちゃんの歌う『風にのって』が病室を駆け巡る…天井からぶら下がった虹色の千羽鶴が虹になり、病室に大きな虹のアーチがかかった。
何と素敵な夜だろう。このひと時は、神様からのプレゼント。飯島実さん、本当にありがとう。あなたの鳥は今日も出会った人達の心に瞬時に夢を見せ、幸せを運んでますよ。この鳥には、どんな音楽もかなわない。
動かせない右手で必死にボタンを押す宮ぷー…パソコンの画面には、たどたどしいけど一文字、一文字命の言葉が浮かびあがってくる。
加津子さんが言った。3日しか生きられない命がここまで回復したのは、本当に奇跡…みんなが毎日お祈りしてくれたおかげ…ありがとう。余分な文字もいっぱい入っていたけど「素敵な曲ありがとう」と言ったんだよね。
どんな詩人の言葉より美しく、どんな書家の文字よりも心に響いた。いつの間にか励ましに来た自分が逆に励まされ、生きるエールをもらっていた。
病院6階の窓からは金沢の町のたくさんの明かり…一つ一つの明かりが宮ぷー頑張ってねとエールを送るかのように温かく灯っていた。時計は8時、あの明かりは全国の人達の祈り、心のローソクに違いない。宮ぷーは必ず元気になる!
倉敷まで500キロ、3週間の旅の始まり…風の音三郎Mario


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1 コメント

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安曇野でのライブ (増田望三郎)
2009-11-17 15:27:48
丸山さん、11月27日(金)の安曇野でのライブ、お待ちしています。
よろしければ、このブログのコンサート予定のところでご紹介下さい。

詳細は以下です。
http://chikyuyado.blog95.fc2.com/blog-entry-107.html