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今日見た映画の覚え書き(のみ)

黒澤明監督作品

2016-03-15 15:45:55 | 日本映画
黒澤明の映画をリアルタイムで見たのは晩年の3作くらいで、それらにはまったく感心しなかった。この人がなぜ「世界のクロサワ」なんだろうと不思議に思っていたので、あらためて全作品を見ることに。
結果、初期の作品は本当に斬新で、こまかいところにものすごく工夫があり、見ている人をぐいぐい引っ張っていく面白さがあった。


『一番美しく』(1944/85分/白黒)
出演* 矢口陽子、入江たか子、志村喬、萬代峰子
光学軍需工場で働く女子挺身隊と、彼女たちを暖かく見守る寮母(入江たか子)の物語。
戦意高揚映画を目ざされたのだろうが、軍需工場の管理職の男たちをはじめとする周囲のおとなたちがみな穏やかで優しいので、少女たちの哀れさが際立ってくる。そこにメッセージがあるのかも。


『虎の尾を踏む男たち』(1945/58分/白黒)
出演* 大河内伝次郎(弁慶)、榎本健一、藤田進(富樫)、志村喬、小杉義男、仁科周芳(岩井半四郎ー義経)
歌舞伎『勧進帳』の、義経・弁慶一行の安宅の関所越えの場面を描いたもの。
強力(ごうりき)役のエノケンが怪演。エノケンってものすごく個性的で変な役者だったんだな。


『素晴らしき日曜日』(1947/108分/白黒)
出演* 沼崎勲、中北千枝子、渡辺篤、菅井一郎


『酔いどれ天使』(1948/98分/白黒)
出演* 志村喬、三船敏郎、小暮実千代
反骨精神旺盛で一途な町医者(志村喬)が結核にかかったヤクザの青年(三船敏郎)を助けようとする物語。
しゃべりまくる元気旺盛な志村喬というのも初めて見たが、三船敏郎も日本人離れした美声年だったんだなあとびっくり。波打ち際をスローモーションで走る夢のシーンなどは、フランス映画のフランス人俳優を見ているようだ。


『蜘蛛巣城』(1957/110分/白黒)
出演* 三船敏郎、千秋実、山田五十鈴
びっくりの完全な『マクベス』翻案。美しい!