佐藤浩市が出演したキリン一番搾りのCM以来 すっかり全国区になった静岡おでん。
撮影の舞台となった三河屋や青葉おでん街といった居酒屋系がお馴染みだが 主流は別にある。
駄菓子屋系と呼ばれるこれらの店は、外観からは とてもおでんがあるようには見えないのだが
一年を通してしっかり煮込んでいる。
「水野商店」もその一軒で、申し訳ないが建物は相当年季が入っており きれいとは言い難い。
「おでん あります?」と尋ねると
「ありますよ」と言っておばちゃんは鍋のフタを取った。
静岡おでんの特徴である真っ黒いダシと 串に刺した種の数々。
これに だし粉と青のりをかけて食べるのが静岡流。
食べ終わるとおばちゃんが串の数を数えて精算。
どれが幾らかは判らないが6本で410円だった。
お客の大半は常連のようで 入ってくるなり鍋に直行。
好きな串を皿に取り、勝手に食べ始める。
向かいに座ったおっちゃんは、カップラーメンのフタをめくり
おばちゃんに湯を入れてもらっている。
両者の関係があまりにフランクなので、初めて来た人は少々戸惑うかもしれない。
しかし、これが「駄菓子系おでん屋」の日常である。
という訳で この手の店は、よほど静岡の文化に触れたいという人以外オススメしない。
間違っても観光で来るような場所ではないのであしからず。