
二〇二二年は芥川龍之介生誕一三〇年。全作品は約三八〇。編年体一〇冊の旧版角川文庫で五割強を読む。(徐々に落ち込みそうな予感の読書なので明るい龍之介の写真を貼り付けた。)
「少年・大導寺信輔の半生」((八冊目、24作品収録)、大正十三年、三二歳
・「糸女覚え書」ガラシャを貶める理由はわからないけど、話自体は面白い。
・「或恋愛小説」女性を描くのは得意ではない。性で見ていないから。だから恋愛小説は書けない。書く必要がない。芥川には、もっと書くことがあったんだろう。
・「寒さ」物と人の熱を巧みに描くき、心に訴える名品。
・「少年」発想力溢れる作物を求めてしまうので、『保吉もの』はどうも物足りない。芥川自身はどうだったんだろうか。
・「大導寺信輔の半生」自伝的な作物。孤独が強調されている。この時期に芥川をして自伝を書かしめたものは何だったのか。
・「プロレタリア文藝の可否を問ふ」あらゆる至上主義者に好意と尊敬を有する。(立場と問わず)精神の自由を失はざるを望む。と芥川。
・「文藝雑感」講演録。芸術がより広くあるために、形式と内容の区別を意識すべし、と芥川。
メモは(主として)印象が残ったもののみ記す。(再読のため)
出来事
・健康、次第に衰える。
・斎藤茂吉を知る。
「半生を書き終えぬまま徐(おもむろ)に筆は重しか全生了へぬ(新作)」
~芥川龍之介「大導寺信輔の半生」~
不尽
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