まどか先生の「親子の関係 いろはにほへと」

子育てとは何と骨の折れるものでしょう。1と1を足しても2になるとは限らないのが子育て。親子関係、ちょっとしたアドバイス。

出しゃばりは禁物です!

2012年07月23日 | 苦言
 皮膚科の病院でのこと
私が待合室で座っていると、中から子どもの泣き声が聞こえてきました。

 「大丈夫、大丈夫。何も怖いことも、痛いこともしないよ
 これはドクターの声。これに続き・・・
 「どう?ここは、痛いのかな?それともかゆい?先生に教えてくれるかな?おりこうさんだね

 すると、聞こえてきたのはママの声。
 「はい、痒いらしいのです。痛いとは、一度も言っておりません
 次にまた、ドクターの声。
 「ずっとずっとかゆいの?それとも、お風呂に入ったり、お外で遊んで、お日様かんかん照ってるときにかゆいのかな?ぼくは上手に教えてくれるよねえ」
 するとまたママの声
 「そのあたりは、確かめたことはないのですが、とにかく、かゆいって申しますの

 「お母さん ちょっと黙っていてもらえますか きっと、坊ちゃんは、自分でも話せると思いますよ
 明らかにムッとしたドクターの言葉が聞こえ、ママはやっと黙り・・・泣きじゃくりながら話す子どもの小さな声が聞こえました。

 出しゃばりは禁物です
大人のようにはできなくても、子どもに「チャンスを与えること」は大事です
話すことは、その最たるもの。
 ママがすべて話す機会を取り上げるのではなく、「ひりひり痛い」「ずきんずきん痛い」「ぎゅーっと痛い」「ずっと痒い」「掻き出したら、どんどんか痒くなる」「お風呂に入ったあと、すごく痒くなる」などなど・・・
 こういう表現や感覚を子どもに教えてあげることこそがママの責務。

 ママが代わって話すことは、子どものチャンスを奪うこと。これをお忘れなく


「ほめる」と「おだてる」は違います

2012年07月17日 | 提案
ここ数年は、日頃からピシッと叱られていない子どもが多く、どうも大人をなめた様子の子どもが増えました こういう子ども達は、総じて親やまわりの大人から、常々「おだてられて」育っています

 要するに、幼い頃から、何をしても、何を言っても「まあ、上手」とか、「すごいわね」などと言われて育っているのですね。「誉める子育て」というやつ、です

 しかし、多くの親達が「ほめる」と「おだてる」の違いを理解できていなくて、大抵の場合は「おだてる」だけの子育てをしてきているのですよねえ・・・

 本来の意味での「ほめる子育て」とは、子どもがしっかりと頑張り、たとえば目標に向かって努力をしたり、最後まで諦めずに物事に向かった時に、きちんと言葉で子どもを労い、成功への評価を表現ようというものです。

 でも、多くの現代パパ、ママがしていることは、「叱ることをしない」=「ほめる」というような理解、なんですよね。ですから、子どもがさほど努力もせず、ぐずぐず、ダラダラと行動しても、親のほうが叱ることを我慢し、「がんばってて、えらいわね」などと媚びる・・・
 これは、ほめているのではなく、おだてているだけです

 このことを、しっかり自覚して、あらためて「ほめるとは?」を考えてみてくださいね


子どもの不幸を喜んでいませんか?

2012年07月09日 | 苦言
「んもー、ほらねえ
こんなママの声をよく聞きます。そういう時のママの顔は、妙に得意げ

 「雨の日は、ここで走っちゃだめよ。長靴を履いてる時は、絶対にここの床は滑るんだから!」
ママは注意をします。マンションのロビーやエレベーターホールの多くは、タイルタイプの床が多く、確かに表面が濡れると、つるっと滑りやすくなりますよね
 けれど、子どもはそんなママの注意はお構いなし。ゴム底の長靴で、傘を手に駆け足 キャーキャーとお友達とふざけたりもします。子どもにとると、雨の日のような「いつもとは違い日」は、何となくウキウキとするものなのですよ

 でも。
やっぱり、調子に乗って勢いよく走ってくると・・・ツルリ~ン すってん どしーん
 時には、ゴーンなんて音が聞こえるほど、頭を床にぶつけてしまうこともあります。確かに、雨の日、こんな悪ふざけの駆け足で転んでいる子ども・・・あちこちで目にするはず、です

 すると、5人中4人まで、お母さん達は言うのですねよ・・・
 「んもー、ほらね ママがいつも言っていること、ちっとも聞かないから、転んじゃうのよ」と。

 はいはい、そうでしょう、そうでしょう ママの言うとおり、でしたよね。
けれどね、ゴーンと音をして転んだわが子に対する第一声が「まあ、大丈夫?」という声の何と少ないことか

 いかがです?
ママって、しみじみと考えてみると、かなり残酷な人・・・ですよねえ。そう思いませんか?