先日の鬼ノ城山で、「ジオグラフィカとYAMAPどっちがいいの?」と聞かれた。
YAMAPは使ったことがないが、機能をフルに使った場合(制限なし)は有料になるのは知っていた。その場合は確か、ジオグラフィカの方が安いので、そう言ったら、「いや、無料で使える」と言われた。
と言うわけで、使い勝手はどんなものかと、白木山椿谷コースで使ってみた。
自分が今どこにいるかわかるし、歩いた軌跡も表示されるのはジオグラフィカと同じ。(事前に地図をダウンロードするのも同じ。)
違うのは、YAMAPでのログは、終了させると、自動的に、登山情報サイト「YAMAP」に保存されるので、ジオグラフィカのように、ドロップボックスに入れたりメールで転送したりする必要がない。
パソコンでサイトを立ち上げ、「登頂した山」を開くと、歩いた軌跡が表示される。
さらにその下には、グラフ表示、活動時間、活動距離、高低差、累積標高登り、カロリーが表示され、親切この上ない。
更にその右には、スタートの時間、山頂到達時間、休憩時間、下山時間と表示される。
いわば至れり尽くせりの内容。特に昼の休憩時間を勝手に計測しているのには驚いた。
次に「軌跡データをダウンロード」と言うボタンがあるのでクリックし、ダウンロードしてカシミールで表示してみる。
赤い線は、この日いっしょに歩いてくれた友人のジオグラフィカの軌跡で、同じ日に同じ時間に歩いたYAMAPのデータと比較してみる。
青い線はYAMAPの軌跡。椿谷で一部乱れているが、これはアプリの問題ではなくて、スマホの機種の性能の差だろう。
元々谷筋は受信状態が良くないのだが、友人のスマホでは(ジオグラフィカ)ではよく取れているから、GPS受信性能は、私のスマホの方が劣ることになる。
これでYAMAPのデータをグラフ表示してみたらどうなるか。距離8.1km、累積標高847mとなっている。前半の標高データがややおかしい。
標高値を訂正すると、距離は8.2kmとあまり変わらないが、累積標高が1053mとかなり高くなった。
同じことを友人のログデータ(ジオグラフィカ)でやってみると、距離は9㎞、累積標高は1441mとかなり高い。下の図を見るとわかるように、下山途中で、理由は不明だが、なぜかログが乱高下しているせいだ。
同様に標高値を修正すると距離7.9km、累積標高は877mとかなり正確になってきた。
結果としては、どちらも大した差はないといっても良いレベルだろう。違うのはスマホのGPSの受信性能で、機種依存性がかなりあるということだ。
やはり、最大の違いは、ジオグラフィカは、計画段階では、カシミールでルートを自由に編集でき、グラフ表示で距離、標高差、所要時間、などなどを確認できることだ。
確認したうえで、それをジオグラフィカに転送しておくと、登山中は自分の設定したルートを歩いているかどうか確認できる。
YAMAPの魅力は、そういうことをしないのであれば、かつノーマルルートしか歩かない人にとっては、登山ルートに赤い線が最初から引いてあり、区間の所要時間も書いてある。らくちんこの上ない。逆に言うと、自由度は少ない。
ハイキングレベルならYAMAPの無料プランで全く問題ない。(以下YAMAPの地図)
カスタムマップを作って、自由に計画を楽しみたい人は、ジオグラフィカとカシミールの組み合わせで、色々なことができる。これはどちらがいいとか悪いとかいう問題ではないかもしれない。要は、好みの問題だ。
私など、バリルートの計画を立てる時は、どうしてもカシミールで計画を立て、それをジオグラフィカに転送して使うので、こちらの方が良い。なにせ、自由度が高い。
さて、難しい理屈で疲れたので、つつじの花で、心安らごう。余談だが、この日は寒く、雪が降ったという人もいた。山頂の気温5℃。
8合目のお地蔵さん。なぜか頭に白いものが。
下山したら、登山口にシャガの花が見ごろだった。お目当ての椿はもうそろそろ終わりか。先日見たパルポコジューム(水仙の原種)はもう跡形もなく消えていた。
(追記)
通りすがりさんから、次のようなコメントをいただきました。もしかしたら、作者の松本さんかな、ともおもいましたが・・・
「スマホのGPS精度は機種次第で特にAndroidでは高度がブレます。
標高のブレをなくしたい場合はジオグラフィカのトラック設定の『高度を標高タイルから取得』をオンにするといいです。オンにしたうえで山行予定地域の地図を見れば標高タイルというデータが読み込まれます。
国土地理院の標高データを使用するのでGPSによる誤差が無くなります。」
と言うことなので、さっそく設定を変更。ジオグラフィカで、下りに乱高下のあった友人にも、連絡しよう。
通りすがりさんありがとうございました。
標高のブレをなくしたい場合はジオグラフィカのトラック設定の『高度を標高タイルから取得』をオンにするといいです。オンにしたうえで山行予定地域の地図を見れば標高タイルというデータが読み込まれます。
国土地理院の標高データを使用するのでGPSによる誤差が無くなります。