月のあかり

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【コンプライアンス】TOYOTAプリウスリコール/小糸工業 航空機座席の検査記録改ざん

2010年02月09日 08時26分55秒 | 政治・雇用
■プリウスのリコール
"2010年2月8日20時18分 asahi.com" http://www.asahi.com/special/toyota/NGY201002080003.html

 この問題の対応について、当初TOYOTA は「欠陥ではなくリコール以外の対応」を検討していた。しかし、この問題が発覚する前にカローラなどでアクセルペダルが戻らないという不具合対応などの遅れも影響し、米国での批判が高まっていた。
同問題について、「ブレーキが効かない苦情」は昨年12月~1月で13件あり、米国だけでなく日本においても同様の原因と考えられる事故が起きていた。
5日名古屋市にてアクセルペダルの不具合で会見を行っていたが、プリウスのブレーキ問題についてもリコール(無償修理)を決定し、8日会見を開いて発表した。

■小糸工業の検査データ改ざん等
 航空機の座席部品を製作している小糸工業が、耐火性や強度などの検査データを改ざんし国土交通省へ提出していたことが明らかになり、国土交通省は「業務改善の勧告」を行った。この問題の発覚について「内部通報」で発覚したとされており、毎年この時期(1月)に実施される「国土交通省による安全検査」における発覚ではなかったようである。
小糸工業の掛川社長は、納期に間に合わなかったため不正を繰り返したと認めており、対象となる部品を使った座席について全数の再検査を命じられている。

■グローバル企業の信頼失墜は責任が大きい
 TOYOTAプリウスについては、欠陥ではないとしつつもリコールに踏み切ったわけであるが他の不具合への対応遅れに続く問題の発覚にユーザーからは多くの報告と不満が出されていた。さらに原因究明に時間がかかってしまったことにより「不具合隠し」と疑う声も出ていた。今回の対応で異例といえるのは該当者種の製造ラインを止め、原因の追求と対策決定発表となったこと。
 小糸工業に至っては明らかな検査データの改ざんという事実が発覚、しかも「内部通報」による発覚で、これまで提出してきた「安全」に対する検査工程のプログラムを意図的に変更したことが明らかになっている。対象となる部品は限定されるものと想像できるが、そもそも安全を担保する「検査成績書」のデータが改ざんされては、国土交通省として「何も信用できない」と判断したのだろう。

全世界をマーケットにマーケットを持つグローバル企業では、製品の信頼イコールその国への信頼に影響する。食品では中国で生産した冷凍餃子に毒物が混入し中国当局はいまだに原因を特定できていないが、国民の多くに「中国産製品の安全性に懸念」のムードが漂っているのは事実である。
今回のケースでは原因は特定され、対応が明確になったことは「日本企業全体の信頼失墜」までは言及されないと想像するが、小糸の例は単価の切り下げと納期遅れに追われる中小企業ではありがちな話ではないだろうか?

いずれにせよ、法令順守(コンプライアンス)については、グローバル企業にとって日本国内法だけでなく、販売先の国の法律、風習などにも配慮しなければならず、広範囲な対応が必要である。
また、危機管理 = 危機が起こってからの対応 ではなく起こさないためのプロセスづくりに目を向け、お客様への影響が最小限になるよう設計・製造・検査工程で不具合が発見されるようにしてもらいたい。

 


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