被爆した国が被曝するとはどういうことなのでしょう。実のところ、私は、被爆の他に被曝という別の表現があるのを知りませんでした。辞書をひもとくと、被爆は:原水爆による爆撃を受けること、またその放射能の害を受けること。被曝は:放射能にさらされる、または浴びること、とあります。今回の原子力発電所の事故で、初めて状況によって二者択一があることを知るという、あらためて、我が浅薄かつ皮相な認識を実感した次第です。
さて、前回述べた問題に再挑戦してみます。今回の原発事故と過去の放射能被害を含め、どのように理解したらいいのか、私なりに気になる事を以下に記します。
その1. 原発を、「安全」 という皮でくるんだ 「毒まんじゅう」 と言われる原発建設地域に国から出る交付金です。その交付金というのはどんなものだったか、私はテレビで知りました。それは、福島県の被曝地で、退去を命ぜられた年配の女性が自宅の前で、どんなことがあっても家を離れないと言うのです。その理由は、「原発のおかげで、こんな豪邸を建てていただいたので、離れるなんてとんでもない」 と言っていることです。
その2. 第2次世界大戦で、広島と長崎に原子爆弾が投下され、多数の死者と被爆者が出ました。さらに、戦後、太平洋のビキニ環礁で、アメリカが何度も行った水爆実験で、日本のマグロ漁船「第五福竜丸」 の船員の一人が、いわゆる 「死の灰」 を浴びて死亡しました。
その3. 戦後日本では、上記のように、甚大な被害を受けた事から、原水爆の放射能に対する危機意識が高まり、アメリカ海軍の原子力潜水艦や原子力航空母艦が日本の基地に寄港するたびに、港で、大規模な 「寄港反対運動」 が繰り広げられました。しかし、どいうことか近年その反対運動が終息してしまったように見受けられます。
その4. 世界で唯一原爆が投下され被害を受けた国 「日本」 ということで、原子力発電施設の設置や原子力を動力源とする船舶などに厳しい目を向けていた日本ならびに日本人が、一転、平和利用での原子力は、「安全でクリーン」 さらには 「安価」 であるという発想に転換してしまったのは、なぜでしょうか。
その5. 私たちが使用している電気代には、交付金の原資とかは請求書の明細には表示されていないということを、マスコミから知らされました。
今回の原発事故は、図らずも日本の恥部というより病巣があぶり出されました。私がこれまでたびたび指摘してきた、閉鎖社会あるいは村社会における、「癒着・なれ合い・洗脳から抜け出す」 という、意識や理性が培われない限り、この国はいつまでも、「日本でこんなことは起こり得ない」 と、言い続けるでしょう。
最後に、使用済み核燃料の貯蔵・処分についてですが、現在、北のグリーンランドかどこかに深い穴を掘っていて、そこに埋める工事が進行している、という記事を読みました。そのうちに、使用済み核燃料を、ロケットに積んで、月か火星に向けて打ち上げて処分するのではないかと、人間の勝手さに思いが至っています。
次回は、あらためて、日本のいいかげんな英語教育について書きたいと思います。また同時に、東京都内に、私が考えている英語教育を実践する英語学校を立ち上げる予定についてもお知らせしたいと思います。教科内容は、もちろん、1週間でペラペラとか、聞き流すだけで英語が話せるようになる、といったたぐいではありません。